「Jリーグ」のマネジメント―「百年構想」の「制度設計」はいかにして創造されたか
- 東洋経済新報社 (2004年9月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492501283
作品紹介・あらすじ
ビジョン、ガバナンス、マーケティング、メディア戦略etc.巨大ビジネスを成功を導いた「制度設計」の全容。
感想・レビュー・書評
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元電通会社員で日本サッカーに関わってきたものの、Jリーグ発足時にはライバル博報堂がマネジメントをすることで発奮して、Jリーグの創成期に活躍した筆者の執念がわかるような本。
あとがきにあるように、Jリーグ発足10年目に発足時の記憶があいまいになったり、その時には語れなかったことを川淵チェアマンにお願いして、資料を再構成した本。サッカーが、JSLの運営でノウハウを蓄積していたことや他のスポーツでは学校の教員が多い運営者にビジネスマンが多かったこと、思い込みではなくデータ重視の計画を立てられたこと、バブル期などであったことなどの多くの必然と偶然が重なってあれほどのブームを呼び起こせたのだと思う。
スポーツの形としてはめったにない談合型ではなく、先に理念を持ち出し、理念に賛同したチームが参加することで、新しい地域に密着したスポーツとして始められたことなどが挙げられると思う。
書籍中のデータもよくまとまっていると思う。スポーツやマネジメントに興味がある人は必読の本だと思う。 -
Jリーグの「リーグ」としての制度設計の経緯、制度自体の説明を非常に丁寧に過去の資料をさかのぼってまとめた良書。リーグとしての思想、ビジョンがとてもはっきりしており、その上でいくつかの幸運も重なってJリーグは創設された。
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5/28
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他国のプロサッカーリーグ、または自国のスポーツ団体からリーグ運営の成功例Jリーグにおける運営方法について網羅的に述べられていて、資料として歴史を感じる大変価値のあるものであると思う。
巻末に載せてある集客数や各チームの収入などの1次データは特に貴重。本書で述べられているが、問題を把握するうえで「データを取る」ことから開始し、「思い込み」をベースに会議をすることなく進めたJリーグの伝統。データによる「正確な事実把握」と「事実認識の共有化」が問題解決への第一歩であるということを本書より学んだ。
統計って重要な武器!
また、スポーツにおいては一般の自由競争と違って、一つのチームだけが勝ち続けるのではなく、リーグ全体として盛り上げ、かつリーグ全体としてのコンテンツをいかに利益に活かすかということが大切であることがわかる。そのためにはW杯、オリンピックなど、過去の例から強力なトップダウンの仕組みが有効に働いていたこともわかった。
テレビ放映が少なくなり収入の面では衰退していると思っていたJリーグが、巻末の資料により、観客人数や収益などが堅調に推移し、確実にサッカー文化として根付きつつあることがわかった。
また、Jリーグの視点からではなくプロ野球の視点からも感じることがあった。プロ野球はここ数年「フランチャイズ」に対し、「野球教室」や「学校訪問」などを通し、マネジメントの中で積極的に地域社会にアプローチしている。これまでは企業スポーツとしてのプロ野球であったが、それが変化してきている。それは本書で述べられているような、マネジメント・スポーツ文化に対する新たなとらえ方を「Jリーグ」が見出したからに他ならないだろう。
そんなプロ野球は一時の下火が嘘の様に、「指定管理者制度」を利用した新しい楽しいスタジアムの創出などで、盛り上がりを見せている。
特にパリーグの顧客満足度は高いらしい。
元来、地域だけでなく、日本国民全体へのアプローチがうまかったプロ野球。
これからは「Jリーグ」が「プロ野球」から学ぶべき時代が来ているのではないかと、本書を読みながら感じた。 -
難しくて分かりづらい部分は多々あります。
でもわからない部分を読み飛ばしても、おもしろさは伝わりそう。
とにかく川渕さんが実はものすごい人だったんだと初めてわかりました。
マネジメント的観点から見たJリーグ。結構面白いもんです。 -
Jリーグは周到に準備され始まった。プロ野球との決定的違いは・・・。
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記録としての完成度の高さとスポーツビジネスの最前線の臨場感を伝えたという意味で、ノンフィクションとして楽しめます。学生ながらビジネスが行われる現場を覗き見できた。
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もみじ。