- Amazon.co.jp ・本 (556ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488698072
作品紹介・あらすじ
幼年皇帝の摂政として惑星国家の統治を委ねられた、退役提督アラール。だが、その前途には暗雲が忍び寄り、反旗は一夜にして翻された。首都は制圧され、この辺境の星は未曾有の窮地に立たされる。アラールの妻コーデリアは五歳の皇帝を預かり、辺境の山中へ逃れるが…。シリーズ主人公となるマイルズの誕生前夜の激動を描き、ヒューゴー賞・ローカス賞を制したシリーズ中の白眉。
感想・レビュー・書評
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「戦士志願」の後に出た作品ですが、これはシリーズ主人公のマイルズ(ネイスミス提督シリーズ)の生まれる頃、その母の物語。
違う惑星からアラール(マイルズの父)を愛し結婚してやってきた、コーデリア。文化の違いに戸惑いつつ、授かった子供を無事に産み育てることを夢見るが、そんな折惑星に反乱が起こる。コーデリアは幼い皇帝を預かり、逃亡する。
反乱が起こる直前にアラールを狙った暗殺未遂により、コーデリアは子供に重大な影響を及ぼす毒ガスを吸ってしまう。バラヤーではほとんど行われていない人工子宮に胎児を入れることによってなんとか胎児の死亡を免れるが、重度の障害(奇形とも言えるほどの)が残ることは否めない。それを嫌悪するアラールの父とコーデリアの対立なども織り交ぜながらの、大活劇。
SF用語がわからなくてもすらすらと読めてしまい、さらにSFだと感じさせないほどの親近感が沸くキャラクターを描き出すその筆力はおなじみ。
最後でのちの主人公マイルズがマイルズたる所以なども描かれており、微笑ましく読み終えられる。シリーズ物の醍醐味、「登場人物の成長を一緒に感じることができる」が存分に味わえるこのシリーズ。ぜひシリーズでどうぞ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱマイルズが出てこないと物足りない。
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ヒューゴー賞ローカス賞受賞作。
今一番追いかけている作家。ビジョルド。先天性の奇形のため病弱なマイルズが、口先三寸で宇宙を渡っていく話。
今回はその両親達のお話。
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産婆の息子コンスタンチン・ボサリ……意外過ぎるぜ。やっぱり登場人物たちのようにボサリを嫌いにはなれないわ。いや、マイルズが奇形同然の姿で生まれた理由とその背景が母コーデリアの活躍として書かれている。マイルズの破天荒さは母譲り、バラヤーへの忠誠心は祖父譲り、外交術と軍事的才能は父譲りって感じです。
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『名誉のかけら』の続きで、今回もマイルズの出番は(ほとんど)なし。
まー、ドロウがかわいいから許す。