人材マネジメント論―儲かる仕組みの崩壊で変わる人材マネジメント (BEST SOLUTION)
- 東洋経済新報社 (2006年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492532119
作品紹介・あらすじ
前著『人材マネジメント論』は、人材マネジメントを経営的な視点からとらえ、企業経営における人材マネジメントの方向性を示したものであった。本書はその内容をさらに一歩進め、現在そして将来予想される経営環境のなかで、企業が直面するであろう課題を考慮し、大幅に書き改めたものである。
感想・レビュー・書評
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HRMを深く、幅広く学べる良書。
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2006年に出版された本だが、やや会社事例が古くなったとはいえ、現在にも通じる人材マネジメントの原則を解説してくれている本だと思う。仕事でタレントマネジメントを扱う機会が出てきたので4年ぶりに再読したが、改めて勉強になった
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かなり前のものですがあまり古めかしいところはない印象。ワークライフ・インテグレーションについては後書でしか触れていないので、本文中で一章を割いて論じても良かったのでは...。
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セッションの課題図書。
働き方改革のセミナーとかでも話を聞いたことのある高橋先生の本。
事業戦略の両輪となる人材マネジメント。組織の在り方が変わってきているのに、一対一の互酬性が基本となっているOJTには限界がある。目的を達成するためにはどのような組織、人材マネジメントが必要なのか。
って、難しいよな。とにかく、思い付きではうまくいくはずがないので、人事も科学なんだなと改めて思う。 -
ベーシックトラストの話?
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大局的な観点から人事のトレンドを知るのに最適
明日からすぐ役立つ類の本ではない -
推薦本
これまで人材関連の本をほとんど読んでこなかったので始めての内容が多く新鮮だった。
経営関連の知の体系として人材論というものを個別のものとしてとらえていたが、組織が目指すべき方向性や形態などが変化することに伴い、組織に必要な人の能力や特性も変化するのでセットで考えるべきものであることを認識しなくてはならない。
また近年、企業が必要とする人材像が分からなくなっていきているとR社の方が話していた。どの企業の説明会に行っても論理的思考力、コミュニケーション力、チャレンジ精神の3つばかりがでてくるのもその現れなのかもしれない。
モノやサービスが作れば売れる時代ではなくなったのでトップダウンではなく各々が考え行動し、検証する自律的な組織、人となることが必要である。
組織の3大資本であるヒトは自分が思っていた以上に大切だ。人がダメになった組織はモノやカネ以上にダメージは大きいだろう。
以下メモ
事業ビジョンを明確にせずして必要な人材像は見えない。
近年の傾向としてトップダウンの命令系統(ピラミッド組織)に忠実に動く人材ではなく、顧客接点を重視した人が求められる。(すなわち自律的に判断、行動のできる人)
人材マネジメントの3分野
組織マネジメント(分子)、人材フローマネジメント(分子)、報酬マネジメント(分母)
弱い絆が思いいがけない成果を生み出す?
人材の分解
スキル、思考力、思考・行動特性、動機
前者2つは後天的に身につけることはできる。(ただし最低限の力がなければ仕事にならない。最低限のラインを超えると仕事の出来との相関性はない。)
後者2つは変化するのは難しい。ここは見誤りたくない。
スペシャリスト 特定分野の専門性(スキル)を持った人
ジェネラリスト スキルが特定の分野に特化したものではなく汎用性の高いマネジメントスキルを持った人
プロフェッショナル 問題を特定し、分解し、実行、検証を自ら回せる人間。特定分野の専門性が前提となる。複数分野持っていると強い
雇用形態とキャリア形成
Hire and Fire 非正規雇用
Up or Out 外資系、官僚
終身雇用(≒長期雇用) これまでの日本
採用
ポテンシャル同化採用 (いわゆる採用、可能性、伸びしろを見据えた上での採用)
思考力採用 (ケース面接など)
open position driven採用 (ポストが開いたら採用、アカポス)
コンピタンシー採用 (成功者の強みの特性と似た人を採る)
雇用形態、採用方法はどれがよいというのではなく組織のビジョンや業務形態によって変わってくる。今はその形態が大きく変わり始める過渡期なのだろう。
キャリア自律支援は言い換えるとリストラの免罪符である。
日本の終身雇用を単に古い雇用形態ということはできない。良い面もたくさんある。(再雇用にかかるコスト、長期的視点での人材育成、環境変化による社内流動性の高さ、人生設計のしやすさ)
具体的な命令ではなく組織の目指すべき方向性を示す。 -
人材を活用するという雇用者の視点からだけでなく、自分がどのような人材になれば企業から欲しいと思ってもらえるのか、という非雇用者の視点で読んでも面白いと思う。
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読みやすい