函館水上警察 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488474058

作品紹介・あらすじ

明治二十四年、国際貿易港・函館に誕生した小さな警察署。署員たちを指揮するのは、アメリカ放浪経験をもち、フェンシングの名手でもある五条文也警部。ラッコ密猟船の水夫長の変死や、英国軍艦の水兵失踪などの難事件に、男たちは日夜陸と海を駆ける-。長年の沈黙を破った著者が新境地に挑み、絶賛を博した明治警察物語。若き日の森鴎外の函館訪問譚「坂の上の対話」を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 函館、明治二十四年。
    水上署。密漁船。荒くれ者。悪女。サーベル。ピストル。領事館。国際問題。事件。
    巻頭の函館地図を見い見い、彼らと共に町を駆けるような気持ちで、一気に読むことができる。
    時代背景に詳しければもっと楽しく読めるかも。と思うと、歴史の勉強もしたくなってしまうのでした。

  • 明治24年の函館を舞台にした刑事ものハードボイルド。
    当時の国際港である函館では犯罪捜査が、大国の野心と衝突する。不平等条約のため検挙できない相手に対し、五条次席が打つ手は...。

    史実の裏付けが確かであり、また社会の闇を照らす視線が存在するため、(東洋蔑視、アイヌ迫害、官僚主義、領土問題、等々)ファンタジーに堕していない。

  • この本で“明治24年”、或いは“明治15年”の“函館”という劇中世界を逍遙すると、何か「明治・大正或いは昭和の初め頃の趣を想起させるモノが幾分在る函館」をまた訪ねてみたくなる…

  • 明治二十四年、国際貿易港函館に誕生した小さな警察署。
    ラッコ密漁船の水夫長の変死や、英国軍艦の水夫の失踪
    などの難事件に男たちは日夜陸と海を駆ける。北の刑事
    たちの活躍を描く明治警察物語。

    帯には「五条警部は長谷川平蔵を思わせるヒーローだ」
    とあるが、確かに雰囲気は似ている。明治の函館という
    異国情緒豊かな町の雰囲気がうまく描かれている。
    なんせ治外法権のため、外国人に対しては、捜査権も逮捕
    権も無い。そんな中でどの様な意地をみせるのかが見どこ
    ろでもある。

  • 明治時代の函館が舞台。徹底的に調べ込んで書いてあり、圧倒された。時代背景、生活習慣、風俗、組織体系などなど、当時を直接知っているかのよう。この本物感にはシビれた。稲見一良とかと通じるものがあるハードボイルドだと思った。

  • 函館などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1931年1月17日、北海道生まれ。本名・乳井洋一。幼少時に宮城県仙台市へ移住し、以降は宮城県在住。進駐軍や米軍人、英語教師だった父から入手したペーパーバックで海外小説を読み漁り、特にハードボイルド小説を愛読した。東北大学文学部英文科在学中に執筆した「X橋附近」は江戸川乱歩に絶賛され、55年に『増刊宝石』へ掲載されている。57年に北海道新聞社へ入社してからも兼業作家として短編を書き続け、70年で断筆するが、2007年から再び創作活動を再開した。主な著書に『微かなる弔鐘』(光文社)、『墓標なき墓場』 (光風社)、『函館水上警察』(東京創元社)、『眠りなき夜明け』(寿郎社)など。

「2022年 『フェンシング・マエストロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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