- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784490210644
作品紹介・あらすじ
冷戦終結から30余年、欧米主導の一極化した国際秩序への反発から、世界各国で反リベラリズムの潮流が湧き起こっている。そんな中、プーチン・ロシアは、ウクライナへの軍事的干渉、クリミアの併合をはじめ旧ソ連の周辺諸国に対して軍事的圧力をかけるなど強権的な言動をとり続け、国際秩序に揺さぶりをかけている。そのようなロシアの行動は、西側諸国からファシズムと批判されている。本書は、「ファシズム国家」とのレッテルが貼られるロシアを、幅広い視野から冷静に分析、プーチン体制の構造とロシアの地政学的戦略をわかりやすく読み解く。今のロシアを、そしてヨーロッパの将来を占うための必読書であり、混迷する国際情勢の分析にとって貴重な手がかりとなる作品である。
感想・レビュー・書評
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◆理解を諦めぬ知性[評]菅原琢(政治学者)
ファシズムとロシア マルレーヌ・ラリュエル著:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/172100?rct=book
「ファシズムとロシア」書評 プーチン体制の本丸を見誤るな|好書好日
https://book.asahi.com/article/14599419
【書評】トラウマとイデオロギー──マルレーヌ・ラリュエル『ファシズムとロシア』評|乗松亨平 - ゲンロンα
https://www.genron-alpha.com/bookreview_003/
Dr. Marlene Laruelle
https://www.marlene-laruelle.com/
ファシズムとロシア - 株式会社 東京堂出版 限りなく広がる知識の世界 ―創業130年―
http://www.tokyodoshuppan.com/book/b599344.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段この分野の本をほとんど読まないため非常に難しかったが、https://www.genron-alpha.com/bookreview_003/
等を参照しながら読み進めた。歴史、背景を知識として、今何が起きているのかを冷静に見つめられる第三者でありたい。 -
数十年いろいろなファシズム関連の本を読んできた経験に基づくと、一方的に決めつけることなく、本書はウクライナ侵攻の現況下において的確な判断を下している。
プーチン政権への高い支持率も本書を読めばわかるだろう。まさに現実政治の達人だ。
終戦後に攻め込み日本の領土を奪いながら堂々としている国でもある。日本の政治家は学ぶべき点がかなりあるのではないか。
また、正教会へ経済制裁された理由もよくわかる。
ウクライナ=善、ロシア=悪と無条件に思ってる人にこそ読んでほしい。
本書は値段が高いので図書館で借りた。読む気があればタダで読める。 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1304059 -
Is Russia Fascist?
Unraveling Propaganda East and West
http://www.tokyodoshuppan.com/book/b599344.html -
やや難解
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概念やイデオロギーの説明が中心で自分には消化不良気味だが、訳者解説も合わせ読む。
ナチスドイツに代表され、中露でも中東欧を含む欧米でも敵、悪とされる「ファシズム」。現在も、厳密な学問的定義というより一般的言説の中で露を「ファシズム」と呼ぶ事例がしばしばある一方、露自身は自らを「反ファシズム」とする。こういった「(反)ファシズム」との言説自体に歴史認識や政治的対立、ヨーロッパ・アイデンティティが反映されているというのが著者の視点だ。
著者は、政治的テロル、大衆教化や動員、人種絶滅イデオロギーなどがないことから、露をファシズムとする見方には同意しない。ただ、反リベラリズムや権威主義は否定しない。更に、訳者が指摘するように、「西側」から露やプーチンをファシズム、独裁者と呼び「他者」化するのではなく、露はグローバルな反リベラリズムの地続きだというのが本書の特色でもある。 -
ロシアがウクライナを侵攻する現在、非常に興味深い指摘が数多くある。
「全体主義の起源」を読んだ者としては、ナチス=スターリン=ファシズムという等式が成り立つのであるが、ロシアでは違うようだというのも大きな収穫であった。