シュレーディンガーの少女 (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 574
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488745028

作品紹介・あらすじ

BMIを理由に会社を解雇された主人公の元に、政府からあるダイエット企画の参加者に選ばれたという通知が届く。それは?敗者は死なねばならない”というルールのデスゲームだった。(「太っていたらだめですか?」)すべての人は、65歳の誕生日を迎えると間もなく死ぬ。64歳になった紫は、人生の目標をほぼ達成していたが、ある時孤児の少女と出会い……(「六十五歳デス」)様々なディストピア世界を生きる女性たちの物語。

感想・レビュー・書評

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  • SF小説は恐らく初挑戦?だったかも。「六十五歳デス」や「異世界数学」は設定が面白かっただけに、もっと物語を広げて、長編で読みたい気持ちになった。秋刀魚の話も良かった。
    最後の2編くらいは、話がなかなか理解できないところもあったので星3

  •  またまた、本屋で帯とタイトルに惹かれて買いました。創元SF文庫だ。SFなんだ。
     文字が小さくて詰まっているけど、難解な言い回しはないので読みやすいです。
    「六十五歳デス」デスはdeathとかけてあるのね。人口の抑制のために、65歳で死ぬ世界。個人的にはそれもいいかもと思うけど、そのために、技術が継承されなかったんじゃないかっていう所は、そうでなくても、されていかない気がする。この話に出てくる「紫」さんが、64歳だけど、かっこいいです。
    「太っていたらだめですか?」政府主催ダイエット王決定戦って、そこまでやるんですか?ノリはいいので笑って読めます。でも、あんまり好きじゃないかな。
    「異世界数学」数学の苦手なエミが、数学を禁止された世界に紛れ込んでしまう話。面白かったです。中に出てくるヒルベルトさんの宿屋の話も面白かったです。こんな話、先生がしてくれたらいいのに。
    「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」近未来の小学生が夏休みの自由研究で、失われた秋刀魚の塩焼きの味を再現する話。これも面白かったです。学童用アシスタントAIが、「現在、自分の力でがんばりましょうモードを実行中です」と言って、手伝ってくれないところで笑った。
    「ペンローズの乙女」作者は東北大の理学部出身なんだっけ、と思い出させる話。途中、物理関係の話題は正確には分からない。でも、この終わり方は嫌いじゃないです。最後の一文の意味を私は捉えきれていないと思います。
    「シュレーディンガーの少女」何度か読み返さないと私には分からないと思う。なんとなく感覚的には分かるんだけど。設定は面白いし、話の流れも面白いけど、基礎知識があるときっともっと面白いと思われます。学問が高度になってくると、数学は哲学に、物理は数学に、化学は物理に、生物は化学に寄っていくと聞いたけど、物理学は哲学までいっちゃうのね。この前読んでいて途中で挫折したブルーバックスとか読めると、ちょっとは変わるかな?

  • タイトルのは最後。ディストピア系だけれどはっとするのもある、ほっとするのもある

  • 913-M
    新着図書コーナー

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50309444

  • 爆発的ではないけどジワジワおもしろい佳作揃い=かなり好みの面白さ。

    この本を読まない世界、まだ読んでいない世界...どうなってるのかな。

    本筋と全く関係ないけど、高校の描写が完全にあの場所でニヤリとしてしまった。

  • はじめましての作家さん
    タイトル通りめっちゃ好物の理系ディストピアです。
    しかも、シッカリ物理学や数学を題材にしているのに、お話として成立していて楽しかった。
    作者はこれまで男性主人公ばかり書いていたのに、この作品では全員女性主人公にしてトライしたそうです。
    ディストピア✕少女✕理系=面白い
    を、松崎有理の定理とします。

  • バラエティ豊かなSF短編。

  • ★なんでも早めに引退するのが好きでね(p.40)

    [○]「六十五歳デス」/カッコいいおばあさん/人口減らすため六十五歳前後で死ぬ人工病原体/六十五歳までにしたいことリスト/喫煙率増加/死の恐怖を癒す無免許医/自分と同じ痣のある少女を引き取る/少女との心の交流。

    [△]「太っていたらだめですか?」/政府が行う肥満者撲滅デスゲーム。その(二重の)結末は?

    [△]「異世界数学」/数学は好きやけど(ほとんど忘れてるけど)、さすがにこの展開は無理あらへん?/ま、も一回数学を学び直したくはなりました。

    [○]「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」/まさか秋刀魚の塩焼きをSFにできるとは・・・

    [△]「ペンローズの少女」/地球外知的生命体との遭遇率/コンデイ島=生贄の島/漂流してきた少年ヨーイチとコンデイ島の美少女サヨ/ペンローズ族。

    [△]「シュレーディンガーの少女」/観測者/シュレーディンガーの猫実験/美少女アンドロイド対ゾンビ/時間軸の分岐/パラレルワールド/量子自殺。

  • 想像の何十倍もつまらなかった

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著者プロフィール

1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。

「2022年 『シュレーディンガーの少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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