右脳思考を鍛える: 「観・感・勘」を実践! 究極のアイデアのつくり方

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492557914

作品紹介・あらすじ

検索するな!
整理するな!
覚えるな!

情報は放っておいて、熟成させよう。インプットの労力を最小化し、
アウトプットを最大化するムダな努力いらずの発想法を解説。
名著『スパークする思考』が復活!

本書はクリエイティブな発想に必要な情報収集とその整理術、そして、そうした情報を発酵させ、アイデアを生み出す方法論について解説していく。
ここでいう情報収集や整理は、パソコンなどのデジタルツールを使って、膨大な情報にアクセスし、その情報をデータベース化し、活用するなどというものではない。入力疲れ、整理疲れで終わってしまって、肝心のアウトプットができない。それでは本末転倒だ。ところが、そういうことが仕事には多すぎる。

普段の生活で何気なく行なっている右脳による情報収集と記憶のための工夫を、ビジネスにも活用すべきであるという点を強調したいと思っている。これぞ、斬新なアイデアを生むための準備といっておこう。
たとえば、会社の近くのおいしいフレンチレストランの情報をテレビのバラエティ番組でたまたま目にする。「へー、今度行ってみよう」と思うが、実際には行かずに放っておかれる。何日かして、たまたまその店の前を通りかかると、「あ、ここはあのレストランだな」と再認識される。何週間かして、仲のいい友達数人で食事をすることになって、その店を思い出す。実際に予約をして行ってみると、非常においしかった。こうしてこの店の情報は、しっかりと頭の中の引き出しにしまわれる。
これなどは、肩肘張らない、自然な情報整理法であり、活用術ではないだろうか。巷にある膨大な情報の海に、なんの準備もせずに飛び込むとしたら、それは自殺行為だ。だから人は自然と自分流の情報の選択や勘の活用を行なっている。これはいわば「生活の知恵」である。
唯一必要なのは、問題意識だ。問題意識さえあれば、脳の中で特定の情報に印(レ点)をつける行為はスムーズにできるはずだ。本書では脳に印をつけることを索引(インデックス)をつけるという意味で、インデクシングと呼んでいるが、それによって後々の情報活用がぐんと楽になる。
そうした問題意識をベースに、横並び主義を脱却し、あるいは過去の思い込みからの呪縛を解きほぐすために、いわば「円の外に点を打つ」ことのできるアイデア創出力、斬新な発想力を身につけるための内田流情報活用術を披露したいと思っている。
本書は、2008年11月に角川書店より刊行された『スパークする思考 右脳発想の独創力』を改題・改訂したものです。

感想・レビュー・書評

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  • DATA・分析過剰は「本質」への接近を妨害する
    唯一必要なのは「興味・関心」「問題意識」
    「勘」は非科学的ではない 過去の経験=DATAの裏付け
    プレゼンが大事なわけではない
    1.イノベーションのジレンマ 
    オーバースペックに陥る 日本製品 ユーザー喪失
    exソニーPS3 任天堂wiiはプリミティブだが面白い
    2.顧客志向
    買い手を確保した自動車泥棒 オーダーメイド
    対客中に社長が呼び出す
    3.情報は整理するな、覚えるな 
    好奇心 キョロキョロ コンビニ11兆円ドラッグ7兆円
    4.「20の引出し」①経年変化②ネタ帳
    仮説思考 論点思考 右脳思考
    ビジネスモデル=プラットホーム
    ゲームチェンジ パラダイムシフト
    GAFA イスラエル
    4.右脳と左脳の交互作用

  • アイデアを生み出すためには、その種となる情報は意識的に集めたり分析したりするのではなく、自身の問題意識に従って日常生活を送る中で意図せずともアンテナに引っかかる事柄を脳内の引き出しに大雑把に放り込んで熟成させるのがコツだという話。情報収集ではなく注意力、究極的には(注意から外れる)不要な情報の切り捨てが肝要だという楠木さんの要約も参考になった。まずは問題意識とか自信の関心がどんなことであるか漠然でも自覚することをやってみようと思った。

  • ・問題意識・興味を持つ
    ・脳にレ点を打つ=とにかく手を動かして視覚に訴える

  • 仕事はアウトプットが重要であり、インプットをいくら頑張ってもあまり良いとは言えない。観、感、勘を自分でも実践していきたい。

  • 内田和成氏の『右脳思考を鍛える』を読んだ。
    2年前(2019年10月)の発刊であるが、Amazon で買った履歴がないので、本屋で購入したようだ。
    しばらく本棚にあった本書を一気に読んだ。

    ビジネスの世界では「論理思考=左脳的思考」が流行っているが、「ひらめき」は「右脳的思考」であり、それこそが大事と説く。そのためには情報をため込むだけではダメで、アナログの一次情報が重要である。webなどの二次情報はなるべく絞る、あるいは遮断する方が、自分だけの解を見つけやすい。
    この辺りは、『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』の主張と同じだ。著者の上田正仁氏は「現代は『情報を集める』方法ばかりが発達した時代です。だからこそ、『捨てる』スキルはますます重要になっていくと思われます」と述べている。
    そして、情報をもとに「経験的仮説=直感=勘」をたぐりよせて物事を思考することが大事である。
    思えば、問題を解くときにも仮説的に解法を選択している。「こうすれば解けるのではないか」という仮説を立てて解いている。その仮説のもとになるのは、経験から立ち上がる「直感=勘」である。
    「論理はひらめきの土台である」と論理学の大家・野矢茂樹氏は言った。「左脳は右脳の土台である」と言っても良い。
    しかし、本書の主張はすでに孔子が指摘している。
    「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」
    学んで思考しなければ物事に明るくなれず、思考しても学ばないのは危険であるとの意味であり、「学びと思考の両方が大事」ということである。
    外山滋比古氏も内田和成氏もそうだが、膨大な知識をお持ちである。だから、情報収集が大事でないということではない。その知識を使って考えることが大事なのだ。
    知識は思考という料理の食材である。食材を集めても料理は完成しないが、食材がなければ料理ができない。

  • 右脳を鍛えるのにもってこいの1冊!  

    右脳には、音楽やアートを養う要素が備わっています。クリエイティブになりたければ、右脳を刺激することが大切です。 

    クリエイティブになりたい人、右脳を鍛えたい人、脳を活性化したい人にオススメの本です。

  • 内田氏の右脳思考の本。実践編的な位置付けか。
    一次情報の重要性、問題意識の重要さ
    頭の中のフォルダ整理のくだりは、確かに多かれ少なかれ行なっているとはいえ、なかなか著者のようにはできないと感じた。

    メモ
    ・スパークとは問題意識や興味をもっているときに現象に遭遇するとその現象を触媒にこれまでの頭の中の情報と化学反応を起こして生じるひらめき
    ・アウトプットしたいなら、検索するな。集めた情報は整理するな。覚えるな。
    ・もともと頭の中に自分だけの情報や差別化された仮説がなければ新たな情報が入ってきてもスパークは起こらない。
    ・あれもこれも伝える並列列挙型はアクションにつながらず役に立たない。戦略型は具体的で何を捨てるのかを教えてくれるタイプ。
    ・現状を観て、問題意識を感じ、ストックされたものからひらめく。勘が働く。これがひらめきのメカニズム。

  • 適当に考えてざっくり記憶せよという話。インプットに時間かけるなってことなんだろうが、鍛え方なんだろうか?情報の整理の仕方、インプットの効率化みたいなものを学べたという印象。
    問題意識は大切だと感じた。左脳と右脳が行き来することが正しいことはわかったが、右脳の部分が感覚的な説明で理解に苦しんだ。

  • 乱暴に言えば結局「普段から気をつけてましょう」という話であまり期待していた「鍛え方」ではなかった。
    Reverse Assumptionのような視点をひねる考え方の引出しを増やしたかった。

  • 脳内で特定情報にレ点を打つという方法が参考になった。

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著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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