- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492394953
作品紹介・あらすじ
原油・原材料が高騰してもインフレにならない!給料・金利・地価は上がらない!エコノミストランキング6年連続1位の著者が、日本経済の現在と未来の本当の姿を解き明かす。
感想・レビュー・書評
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今から2年ほど前(2008年)に書かれた本ですが、その時の日本の経済状態から「デフレは終わらない」とこの本の著者である上野氏は断言しています。それから2年経過して、原油等の上昇から一部の消費財での値上がりはありましたが、全体的には消費者物価は上がらずに、いわゆる「デフレ」は続いています。
原材料価格が上がっても、金利・給料・地価が上がらない以前とは異なった経済構造になったようです。この本ではそれらについてじっくりと解説されていてためになる部分が多かったと思います。
特に、「国債の金利が1%上昇すると利払い費が1兆円増加する」という仮定が現実になるための説明(p136)は興味がありました。
以下は気になったポイントです。
・原油価格が高騰している理由として、1)中国インド等の新興諸国の経済高成長と、国際的に原油需給が逼迫している、2)ドル下落により産油国の原油代金の低下を埋め合わせるため、これがOPECの本音に近い(p22)
・国内での製品、サービス需給判断DIを見ると大幅なマイナス(余っている)状態が続いていることから自然にデフレ圧力が加わっている(p26)
・原材料価格が上昇しても自動車の販売価格が上がらないのは、需要が減少しているのが根本原因(p31)
・需要面からの構造的デフレ要因である、「人口減少」「少子高齢化」「規制緩和」が、サービス分野の硬直的な価格をさらに低くする流れが続くと予想される(p41)
・戦後最長を更新中という政府の景気判断は、製造業の動向が景気サイクルの根幹をなすという考え方がベースであり、個人の景況感は反映される余地少ない(p48)
・民間企業の給与総額は1998年を最高に減少傾向がつづいていて、雇用者一人の単価は下がっている(p59)
・人口が減ってどうなるかの未来図としては、すでに人口減少社会に入っている地方の現状をみれば参考になる(p73)
・10年債利回りがなぜ上昇しないかの最も大きな理由として、デフレを脱却できず物価上昇に弱い金融資産が運用対象として魅力的であるから(p82)
・ユーロ金利の高止まりとドル金利の低下により、市場にはユーロ買いドル売りの力が働く(p96)
・地価の急激な上昇はあくまでも局地的なものであり、それらの地域の上昇が全国ベースでの地価上昇につながることは無い(p119)
・一人のファンドマネージャが株式と債券の両方を取り扱える権限があるのは、ヘッジファンドや一部の投資信託に限定、生命保険会社や銀行では担当部署は明確に分離、つまり株から債権に資金がシフトすることはレアケース(p121)
・長期金利が1%上がるとは、その年に発行される国債の利率加重平均が1%上がるということ、1年間で新たに発行される5年債、10年債、20年債のすべてが上昇するということ(p136)
・1975年度の普通国債の利率加重平均は8%程度であったが、2005年まで継続的に1%程度まで下がり続けて、24年ぶりに上昇(1.42%から1.43%へ)した(p138、143)
・家計金融資産の海外資産への投資は、2007年末で14兆円程度で、全体の0.93%(p197)
・金銭的には自腹を切っての「自分への投資」は最終的には役に立つ(p208)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
発刊から時間が経っていて、内容はちょっと古いが、サブプライム後の今だからこそ筆者の考えの正しさが確認出来る。円高、デフレ、高齢化と筆者の指摘している提言への政府の対策が依然手付かずなのが残念。
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100820
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題名に引かれて読んだが至極まっとうな意見。
インフレの時代は来ないと断言。
構造的にデフレ圧力があるらしい。
日本経済にはコスト面=供給面からで触れ圧力がある。
値上げ発表はあるが、便乗値上げ監視はきちんとされているのか。
「海外でどれだけ原材料価格が高騰しようがそれが物価高やインフレに直結するとは限らない」らしい
この人の分析では「商品は余っている」とのこと。
値上げを発表した製品の国内需要が本当に伸びているのかをチェック
需要を増やすのが難しいなら、供給の削減、
赤字企業の撤退と業務縮小が本来では?
非正規=派遣、パート、アルバイト、契約、嘱託。
その「中身が薄まる」という言い方をしている。
結局非正規を増やして、総賃金支払いを少なく抑えている?
資本の論理があるから、経営者側は好業績が続いても、
コスト抑制は続けていく。
ボーナスも抑えていくだろう、とのこと
雇用者ひとりでもここ10年で一人当たりの収入は減っている。
地方に見える、「ゆとり」と無縁の人口減少社会。
日本の未来図として、人口減少社会の地方を見ておくべし。
(でも住むところ集中させて地方をなくすしかなくない?)
需要はおちてもライバル車は減らず苦しい状況がつづくから、
インチキもしたくなる。
人口減少という重しがなくならない以上、また増えてくるだろう。
90年のとき手を打っていれば少子高齢化ももう少しましだったのに。
教育インフレがあるから少子化対策で必要なのは金とインフラ。
現実育児で休めばキャリアにデメリットがあることが多い。
高齢者にあれだけ予算を割いているのだから、子育てにも同じくらいはほしいね。 -
ちょっとタイミングとしては古いのですが、以前読んだ<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062821028?ie=UTF8&tag=sibafu-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062821028">「依存症の日本経済」</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=sibafu-22&l=as2&o=9&a=4062821028" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />の著者上野さんの1つ前の本。ちょうど図書館にて在庫だったので、借りて読むことに。
4つの章からなっており、本書のタイトルである「デフレは終わらない」が1章で説明され、2章では金利が上がらない理由、3章では政府と日銀の関係、4章では対策などが書かれた4章構成です。
さてさて一通り読んでみましたが、1つわかったことは、自分に経済力が無いことが明らかになったということです…ムズカシイよ。難しい1「用語がわからなーい」。例えば「市場分断仮説」「イールドカーブ」とかは勿論、基本的な用語ですら危ういということがわかりました。用語がわからないので2「繋がりがわからなーい」。「○○だから△△△なのだ」。と言われても、「○○」も「△△」もわからない。むむむ…。
多分わかる人が読めば面白いんだろうけど、私の場合は1章と3章がなんとなくわかった程度で2章に関しては途中飛ばし読み。本当は勉強しつつ読めば良いのだろうけど、それはちょっと本書1冊で行うにはコスパが低いと見て別に。とりあえず細野三部作でも読んで経済の復習時間つくろうかしら…。ディスインフレ(…って、本当はデフレとは違うんだろうけど)に関しては<a href="http://kokudododo.blog32.fc2.com/blog-entry-106.html" target="_blank" title="「大貧困社会」">「大貧困社会」</a>でも触れていたような気が。そっちの方がまだわかり易かった。
ただ上野さんの「依存症の〜」は、経済一辺倒ってなわけではないので、そちらはハードルが低くお勧めです。
関連:細野三部作
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4093793042?ie=UTF8&tag=sibafu-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4093793042">「日本経済編」</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=sibafu-22&l=as2&o=9&a=4093793042" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4093974616?ie=UTF8&tag=sibafu-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4093974616">「銀行・郵貯・生命保険編」</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=sibafu-22&l=as2&o=9&a=4093974616" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4093793050?ie=UTF8&tag=sibafu-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4093793050">「世界経済編」</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=sibafu-22&l=as2&o=9&a=4093793050" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
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第一章の考察は解り易かった。コストプッシュ型の物価上昇は限定的かつ一時的であるとし、少子高齢化に伴う需要減という需給関係からデフレ圧力は今後もかかり続けると考察する。次いで、人口減少により「ゆとり」は生まれないとする(ex.鉄道会社は需要が落ちた分だけ、本数を間引く等)。第2章の有事通貨のドル売り、という分解はなるほどと思った。最終章ではデフレ時代への提言として、「格差を前提として自分に投資する」、少子化対策で必要なのは金とインフラとし、人口(滞在人口も含めて)、「人」があって一国の経済は成立するとする。若手サラリーマンを対象としており、話の流れはマクロ観として掴みやすい。
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えっと、これが本当なら、日銀はいったい何をしているの??
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6年連続No.1に輝いたエコノミストの著書
今の市況をまるで読んでいたかのように当たっている.
上野さんみたいな上司がいいわ!
てかやっぱマスコミが報じる記事は当てにならん! -
No.1エコノミストだけあって予想も良く当たっていると思います。