経済成長とモラル

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492443767

作品紹介・あらすじ

本書は、現代を代表する経済学者のひとりであるベンジャミン・M・フリードマン教授(ハーバード大学)が、アメリカを中心とした世界各国の事例をもとに、経済成長と人々の社会のモラルとの関係を詳細に分析したものである。著者によればこの2つには正の相関関係があり、経済成長が国民の生活水準の向上をもたらすと、多様性の許容、階層間の流動性の上昇、公平性への指向、デモクラシーの重視といった社会的道徳心の向上がみられる。

感想・レビュー・書評

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  • こんな分厚い本読めるか!と思ったのだが、読み始めたらおもしろくて、イッキに読んだ。
    この人は、連邦準備制度のエコノミストを経験してる。
    マクロ経済学の、金融面を重視した研究業績で知られ、若き日には、当時盛んだったマネタリストと論争した、というところが良い。オレはマネタリストなんか大嫌いだから。
    マネーサプライとGDPとの間だけでなく、非金融部門の負債総額とGDPとの間にも安定的な関係があることを示し、金融政策に活かすべきだと提唱した、とのこと。p364
    まず、目をひいたのが各国の、所得と豊かさの関係。
    自分の豊かさを感じる基準として、他人との比較がある。
    アダム・スミスもヴェブレンも、人々に勤労を促す動機は、単なるお金よりも、「コミュニティの中で高く評価されたい」という思い、だという。
    ・・・・ようするに、この話は、単なるGDPだけでは説明できない部分の「豊かさ」の基準についての話でもある。
    サルコジが立ち上げた、豊かさの基準を測る新しい指標作りを進めたスティグリッツ委員会とも共通してる。

    それから、アメリカ経済史や、不況のときにKKKのような差別的な勢力が出てくる現象についても詳しく述べてる。
    経済だけじゃなくて、幅広い視点から分析しているのが、おもしろかった。

  • 超飛ばし読み

  • 日経書評

    モラル社会とは機械が解放されていて、異質性に寛容で民主的な社会

    生活水準が持続的に改善された国々は、開放的で寛容な社会を維持し、民主的な諸制度を拡大、強化しようとつとめることがおおい。

    しかし、市民の多くが、向上を実感できていない場合は、社会はより硬直的になり、デモクラシーは弱まってしまう。

    衣食たりて礼節を知るが、主な主張。

  • 経済成長と人々の社会のモラルには正の相関関係がある。経済成長が国民の生活水準の向上をもたらすと、多様性の許容、階層間の流動性の上昇、公平性への指向、デモクラシーの重視といった社会的道徳心の向上が見られる。

  • 332.53:Fr

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