カルティエ 最強のブランド創造経営: 巨大ラグジュアリー複合企業「リシュモン」に学ぶ感性価値の高め方
- 東洋経済新報社 (2021年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492503249
作品紹介・あらすじ
衰退しつつあった老舗や山奥の地場産業は
いかにして世界的企業グループに変身したのか?
「歴史」「人」「土地」「技術」をブランド資源に変える戦略と方法論。
日本のものづくり企業はGAFAよりリシュモンに学べ!
感想・レビュー・書評
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著者の経営に関する見解には疑問を持つものの、ブランド構築についての分析や事例はわかりやすく、歴史や人、技術や土地のストーリーなどを、ただ述べるのではなく、ブランドの資産として価値を伝え憧れや尊敬を喚起する必要があるというメッセージは非常に参考になった
またラグジュアリーブランドは情緒価値<機能価値となるものであり、より一層人からの憧れを喚起する必要があると感じた -
読書会の歴代レポート(1冊がA4用紙2枚+αにまとまっています)は、PortalⅣの電子ファイルサイトから誰でも閲覧できます。
「この本に興味はある!けど、読む時間はない…」という方は、ぜひそちらにアクセスしてみてください。
KC>経営企画室>全グループ会社>05.読書会 -
カルティエと題していますが、リシュモングループの各腕時計ブランドについて記載されています。各ブランドの歴史やブランド哲学、各ブランドが持つ経営資源とその使い方についての記述が豊富。一方でラグジュアリー戦略の本筋部分は著者の長沢伸也氏の他の著書の方が詳しく記載されています。
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読もうと思った理由
ヨーロッパ企業のブランド経営について知りたいと思ったから
気づき
・日本企業が参考にすべきはGAFAではない
・今こそ日本企業は、価格破壊に抗い、それぞれの業界
における高付加価値化、高価格化を目指していかなけ
ればならない
・価格競争から抜け出すために
①一人の顧客に生涯を通じていろいろ買ってもらう
②他社に真似されない技術で差別化する
③他社に真似されないよう知的財産権を獲得して阻止す
る
④デザインなどの感性品質で差別化する
⑤ブランドイメージで差別化する
・ラグジュアリービジネスの特徴
汎用品にはないブランド価値が付くことにより一般に
高価格・高収益で高利益率
世界の高所得層の増加(特にアジア)による売上増加
期待
価格競争に巻き込まれず、不況下でも大きく落ち込ま
ない安定的な収益
ファッションから車・酒・食品・生活用品まで幅広く
含まれる
欧州に多く存在する
・リシュモンは得意分野に注力して稼ぐ「得手に帆を揚げ
る経営」である。時計・宝飾分野
・個別ブランドごとの財務内容は秘匿
持ち株会社のメリット
・歴史は無料の広告ツール
・創業何年など言いっ放しではだめで歴史が長い以外を
強調する
・名士や王侯貴族から依頼されなくても、自ら歴史的出
来事や人物と関連性を一方的に作るという方法もある
・社会貢献事業、美術や芸術振興の活用も、歴史が創出
する価値をセールスに使い、社会貢献に結びつけて潜
在顧客へのアクセス手段に伸長する方法で、ラグジュ
アリーブランドでは業界標準といっていいくらいどの
ブランドでもやっている
・誰も知らない土地を知らしめ、普通の顧客しか来なか
ったのを、高級な場所やお洒落な場所に旗艦店を出す
ことで、高級な顧客やお洒落な顧客にアクセスが可能
になる
日本のものづくり企業の再興に関する知恵がたくさん書かれており、大変勉強になりました。