21世紀のキャリア論―想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア (BEST SOLUTION)
- 東洋経済新報社 (2012年4月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492533116
作品紹介・あらすじ
慶應義塾大学SFC研究所キャリア・リソース・ラボ&ワークス研究所共同研究「21世紀のキャリアを考える研究会」6000人規模のアンケート&100人以上の個別インタビューでわかった21世紀型キャリアの課題と解決策。
感想・レビュー・書評
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本書の10年前に高橋さんが出版した「キャリア・ショック」の内容を、データと共に更に深掘りした印象。高橋さんの考えに既に共感している方なら、理解を更に深められて面白いと思う。
踏み込んでいる分、論文のようなやや小難しく抽象的な内容になっているので、初めての方は先にキャリア・ショック等を読むといいかもしれない。
内容は出版から10年経っているが、タイトルの通り21世紀(少なく見積もって2030年まで)の間は通用する内容だと思う。
仕事観が変わるので、何かしらの仕事をしている方には広くおすすめしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今後のキャリア開発について述べた本。現在の社会環境や現在の仕事観、採用や就職現場、現場での人材マネジメントなどを一つひとつ整理した上で、今後のキャリア開発についてわかりやすく書かれている。
非常に納得するところも多く、新たな視点を提供してくれるところも多い。良著。 -
環境の変化が激しく、外生的な要因で仕事の内容や条件が変わりやすい現代においてキャリアを構築していくための考え方が書かれており、参考になった。
そもそも、キャリアというより「仕事観」としての自分の仕事の位置づけ、意義づけをすることが、非常に大切なのだということを感じた。
また、自分の核となるテーマは自分で磨いていくこと、自分の仕事の進め方やテーマを通じて、自分の「ブランド・イメージ」をつくっていくことが、自分のキャリア形成にとって望ましい外的な環境を呼び寄せる(可能性を高める)ことに繋がるということも、大切なことだと感じた。 -
■書名
書名:21世紀のキャリア論―想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア
著者:高橋 俊介
■概要
調査からわかった21世紀型キャリアの課題と解決策!
21世紀のキャリア環境は、20世紀のそれとは大きく異なる。想定外
変化によって予期せぬキャリアチェンジが生じ、一方で専門性の細
分化深化という、2つが同時進行するからである。
20世紀のキャリアデザインには有効であったOJTは弱体化し、一方
でMBAによる学び直しも掛け声倒れの状況にある。このような新し
いキャリア環境においては、企業・社会・教育機関。さらに個人は、
自分で自分のキャリアを切り開く「キャリア自律」の考え方をベー
スにスキルを磨かなければならない。
そこで求められるのは、専門性と普遍性を自分らしく組み合わせて
キャリアを切り開いていくことであり、可能性を「絞るキャリア教
育」ではなく、「広げるキャリア教育」へと再構築することが求め
られている。
慶應義塾大学SFCキャリア・リソース・ラボ&リクルート・ワークス
研究所の共同研究「21世紀のキャリアを考える研究会」が実施した、
6000人規模のアンケート&100人以上の個別インタビューから浮かび
上がった、21世紀型キャリアの課題と解決策を示した人事論の集大成。
(From amazon)
■気になった点
・大体の方向性のみで、正しいと思う事をその都度やり続ける事。
その方向性自体も状況によって柔軟に修正していく。 -
以前読んだ高橋さん著の『キャリアショック』のアップデートver.といった感じ。
アンケートをもとにしたデータから自らのキャリアに対する満足度と相関する要因を洗い出して考察している。
自分の中で特に重要だと思ったのは以下3点。
◆仕事観の確立
自分がにとって仕事が如何なる意味を持つのか、明確に言語化できるレベルまで深堀りする。
◆普遍性の高い学び
その場で必要な知識やスキルを追求するのではなく、原理原則に立ち返ったキャリアの骨格となるようなものを身につける。具体的には一見繋がりの見えない様々なジャンルの知識の吸収。その知識を今やっていることに落とし込むように意識、実践。
◆ヨコのリーダーシップ
これは今まさにやっていることに通じるかも。巻き込み。実践。
すごく面白い内容だったが、抽象的な結論に行き着いている感は否めない。
ここで学んだことを個人の行動レベルまで落とし込めるかどうかが勝負かも。 -
高橋俊介氏の本を初めて読んだが、現実の状況に対する分析、いろいろな事例、各国の比較のためのアンケートなど、感傷ではなく論理で説明し、納得できる部分が多く勉強になった。ただし、著者のレビューを読むと今までも同じような内容が多いらしい。その点では、著者の本を多く読んでいる人は異なる評価になるかもしれない。
全体の内容としては、今のキャリアは以前のバブル以前のキャリアに比べて、想定外変化が大きく、専門性の細分化深化が多方面にわたっているため、今までのような「道を究める」ような仕組みや働き方がキャリアの最後までは通じなくなっているとしている。
そのために、仕事をしている期間の中で、再学習などの機会を設けたり、前後半のキャリアの違いなどを含めて、それらを作っていく必要を前半部分で説いている。
また具体的には、「日本のキャリアの国際比較」などから、日本人が当たり前だと思っている仕組みが、世界基準では当たり前ではないこと、多くの場面で日本人の思考が強みにも、弱みにも生かされていることが多い。
そのために、仕事観・キャリア教育や採用就職市場、企業の人材マネジメント・社会人教育などの人はどのようにすべきかをまとめている。
巻末には、「日本の歴史を読み直す」「失敗の本質」「文明の生態史」「タテ社会の人間関係」「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「自由からの逃走」などの名著の紹介もしてある。
物質文明が飽和状態を迎えているのではないかという指摘は他書でも多くなってきたが、キャリアの観点からの分析という意味では読んで有意義だった。 -
TGLP