米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492045329

作品紹介・あらすじ

アメリカ海軍でダメな艦として有名だった潜水艦「サンタフェ」。

134名の乗員たちの間には、「言われたことをやるだけ」という空気が蔓延し、みな、働くことに疲れていました。

そんななか、新たに艦長に就任したマルケ大佐は、この艦が抱える問題を一つひとつ取り除き、
わずかな間に、誰もが注目する最も優れた艦に生まれ変わらせました。

それだけでなく、マルケ艦長が去った後も、今に至るまで、サンタフェは優れたリーダーを多く輩出しています。

いったいどうやったらそんなことができるのか。

マルケ艦長が行った改革のプロセスを、本書では丁寧に描いていきます。

軍人なのに、命令が大嫌いな艦長。

「よろしい」というだけで艦を動かすマルケ艦長の「委ねるリーダーシップ」に、
あのベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・コヴィー博士も感動。

本書を絶賛する内容のはしがきを寄せています。

海軍で100年続いた命令型リーダーシップを捨てて、
部下に権限を下ろす「委ねる」リーダーシップが艦に根づくよう奮闘、葛藤する
マルケ艦長の姿は、多くのビジネスパーソンの共感を呼ぶはずです。

優れたリーダーは、次世代のリーダーを育てる。21世紀の新しいリーダーの姿が見えます。

感想・レビュー・書評

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  • リーダーシップ課題図書におすすめ!

  • 『感想』
    〇命じているのではなく、委ねている。いいフレーズだな。使っていこう。

    〇自発的な努力・判断・責任が組織向上のために必要であり、リーダーがやることはその環境を整えること。もちろんそれも自発的に。

    〇もう知っているという驕りが時に大失敗を起こす。完璧なものなどないのだから、ふと立ち止まりこれでよいのか自問する時間をつくっていきたい。

    〇リーダーだからとふんぞり返って部下が情報をくれるのを待っていてはいけない。自分が情報を探しに行かないと。

    〇今までにない新しいことを組織で行っていくと、反発も大きい。それをいなしていくには、個人の能力の高さを相手に感じさせなくてはならない。著者もアメリカ海軍兵学校を首席で卒業したことが役に立っているのだろう。

    〇リーダーシップはリーダーになってから身につけはじめるものではない。リーダーシップを発揮できると認められた者がリーダーになっていくのだ。

    『フレーズ』
    ・リーダーは、小切手や地位や権力や恐怖心で自分への支持を「買う」ことができるかもしれない。でも、部下たちの才能や情熱や忠誠心や諦めない心は、自発的に提供してもらわない限り手に入らない。世界を悩ませている大きな問題を解決できるのは、「自発的」に解き放たれた情熱だ。(p.8)

    ・部下に委ねるリーダーシップは、部下に命じるリーダーシップと構造が根本的に違う。その中核には「誰もがリーダーになれる」という信念がある。(p.15)

    ・最大の敵は自分自身である。「もう知っている」と思う感覚が、継続して学ぼうとすることの障害となるのだ。(p.28)

    ・情報を権限のあるものの元へ持ってこさせるな。権限のあるものが情報の元へ動け。(p.76)

    ・リーダーシップを導入する手順(p.266)
     1 組織の中で有能さが発揮される部分を特定する。
     2 接するときに有能さを発揮するために、社員はどんな決断を下す必要があるかを把握する。
     3 そうした決断を下すうえで彼らになにが必要になるかを理解する。何かと接するときは、的確な専門的知識、組織の目標に対する深い理解、決断を下す権限、状況に応じた決断を下す責任が必要になる。

  • リーダシップを委ねて浸透させるやり方。
    文化醸成に長い時間がかかることがストーリー仕立てなので読みやすい。
    ただ中身は七つの習慣のような既知情報の実践なので目新しさはなかった。
    ただ理想的ではある。

  • フォトリーディング
    潜水艦の指揮

  • 久しぶりに読み応えのある本でした。私の目指す理想の組織がそこにはありました。
    委ねるリーダーシップは、まさに理想。ただ、実際にやろうとすると大きな壁が…。
    メンバー一人一人に高度な専門知識がないと任せられない。そこをどう乗り越えたのかもっと詳しく知りたい。そう思いました。
    委ねるリーダーシップは、権限を部下に移譲すること。その一方で、責任は追う覚悟が必要。リーダーの腹のくくり方がすごいと思いました。
    こんなリーダーを目指したい そう思いました。

  • ・質問も、知識を試す質問より、本当に知りたいと思って質問することのほうが有益。
    ・発問する時、変えてほしいことは、というより、「ひそかに」変えてほしいと思っていることは?
    ・まずは信頼構築。批判や助言をする時間はそのあとにいくらでもある。
    ・命令して委ねても意味がない。それではトップダウンでボトムアップを導入すること。矛盾である。ボトムアップを受け入れるようにしむける。
    ・ミスがあるとチェック者を増やす、という対策があるが、それでミスが減ったためしがない。
    ・早目に報告することで、いざ結論をだすときに間違っていることを防ぐ。そうすると部下を信頼していない、ということになりそうだが、そうではない。
    ★信頼することは純然たる人間関係の話であり、報告などは物理的な問題。
    ・委ねるには、相手に相当の知識が必要。知識がないのに委ねても仕方がない。
    ・説明と確認は違う。説明は説明者が一方的に話す。確認は説明者が知識を試す発問をすることで、受ける側に応答させること。
    ・また委ねる際には、目標が正しく共有・理解されていることが大切。

  • 自律的組織を扱う書籍のなかで、過去一おもしろかった。リーダーシップのあり方を見直し、トップダウン型の海軍において権限移譲を進めた苦労や工夫は参考になることばかり。オーナー企業の比じゃないくらい、「変わる」ハードルの高い軍隊の成功事例は勇気をもらえる。

  • 権限を与えたりする仕組みは、本質的に矛盾している。権限委譲ではリーダーシップの構造は変わらない。権限とは自分の内側から生まれるもので与えようとすることは、相手を操ろうとすることと同じ。本当に必要なのは自由。自由な状態と権限を委譲された状態は違う。
    自ら判断して行動できる環境が整い、高い技能と正しい理解が備わったとき自由が生まれる。

    自律的な環境を作る上で本書で説明されている3つのアクション
    ・直前に行動する
    ・これから〜をします
    ・説明するな、確認せよ

  • リーダーシップの在り方としてサーバントリーダーシップが提唱され、従わせるのではなく考えてもらうことの重要性が声高に叫ばれるようになって久しい。
    現実には、どこまで権限委譲するべきか悩む管理職たちのうめき声が変化しきれない組織の中にこだましている。
    そんな「変われない」、むしろ「変わってはいけない」組織の筆頭である軍隊において見事に自律的な組織へと変貌させていったマルケによる本書は、どのように自律的組織になっていくかの重要なヒントをいくつも潜ませている。

  • 「ソフトウェア開発のスクラムに通じる」と聞きましたが、そうは思いませんでした。
    任せるリーダーシップを実現するために、リーダー自身が自分を律している様子が大変参考になりました。

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