- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488609177
作品紹介・あらすじ
軍人と科学者1000名が乗り組み深宇宙をゆく探査宇宙船ビーグル号。その行く手には、人類の想像を絶した、恐るべき宇宙生命体たちが宇宙船を乗っとらんとして待ち構えていた。猫のような怪物ケアル、宇宙空間に棲息するリイム人。人類の科学の粋とエイリアンの超能力が、手に汗にぎる死闘を展開する。SF史にその名をとどろかす傑作!
感想・レビュー・書評
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未知の生命体と遭遇した時に、その生命体が何をしようとしているのかを探るには、得られたデータから仮説を構築していくしかない。あらゆる分野の学問を総合的に駆使してである。
進化論を唱えたダーウィンがガラパゴス諸島へと向かった船と同じ名前の宇宙船「ビーグル号」が宇宙の探索に出発し、遭遇する未知の生命と対峙する冒険SF小説だ。
スタートレックにも影響を与えたであろうと想像できる。1950年に発表された作品であるが、今でも十分楽しめる。SF作品を探している人、本作品はいかがでしょう? -
想像を絶する凶悪な宇宙生命体との戦いは『宇宙大作戦』の元ですかね
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読み始めたとたんに、まずは「ダーティー・ペア」が頭の中で踊り出した。そういえば、確かにあのシリーズに登場する「ムギ」は、この小説に出てくる生き物を借りていると聞いている。しかし、こんなに突然に、しかも鮮やかに飛び出してくるとは思ってもおらず、そして、野生(?)の彼の力強さとワルっぽさの魅力ったらなかった。参った。
読み始める前は、もっと学術的なハードSFをイメージしていた。実際にかなりしっかりとしたハードSFの色合いも大きいのだけど、もっと素朴に、手に汗を握る怪獣退治の物語、未知の問題を命がけで立ち向かう冒険活劇の印象が強い。どしっと重さを持っているスペース・オペラとも言えないことはない。
主人公は情報総合科学者である。この情報総合科学というのは、この小説のオリジナルだろうが、さまざまな学問を横断的にとらえ総合的な判断をするという点で、とても現代的で、この小説が書かれたのが1950年だと思うと、非常に先駆的な視点だと思う。ただ小説の中ではもう一つ納得できる描かれ方はしておらず、どちらかというと魔法じみて見えてきてしまうのは、アイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズにおける「心理歴史学」と似ているような気がする。(書かれたのも同じ頃だし)
別々に書かれた中編4つで構成される長編だが、どれもおもしろし、登場する「敵」も個性的だし魅力的だ。ただ、全体のラストだけは、個人的にはもうひとつすっきりしなかった。ラストに至る過程も、なんかもやもやしたし。複雑な味わいの残るエンディングだと思うし、意図しているところもよくわかるのだけど、終わるならもっとさっぱり終わって欲しかったし、でなければ終わらなくてよかったなあと言うのが本音である。
ともあれ、古典的な名作には、そういわれるだけの理由がある。しみじみとそう思った。 -
SF。
劇団新感線の中島かずきさんが、若い頃に読んでいれば、と言ったとか、言わないとか、という小説らしく(?)、私も読んでみました。
簡単に言うと、外宇宙に探検に出ている人類が、さまざまな宇宙生命体との戦いに挑むという話。
主人公は、総合科学者の男。
個々の学問の権威がいる中、それだけでは解決できないひらめきを以って、宇宙人との戦いに勝利していく・・・というようなお話でした。
総合科学すげー!! ってなるようなストーリーでした。
もっと早くに出会っていたかったなぁ。
最後がちょっと尻切れトンボな感じがするので、評価は4 -
スタートレックを彷彿とする宇宙探検物語。地球外惑星で異形のモンスターと出会い、ビーグル号の乗組員に犠牲を出しながらも怪物を退治する。宇宙空間で生きられる生物も登場し、ドキドキさせる世界は良い。ただし、このような世界観は今となっては少し古めかしく感じる。難しく考えずに素直に読んで楽しむ作品だろう。子供にも楽しんで欲しい。
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科学者と軍人1000人を乗せた球体宇宙船ビーグル号が、深遠宇宙の探検で危機に直面する短編集です。
敵となる異星生物視点の物語があり、襲われる人類に加えて双方へ同情を誘います。
又、社会的・人間的な部分が多く、人類同士の嫉妬や諍いも頁を占めています。
後世のSFに影響を与えた一冊。 -
ハヤカワ文庫のを持っているのを確認しときながら買ってしまった。だって新しいのが好きなんだもの。
中身で覚えていたのは児童書で読んだざっくりした部分だけだったようだ…(-_-;)