マッピング思考――人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」
- 東洋経済新報社 (2022年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492558140
作品紹介・あらすじ
全米ベストセラー!
頭がいい人は、
地図を描くように情報を見きわめ、
スマートな「最適解」を導いている!
* * *
「判断力が優れている人」とは、どういう人のことを指すのだろう?
ぱっと思い浮かぶのは「知的である」「頭の回転がいい」
「勇気がある」「忍耐力がある」などではないだろうか。
なかでも特に重要なのが、本書のテーマ「マッピング思考」、
「物事をまるで地図を描くように“俯瞰的に”とらえようとすること」だ。
たとえば…、
●自分の間違いに気づき、死角を探し、仮定を検証し、軌道修正ができる。
●「あの議論では私が間違っていなかっただろうか?」
「このリスクを取ることに価値はあるのか?」といったことについて目をつぶらず、率直に自問できる。
●思い込みではなく、事実とデータにもとづき、曇りのない目で物事を判断する力がある。
あなたはこういったことが、自然とできているだろうか?
物理学者の故リチャード・ファインマンいわく――
「自分に嘘をつかないことは、なによりも重要だ。だが、自分ほどだましやすい人間はいない」。
そう、私たちの判断力を妨げているものは「知識」ではなく「態度」なのだ。
近年、認知科学の研究から明らかになっていることは、
人間は自分の欠点やミスを認めるのがおそろしく下手だという事実である。
人はすぐに希望的観測に逃げ込み、
偏見や信条を肯定するような証拠だけを見つけようとする。
しかし、自分の思い込みから脱出し、真実に向き合って行動するときに何が起こるか、
その成功から何を学べるか――これが、本書のテーマである。
感想・レビュー・書評
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ものごとを的に観る感覚を掴む力をつける。
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マッピング思考という題名と内容が合っていないと思われた。悪いということではなく。
内容はバイアスを認めそれを排除した判断、思考をが大切というもの。
正しく間違えよう!=自分を責めない、他人のせいにしない
自己都合で物事を見ないように。=
判断力を低下させているのは知識ではなく態度。
自分の行動や考えが正しくあって欲しいのでそれを裏付ける情報を求め否定する情報を排除したがる。
間違っていると思われたり傷つきたくないので言い訳をする、正当化する。(=酸っぱい葡萄、甘いレモン)
認知バイアス排除する方法
・確証バイアス=自分の弱さを認めておく
・自分の意見は軽くしておく
・成功するから賭けるのではなく価値があるから賭ける
プロセスで起こる小さな事象に固執せず最終的な全体の目的、価値のために考え動く。(=そうか、そう意味ではマッピング思考か) -
最初のうちは退屈でしたが、だんだん面白くなりました。抜書きメモが沢山できました。
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「マッピング思考」=俯瞰的にとらえようとする考え方
自分の内面に向き合って行動したとき、何が起きているか、成功から何を学べるか?
1.自己都合で世界を見ない
2.物事をクリアに見る具体的手法の実践
3.前向きな心の安定
動機のある推論=自分の考えを脅かす敵をつぶしていく兵士 ⇒「守りの思考」
正確性よる推論=全体を見てから駒を進める偵察者 ⇒「マッピング思考」
何かを変えたいと思ったとき、なぜそれが現状のようなっているのか理解してから
イソップ物語「キツネとブドウ」
悪影響は遅れて生じ、かつ予測できない。
知性が高まるほど、信条の違いが出てくる。
マッピング思考の証 =思考の地図と行動
グレーで捉える
コーピング(ストレスを自力で消す)
行動計画を立てる、得たものに目を向ける、目標を切り替える、現実に感謝
「賭ける価値がある」がモチベーション。成功すると思っているからではない。
失敗しても得られるものがあるか? テスラ、スペースX 成功率1割の予測
知識の自信と対人関係の自信
パラダイムシフト
異常な現象に目を背けない。 別の理論の構築、エコーチェンバーから脱出。
耳を傾けやすい人の話を聞く。 知的な共通点を見つける。
主義信条=アイデンティティを軽く保つ。それが世界を変えることは無い。
「マッピング思考」を自分のアイデンティティの一部にする。 -
自分の考えがいかに「兵士の脳」(動機のある推論)に侵されているのかがよく分かった。
よく”抽象化して考える”、というものがあるが、いくら抽象化してもその大元である自分の思考が偏っていればさほど意味がない。そういう意味ではこの「マッピング思考」がとても重要だというのはよくわかった。
しかし、もはやアイデンティティレベルで沁みついている観念もあるので、少しずつ解きほぐしていくしかないのであろうが、それに気づかされただけでも一読の価値があった。 -
4.22/204
『地図をつくるように「俯瞰的(メタ)に考える」手法。「頭がいいね!」と言われる人の「全体を描くスキル」が身につく本!』
(「東洋経済STORE」サイトより▽)
https://str.toyokeizai.net/books/9784492558140/
原書名:『The Scout Mindset』
著者:ジュリア・ガレフ (Julia Galef)
訳者:児島 修
出版社 : 東洋経済新報社
単行本 : 384ページ
発売日 : 2022/7/15 -
分厚い!
が、一日一章であれば全然読みやすかった。
自分の思考がいかにバイアスがかかっているか自覚し、それを払拭する方法を解説した本。
当書ではこれを「動機のある推論」と説明していた。
「動機のある推論」は居心地の良さもあれば一時的にやる気も出せる。
常にポジティブでいよう!!みたいなことが昨今よく聞かれるがそれも一つ。
だが、その思考をもつと、自分の考えに盲目的になり、本来気をつけねばならないリスクを軽視してしまうことに繋がってしまう。
物事を俯瞰して、地図を眺めるように客観視する様に見るには?
この本ではいろんな内容が紹介されていたが、特段印象に残ったのは、思考実験の話。
・ダブルスタンダードテスト
・部外者テスト
・同調テスト
・選択的懐疑主義テスト
・現状維持バイアステスト
この五つを覚えておくだけでもかなり自分の考えに偏りがあるかに気づけるようになると思う。
他にも色々あるが、長すぎてほぼ忘れたので割愛。 -
システム思考的な話かな、と思って読みましたが、どちらかと言うと認知バイアスの話が主で「知ってるつもり 無知の科学」に近い。あれの内容を軽くして、読みやすくした感じかな。
サクッとテンポ良く読めて実践的なので、悪い本ではないですが、「無知の科学」を読んでいれば読まなくて良いかも。
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「マッピング思考」とは、物事をまるで地図を描くように“俯瞰的に”とらえようとすること。この思考の重要性から身につけ方まで、事例を交え解説する。
PART1:なぜ「マッピング思考」が重要なのか
1. 人生を左右する「2種類の考え方」
2. 99%の人が「自分の壁」を壊せない
3. 「真実を見抜く目」を身につける方法
PART2:「思考の地図」を検証し、行動する
4. 知性の高い人がおちいる「認知バイアス」
5. 物事を「メタに見る」5つのトレーニング
6. 「最適解」を、さらに1歩引いて見る
PART3:「ピンチ」で問われる資質
7. いざというとき「ポジティブ思考」に頼らない
8. それでも賭ける価値があるか
9. 「謙虚さ」が強烈な影響力をもたらす
PART4:「頭のなか」をアップデートする
10. 「正しく」間違える方法
11. 「漏れ」「欠け」「穴」の見極め方
12. 「エコーチェンバー」という怠惰な誘惑
PART5:「私の意見」を軽くしておく
13. 「思考」はいかに「その人自身」になるのか
14. 「こだわり」を捨て、「視点」をしなやかに保つ
15. 「マッピング思考」は“行動のエンジン” -
日本人も外国人もあまり変わらないんだなと思う