たのしみは日常のなかにあり: 独楽吟にまなぶ心の技法

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492061251

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  • 【生き方】たのしみは日常のなかにあり / 橘曙覧(歌)武田鏡村(解説) /20171103 (84/680) <178/86367>
    ◆きっかけ
    ・【生き方】女房対策/川北義則/20140420(35/209)

    ◆感想
    ・その通り。青い鳥の話ににている。どこか遠くにあるのではない、日常の些細な出来事にあるものだという点で。「独楽吟」(どくらくぎん)の教えが身に付いていれば、心豊かな人生が過ごせそう。

    ◆引用
    ・自分の日常生活の営みにある、ちょっとした変化に感動し、それを心から楽しむ。
    ・たのしみは 草のいおりの 莚敷き ひとりこころを 静めるとき
     -そのゆとりの心こそ、誰にも侵されない楽しみの空間が広がっている。
    ・たのしみは 紙をひろげて とる筆の 思ひの外に よくかけし時
     -ほんの些細なことでも、自分の行為に感動し、喜び、自分自身をほめてあげることが大切。
    ・たのしみは 妻子むつまじく うちつどひ 頭ならべて 物をくふ時
     -一家団欒の幸福
    ・たのしみは 意にかなふ 山水の あたりしづかに 見てありくとき 
     -自然との一体化
    ・たのしみは 常に見なれぬ 鳥の来て 軒遠からぬ 樹に鳴きしとき
     -人生は哀しみや苦しみの連続。そんな現実を自覚したとき、お互いの命を慈しみ合い、助け合い、小さな命にも心を寄せて生きようとすると、生活を取り巻くささやかな変化でも楽しいと感じられてくる。
    ・たのしみは 物識人(ものしりひと)に 稀にあひて 古しへ今を 語りあふとき
     -心友との出会い
    ・たのしみは まれに魚煮て 児等皆が うましうましと いひて食ふ時
     -味覚の喜び
    ・たのしみは 心をおかぬ 友だちと 笑ひかたりて 腹をよるとき
     -気を許せる友
    ・たのしみは 家内五人 五たりが 風だにひかで ありあへる時
     -無病息災の喜び
    ・たのしみは 三人のこども すくすくと 大きくなれる 姿みる時
     -子供の成長
    ・たのしみは 木の芽(お茶)にやして(沸かす) 大きなる 饅頭を一つ ほほばりしとき
    ・たのしみは つねに好める 焼豆腐 うまく煮たてて 食はせけるとき
     -心のこもった料理
    ・たのしみは ふと見てほしく おもふ物 辛くはかりて(どうにかこうにか) 手に入れしとき
     -買い物の充実感

  • 幕末の歌人、橘曙覧(たちばなのあけみ)の詠みあげた52首の「独楽吟」

    すべてが、「たのしみは」ではじまり、「とき」で終わる形で詠まれていて、
    日常のささいな楽しみ、幸せを詠んでいます。

    酒井若菜さんのブログで紹介されていて、
    ちょっと気になって読んでみたら、
    福井の人ってことで更に親近感。
    現在も福井県では、「平成独楽吟」と題して、毎年募集しているそうです。


    すきだなあと思った歌。


    「たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起(おこ)すも知らで寝し時」

    「たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時」

    「たのしみはそゞろ讀(よみ)ゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時」



    日常のささいな事に、楽しみを見出す生き方。
    すごく見習いたいと思いました。
    これを読んでから、楽しかったこと、幸せに思ったことを、あえて心の中で言葉にしてみることにしました。(実際に歌を詠むのは恥ずかしいし、ムリっぽい)
    以外に、楽しみはあちらこちらに転がってますね。


    そのうち、平成独楽吟にも応募してみたいと思っています。

    あまり知られていない人のようですが、
    うちの母親は知っていました。
    さすが福井人。
    「ひとつおりこうさんになったわねー」
    と褒められました 笑

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