重力への挑戦 (創元推理文庫 615-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488615017

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  • 人類が宇宙を探検する未来に、重力が地球の700倍に達するメスクリンという惑星にたどり着いた。そこで重力の謎を解明するための観測機器を惑星に投下したが、回収不能となってしまう。そこで、メスクリンに住むムカデのような姿の知的生物と交渉し観測機器回収の旅に出る。途中までは重力軽減装置によって人間も同行するが、重力が大きくなるに連れて人間は軌道上からの情報提供のみになり、メスクリン人により探検と捜索が続けられる。

    人類の異星人との接触、異文化との交流による謎や摩擦。
    メスクリン人自身にとっても未踏の地に足を踏み入れるという冒険的な捜索の旅。
    その旅の途中で出会うメスクリンの他の種族との交渉や戦闘。

    SF的な舞台で冒険小説のような物語が展開される。

  •  体長40cmほどのムカデ型異星人という設定も面白いが、作品の真骨頂はそのような生物を育んだメスクリンという風変わりな惑星にある。
    巨大な惑星であるため極地では700Gという人間の到達を阻む大重力だが、楕円形をしておりしかも高速で自転しているため赤道付近では3Gにまで下がる。

     あるメスクリン人が赤道付近で地球人と出会い、極地に墜落した地球人のロケットを回収するべく200倍以上となる重力の壁を乗り越えていく。
    舞台設定を別にすればほとんど冒険小説である。
    とにかく重力が増すに従って予想もしないトラブルに見舞われるのが面白い。
    今でこそ異星人のキャラ設定が「アメリカ人そのまんま」とか言われるが、ただでさえ異質な生命が異質な思考を持っていたら発表当時は受け入れ難かったのではなかろうか。

  • 「20億の針」もそうだったかもしれない(覚えてない)が、ゆったりとしすぎていて刺激に乏しい感じ。ありえない空想世界での登場人物の心理をじっくり味わって、そういうものかなあと感慨に浸る分にはいいが、読み物としてはあんまり面白くないかな。

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