弱点克服　大学生のミクロ経済学

著者 : 遠山智久

• 東京図書 (2008年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[may93182kunさんの感想 · 2015年8月9日]

経済学大学院受験用に買いました。
院試用のトピックが網羅されていたので
これ1冊で8割くらいはいけるかもしれません。

[別府さんの感想 · 2015年1月11日]

【感想】
　初中級レベルのミクロ経済学の問題集・参考書。表紙は軽いが、内容はしっかりしている。資格試験や学校の定期試験や大学院試験を対策したい層が、本書の対象。
　日本語の文章による解説が多めで、数式または数学的な言い回しが苦手な読者でも分かりやすい。同レベルの教科書・問題集と比較しても読みやすい部類なので、堅い本が苦手な人にオススメ。講師をやっているだけある。
　定番の教科書を補完する点では強く推せる。
　難点を挙げると、(1)図が少ない点（やはり読者が既に基礎を習得していることが前提らしい）、(2)数少ない数式や図を再掲しないという構成上、読者がページを頻繁に前後しないといけない点、(3)紙面に文字を詰め過ぎで（余白が少なｋ）目が痛くなる点。(4)誤植も散見される。
　でもこれらは（著者一人が責を負うべき）著述の問題ではなく、（多くの人が関与する）本づくりの問題でもある。

　使い方も一応。著者の解説はわかりやすいが文字の量が非常に多いので、初学者が取り組むには時間がかかる。教科書ではなくあくまで試験用の副読本として作られている（あんまり自信もって言えないが）。少なくとも読者がノートに要点をまとめる程度には手を動かさないと、本書の内容を読み取れないはず。


【メモ】
・専用ページ（経済塾ＥＭＳ：誤植訂正など）
http://www.keizaijuku.com/　

【版元】
著者：遠山智久(1972-) 東京大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得。経済塾EMS主宰。
A5判 400頁
定価：3300円
ISBN：978-4-489-02042-1
C3033
http://www.tokyo-tosho.co.jp/books/ISBN978-4-489-02042-1.html

【簡易目次】
　第１部　消費者理論
第01講　効用関数と無差別曲線
第02講　効用最大化問題
第03講　需要関数
第04講　所得効果と代替効果
第05講　消費者余剰と補償需要関数
第06講　スルツキー方程式
第07講　需要の価格弾力性　

　第２部　企業理論
第08講　利潤最大化問題と供給関数
第09講　部分均衡分析
第10講　長期の企業理論　

　第３部　一般均衡理論論
第11講　交換経済　
第12講　生産経済　

　第４部　価格メカニズムの限界
第13講　市場の失敗と補正　
第14講　公共財の理論　
第15講　独占の理論　

　第５部　ゲーム理論
第16講　期待効用理論　
第17講　静学ゲームとナッシュ均衡１　
第18講　静学ゲームとナッシュ均衡２　
第19講　動学ゲームと部分ゲーム完全均衡　

[with13teaさんの感想 · 2012年8月5日]

ミクロ経済学の院試対策本。

経済学の教科書と言うよりは、問題の解説書。
各単元の問題に対しどの様にアプローチすれば良いのか、その背景の理論を交えて丁寧に解説されてある。

本書の構成としては、各単元ごとに基本例題が初めに出されその簡易な解説がすぐ後に記述されている。
その後、その問題を解く上で必要となる考え方、理論や公式を解説し、問題の解法を詳細に説明している。

作者が経済塾を運営していることもあり、実際の院試に出題される問題に近いものを例題として出している。

経済学初心者でも理解出来る構成となっており、経済学部出身で無い私でも理解できた。

ただし、ミクロ経済学の問題を解くことに重点を充てているため、理論を学びたい方は、他の教科書的な書籍をおすすめする。

星を4つにしたのは、基本例題ではなく演習問題の解答が明確にされていないため。
解説は本当に丁寧に書いてあるため、解答が分からない事はないのだが、解説を読まないと解答が得られないというのは、解いた問題を採点する際に面倒だった。

[machoriさんの感想 · 2011年9月21日]

経済学系の大学院受験を志すなら絶対に使うべき一冊！

ミクロの基礎から丁寧に説明していて、
他の問題集では分からない「なぜ」に答えてくれる。

例題・応用問題が院試レベルなので、
武隈の後にこれを解くとミクロはかなり仕上がります◎