「本質直観」のすすめ。: 普通の人が、平凡な環境で、人と違う結果を出す

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492470879

作品紹介・あらすじ

「今考えている事の逆が正解だ。でもそれは大きなミステイク」(セッツァー・ギャッビアーニ:ファイナル・ファンタジーⅥ)
新進気鋭の経営学者が企業の事例とマーケティング論分野の研究成果から打ち出す、経営学+哲学の新しい思考法!

【主な目次】
第1章 優れた経営者は直観する
 ・ジョブズは顧客に聞かなかった?
 ・リサーチなんて誰も信じていない?

第2章 ソーシャルメディアから本質直観を考える
 ・一つ目のエピソード:ネットの掲示板は信用できるか?
 ・二つ目のエピソード:ソーシャルメディアをうまく使いたいなら
 ・キットカットはなぜ駄洒落をブランディングに使えたのか

第3章 本質直観とは何か
 ・答えを持っているとすれば、それは自分だけ
 ・間違いなく「リンゴである」とは?

第4章 誰のどんな声を聞いてどう応えるか?――市場反応とセグメンテーション
 ・顧客の声を集めることの意味
 ・レッツノートの開発体制、苦難のPC事業の中で
 ・液晶が割れることは問題にするべきか

第5章 市場志向がめざすものとは?――オブザベーション
 ・イノベーションのジレンマから抜けだすために
 ・オブザベーション:顧客に聞かず顧客を見る
 ・ATMに鏡がつくようになった理由

第6章 無意識は取り出せるか?――心脳マーケティングとZMET
 ・写真を用いたインタビュー――ZMETの実際
 ・インターネット調査とテキストマイニング
 ・ハウス食品のシチュー開発

第7章 過去をたどって自分自身を問い直す――内観法(Introspection)
 ・「なぜ」という質問の問題点
 ・「雨」と「コンビニでおにぎりを買った」の因果関係

第8章 「質」と「量」の見かたを根本から更新する
 ・「カラスは黒い」をどう証明するか
 ・リサーチを行うことで社会が変わってしまうとしたら
 ・データは「事例」としての意味を持つ

第9章 リサーチを生かす組織の仕組み
 ・リサーチの結果は「完璧」?
 ・フロンティアを切りひらいてきた花王のマーケティング
 ・リサーチを歪めないための組織体制

第10章 ビジネス・インサイトの本質直観
 ・ヤマト運輸の創造的瞬間
 ・ダイエー、セブンイレブン、キットカット
 ・弱みと思っていたものを強みに読み替える

第11章 本質直観の本質直観
 ・もっとずっと昔から、すでに答えは知っていた、かもしれない
 ・「教養が大事だ」と「大学の知識は現実にはほとんど役に立たない」

第12章 直観をどうやって伝えるか(という問いは必要か?)
 ・「やってみなければわからない」の意味
 ・わからず屋の上司とは誰か

感想・レビュー・書評

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    本質

  • うーん

  • 最初の直観を正しい形で疑えるようになれ→最初の直観から得た確信の正しさを本当の意味で深く確信しろ

    マーケットリサーチ不要→そもそも顧客は答えを知らない

    リサーチによって一般性を確認→数があれば疑いを消せると判断しているだけ

    蒸気機関とは発電機 発電機なら工場のレイアウトを変更可能→電気の本当の力を発揮できる

    竹田青嗣 はじめての哲学史 直観補強型思考 直観検証型思考

    ZMET(Zaltman Metaphor Elicitation Technique:ザルトマン・メタファー表出法) 博報堂がライセンスを持つ深層心理を踏まえたユーザー調査法
    ☆事実・情報などを〔…から〕引き出す 〈事実・返事・笑い声などを〉〔…から〕誘い出す〔from〕elicit an opinion from a person 人から意見を聞き出す

  • マーケティング・リサーチを、
    既存の哲学・思想などを使い、
    考え直してみるというような本だと理解。

    あまり理解が出来なかったという感想。
    でも顧客の声がすべてじゃないっていう所は同意。

  • 竹田現象学を知っている人にとっては、頷ける内容ではありますが、知らない人にとっては、すぐに腑に落ちるのは、難しいかもしれません。

    その竹田現象学のアイデアをヒントに、マーケティングの世界に置いて、本質直感という手法を使って、外に向かって分析するのではなく、内に向かって分析することで、自分の「気づき」を深堀りすることが、核心に迫る有効な方法論という主張。

  • マーケティングの話。
    全く新しい商品やビジネスモデルを創出する方法で、全ての商品に対する考え方ではないことは、注意が必要

    大前提は、顧客は答えを持っていない。答えは自分自身の確信である。
    確信を得るためには、マーケデータやオブザベーションによる気づきが必要。
    その気づきを確信に変えるためにマーケデータなどが必要

    自分自身で考えぬけって話。
    哲学的な内容が多くて読むのが大変。。。

  • 本屋で立ち読み。
    内容:マーケティングはresponsiveかproactiveに分けられる。responsiveはブーム等に素早く乗っかるのは成功に繋がるが、膨大なデータの中から無理に導く答えは真実なのか?アンケート回答者のメタファーを正しく理解するのは困難。マーケティングはproactiveであるべき。確信を外に問うのではなく、自身に問う。相手の説得は、データによって行うこともできれば、結局分からない未来について信頼関係がなければ永遠に疑われ続ける。要は信頼関係が築けてるかが全て。

  • 哲学的な読み物としては刺激的で面白かった。
    本書は、マーケティング・リサーチのあり方として、従来の、外(市場、ユーザー等)に答えがあるという方法論が間違っており、本質直観というリサーチャー自身の感触、確信を問い直した先にこそ答えが見えてくると主張する。
    その主な理由として、外にあるはずの答えの真実性は確認できないことが挙げられ、それはその通りだと思うが、そもそも多様性の世界に絶対的な真実などないし、だからといって傾向的な選考性などは否定されえない(推定可能だ)と思われる。一方で、外からの刺激や情報に接した自身が何らかの思い・確信をもつことそのものは実存を疑わないが、それを問い直しながら見いだした答えが本当に有効なのか、どれだけ有効なのかは、やはり実証されえない。
    結局のところ、外のデータそのものは何も語らず、そこからどんな答えを引き出すのかという方法論が研究されていることは分かるが、本質直観する自分自身の知識、経験、性質、外との関連性に結果が影響されるだけに必ず上手くいくというものにはなりえないように感じられる。すると、従来のリサーチ結果を会社のトップで諮り、社長が自身の感覚に基づいて専断するという状況とどれだけの違いがあるのだろうと疑問に感じた。
    思うに、市場そのものには革新的な商品へのニーズはなく、しかし最終的な売れ筋は市場しか知らないわけで、その間のリサーチャーの感性、本質直観がどこまで有効なのか、結局はやらなきゃわからないのなら、そこを超える何かを大いに期待したい。
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著者プロフィール

東京都立大学教授

「2023年 『マーケティングをつかむ〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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