グローバル人材マネジメント論―日本企業の国際化と人材活用 (BEST SOLUTION)

  • 東洋経済新報社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532195

作品紹介・あらすじ

自社流スタンダードを構築し、グローバルリーダー人材を育成せよ。世界的な人事コンサルティング・ファームの叡智を結集した、国際的な人材マネジメント論の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 少し前の本だが、当時の問題やこれからの展望についてかなり分かりやすく書かれている。この仕事のおもしろさも感じることができた。

  • 「まず、海外ではすべて言葉にして伝えないと何も伝わらない、というしごく当たり前のことを指摘したい。……確かに、現状では、多くの日本企業の海外拠点で、そういう共通理解とか、強み・価値の伝道は成立していない。しかし、悲観するにはまったく及ばない。これまで、ほとんどその努力をしてこなかったからできていないのではないだろうか。それも別に今までの駐在員のかたがさぼっていたのではなくて、ついこのあいだまでは、そういう強み・価値の伝道などはさほど必要なかったのである。ようやく日本企業のグローバル化が本格化したので、はじめて海外の人たちに本格的に大事なことを本気で伝える必要が生まれたのだと私はみている。」

    7年前に言われていることなんだけどな。しかも、この人が最初に言ったわけじゃないから、ずっと前から言われていることなんだろうな〜。

  • 日本企業がグローバル展開をする中でいかに人材をマネジメントしていくか(タイトルのまんまか…)とても分かりやすく書かれていると思います。

    この手の本は、課題を並べるだけ並べて尻切れトンボで終わるものが多いですが、各社の取り組み事例も紹介されており、非常に参考になりました。

    興味深かったのは、JTがスイスに置いているという、グローバル人材マネジメント会社。
    スイスは社会保障協定を一番多くの国と結んでいるそうで、この会社に籍を移してから他国に移ると、元の国の社会保障に戻れるらしい。
    個人の生活を考えるととても重要な制度です。

  • アカデミックな話と事例話がうまく混ざっていて読み応えはあった。ただ、取り扱う範囲が広く、私にとっては第4,5章(強み・価値のデザイン、強み・価値を浸透・進化させるプロセス)があれば充分だった。自分自身の経験と重なっていたからかもしれない。

  • ■概要
     ワトソンワイアットにて、日本企業が国際展開する際の人材マネジメントに関するコンサルティングを行っている著者の経験を踏まえ、典型的な日本の大企業が海外進出し成功する上での人・組織づくりのポイントを、相互に影響しあう下記3つの視点から説明している。
    1.組織構造(器、役割)
    2.採用・育成・評価・報酬・配置(人材のフロー)
    3.価値・強みの発見と伝道
     グローバルなリーダー人材はこれら三種の神器の中でこそ育つとしている。中でも3は、「内発的国際化」と著者が呼ぶもので、異なる価値観や背景を持つ世界の人たちと拠り所や目指す方向性をすり合わせ、事業を展開していく上で、欠かせないものとしている。

    ■おススメ度
     ★★★★☆
     単に個々人の異文化コミュニケーション能力をどうこうするというレベルの話ではなく、いかに人が育つ環境を整えるか、それも、「違い」ではなく「共通性」に軸足を置きつつ、現地の人たちの自立を促すかという点が興味深い。グローバル人材の育成というと、研修にソリューションが寄りがちなのかと思っていたが、いい意味で予想を裏切ってくれた。
     
     半年前に購入したきっかけは、?日本企業が海外進出する際の人材育成方法の調査 が目的だったが、意外にも副産物として、?アメリカのグローバル企業と日本企業の海外進出時の受け入れられやすさの違い(日本企業はなぜ特殊?)の理解 と、?組織構造(職能別/事業別/地域別)と人の育成との関係性の再確認 ?自社の強みとそれを活かす組織構造や人をセットで考えるという視点(デルで求められる人材、マッキンゼーで求められる人材・・・) などを得た。今まで断片的だった知識と経験をつなげてくれたという意味では、自分には読み応えのある一冊だった。

    ■仕事に参考になる点
     特に概要で挙げた視点3は、特にこの2-3年で、「ビジョンによる経営」として組織開発・人材開発におけるホットトピックに挙がることが多かったように思う。個人的に注目しているのは、日本のグローバル企業(日産、デンソーなど)による実践事例が「ヒューマンキャピタル」などのセミナー等で目立って発表されるようになってきたことだ。その背景が、この本で理解できた。
     比較的多様性の薄い日本人同士が集まる企業においても、自社の拠って立つところ・目指す方向性を、一人ひとりが自分の言葉で語れるほど浸透している姿は一般的ではないだろう。ましてや、もともと文化や言語、慣習や個人の価値観が大きく異なる異国の地においても、その存在を認識し、心から納得し、日々の仕事に活かしているとなると、難易度が格段に上がる。一方的に押し付けようとすれば、拒否反応を示すこともあるかもしれない。ポイントは、一人ひとりの中にすでにある、物語を引き出すことにあるという。そのプロセスは、研修にも通じると感じる。自分の信念をおせっかいに押し付けてしまいがちなので、個人的にはこの点を留意したい。
     その他、グローバル企業に限らず、人と組織の関係を押さえる上で、頭の整理に便利な1冊。(千)

    • hpcgroupさん
      ■概要
       ワトソンワイアットにて、日本企業が国際展開する際の人材マネジメントに関するコンサルティングを行っている著者の経験を踏まえ、典型的...
      ■概要
       ワトソンワイアットにて、日本企業が国際展開する際の人材マネジメントに関するコンサルティングを行っている著者の経験を踏まえ、典型的な日本の大企業が海外進出し成功する上での人・組織づくりのポイントを、相互に影響しあう下記3つの視点から説明している。
      1.組織構造(器、役割)
      2.採用・育成・評価・報酬・配置(人材のフロー)
      3.価値・強みの発見と伝道
       グローバルなリーダー人材はこれら三種の神器の中でこそ育つとしている。中でも3は、「内発的国際化」と著者が呼ぶもので、異なる価値観や背景を持つ世界の人たちと拠り所や目指す方向性をすり合わせ、事業を展開していく上で、欠かせないものとしている。

      ■おススメ度
       ★★★★☆
       単に個々人の異文化コミュニケーション能力をどうこうするというレベルの話ではなく、いかに人が育つ環境を整えるか、それも、「違い」ではなく「共通性」に軸足を置きつつ、現地の人たちの自立を促すかという点が興味深い。グローバル人材の育成というと、研修にソリューションが寄りがちなのかと思っていたが、いい意味で予想を裏切ってくれた。
       
       半年前に購入したきっかけは、?日本企業が海外進出する際の人材育成方法の調査 が目的だったが、意外にも副産物として、?アメリカのグローバル企業と日本企業の海外進出時の受け入れられやすさの違い(日本企業はなぜ特殊?)の理解 と、?組織構造(職能別/事業別/地域別)と人の育成との関係性の再確認 ?自社の強みとそれを活かす組織構造や人をセットで考えるという視点(デルで求められる人材、マッキンゼーで求められる人材・・・) などを得た。今まで断片的だった知識と経験をつなげてくれたという意味では、自分には読み応えのある一冊だった。

      ■仕事に参考になる点(あれば)
       特に概要で挙げた視点3は、特にこの2-3年で、「ビジョンによる経営」として組織開発・人材開発におけるホットトピックに挙がることが多かったように思う。個人的に注目しているのは、日本のグローバル企業(日産、デンソーなど)による実践事例が「ヒューマンキャピタル」などのセミナー等で目立って発表されるようになってきたことだ。その背景が、この本で理解できた。
       比較的多様性の薄い日本人同士が集まる企業においても、自社の拠って立つところ・目指す方向性を、一人ひとりが自分の言葉で語れるほど浸透している姿は一般的ではないだろう。ましてや、もともと文化や言語、慣習や個人の価値観が大きく異なる異国の地においても、その存在を認識し、心から納得し、日々の仕事に活かしているとなると、難易度が格段に上がる。一方的に押し付けようとすれば、拒否反応を示すこともあるかもしれない。ポイントは、一人ひとりの中にすでにある、物語を引き出すことにあるという。そのプロセスは、研修にも通じると感じる。自分の信念をおせっかいに押し付けてしまいがちなので、個人的にはこの点を留意したい。
       その他、グローバル企業に限らず、人と組織の関係を押さえる上で、頭の整理に便利な1冊。
      2009/01/05
  • 国際的な人材マネジメントの入門書

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著者プロフィール

キャメル・ヤマモト
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社執行役員、東京工業大学大学院特任教授。
東京大学法学部卒業、オックスフォード大学セント・アントニー・カレッジ シニアアソシエイト・メンバー、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修了(異文化経営修士)。
外務省、外資系コンサルティング企業2社を経て現職。日本企業の組織・人材のグローバル化のための「まだらメソッド」を開発し、その導入・普及に取り組んでいる。著書に『グローバルリーダー開発シナリオ』(共著、日本経済新聞出版社)、『グローバル人材マネジメント論』(東洋経済新報社)、『「世界標準」の仕事術』『「世界水準」の思考法』(以上、日本実業出版社)、『稼ぐ人、安い人、余る人』(幻冬舎)などがある。DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー・オンラインで、「まだら模様で考えるグローバル人材論」を連載中。

「2016年 『プロフェッショナル リーダーシップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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