- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492370896
作品紹介・あらすじ
革新の担い手「企業家」をシュンペーターはどう捉えたのか。現代に生きる古典の初邦訳。
感想・レビュー・書評
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・企業家は、リーダーシップの社会的現象の特殊ケース
・企業家の経済的リーダーシップ:(新結合の内容)
1)新しい生産物または生産物の新しい品質の創出と実現
2)新しい生産方式の導入
3)工業の新しい組織の創出
4)新しい販売市場の開拓
5)新しい買い付け先の開拓
・新しいことを断行するという機能の遂行は、企業家の本質を成すもの。
それに結び付いた利益は、本来的な企業家利益である。
・Selfmademan(一代で成り上がった男、叩き上げ)
・企業家を定義付ける特徴とは、単に新しいことを行ったり、既に行わて来たことを新たな方法で行うと言うことである。
・新しいアイデアを具体化する事業を起こす:Enterprise企業
ゴーイングコンサーンの管理を指揮する:Management経営
・発明家はアイデアを生み出し、企業家は「事を行う」。
・カンティヨンが「企業家 Entrepreneur」という言葉を初めて用いた。
―――(編訳者による解説)
・かつて、シュンペーターは、新産業の担い手は、新人であり新企業であるという仮説を提示した。のちにシュンペーターはこの仮説を撤回するが、彼の死後、アメリカの経営史は、前述の仮説が妥当であったことを示している。
・シュンペーターは、企業家の「群生的出現」を指摘している。一人の企業家の成功的出現は、単に他の数人の企業家の出現を惹き起こすばかりでなく、ますます多数の、そしてますます能力の乏しい模倣的企業家の出現を惹き起こすのである。
・ドラッカーの「イノベーションと企業家活動」(1985)に、シュンペーターは少なからぬ影響を与えている。
・シュンペーターの企業家論は、なによりもまず、企業家の革新性を強調した点にある。
・企業家とは、シュンペーターにとっては「不均衡を作り出す勢力」であり、カーズナーにとっては「均衡を作り出す勢力」なのである。
・これまでの我が国においては、キャッチアップ型の企業組織、企業間関係、企業文化が形成されてきた。同質、横にらみ、集団主義、ピラミッド型、等々がその特徴である。
・今創造活動を展開するために、企業家風土の形成が不可欠。そのためには、次の4点を重視する必要がある:
1)個人の自立、自律
2)異端、異質を認める
3)失敗の許容
4)自立を基礎にした連携
○昔も今も同じことが言われてるんだな~。
・自立型人材の輩出が、企業家風土形成の前提になる。
・対極にあるのが、組織依存型人間。
・自立型人材輩出には、教育が重要であり、かつ有効である。
・自立型人材は、企業家予備軍である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃくちゃしんどかった
p.25
「その本当の意味において企業家の機能は単に企業を営むことではなく、企業を創出することによってのみ発現される」
p.88
「企業が既存の慣行を超える何かを行う場合には、これを創造的反応と呼ぶことができる。(中略)創造的反応は、社会と経済状況を恒久的に変化させる。(中略)創造的反応が歴史プロセスの必須要素なのはそのためである。」
p.99
「個人の直感や力量などの要素が、かつてほど重要な要素ではなくなっている。このような個人的能力の代わりに、専門家のチームワークが幅を利かすようになるかもしれない」
p.143
「企業家的な活動はある程度、企業家のものの見方を社会という有機的組織体に刻印しているのだ」