続・パチンコの経済学 ―21兆円ビジネスの裏で何が起きているのか?
- 東洋経済新報社 (2010年11月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492761946
感想・レビュー・書評
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前著の振り返りと世界のカジノの話が主で退屈。ロジェカイヨワの「遊びと人間」によるパチンコ分析も失敗だと思う。もっと政界や警察との癒着とか書いて欲しい。
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業界を概説する書としては、前著と今回の「2」で事足りる気がします。
この業界に働く身としても、一度は触れたり、考えたりしたりすることが、よく書かれています。 -
素直におもしろかった。自分も好きなパチンコが体系的に考えられており視野が広がった気がする。カジノ関連の話もこれを読む限り進めるべきだと思った次第。
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パチンコ好きでちょいと経済に興味を持った人には、へーこんな説や考え方があるんだ、と楽しめる本。経済学側からパチンコ分野に興味がある人は直接白書類やその他ルポを読むほうが早いかな。
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長年パチンコホール会社に身を置いていた著者による、チンコ業界の動向とこれから進むべき道を示した本。
パチンコをするわけではないが、タイトルを見て何となく興味がそそられたため購入した。 本書は「続」なので第2弾なのだが、「続」という文字を見逃してしまったため、本書から手に取ることになった。
パチンコ業界の特殊性は、間接的ではあるが聞き及んでいた。 どうやら最初の本はその様な業界の特殊性にフォーカスを当てた本だったらしい。 まえがきに、前著を見た新聞社、雑誌社がメーカー・ホールの取材に行って拒否された、とあったが、業界を知らないメディアが行ってもまともに相手をしてくれるような業界ではない。
確かにパチンコ業界の業界構造を説明するだけで、一つの本になると思う。 ただ、そう考えると「続」という形にして1冊の本にできるようなネタがあるのか?と思っていたが、予想に反ししっかりした内容で結構面白かった。
パチンコ業界の利益構造や、問題点、そして昨今時折出てくるカジノ誘致の話題を取り入れ、ギャンブルとは何ぞやという点まで数字をつかって言及しており、日本の遊技業界への問題提起の書となっている。
興味があったポイントは以下のとおり。
■パチンコホール企業は粗利率を公表しない
パチンコホールは換金率、機種構成を調整することにより利益を上げている。 ホールによってその戦略は様々なのだが、財務諸表を公表すると換金率、機種構成などがばれてしまう。
■パチンコ台の変遷
昔からパチンコをしてきた人にとっては、当たり前のことなのだろうが、パチンコ台は以下の様な変遷をとげている。
1948 村正ゲージ 第1次パチンコブーム
1960 チューリップ導入 第2次パチンコブーム
1965 スロットマシンの導入
1980 ハネモノ、フィーバー機
1992 CR機登場
昨今、深夜の時間帯でパチンコ系のCMをやっているが、此の様なキャラ物のパチンコ台ですら、人気がなくなってきているという。 パチンコ人口のピークは1995年であり、それからは減少の一途をだどっている。
■FX取引にながれるパチンコファン
株、FXなどの金融取引は、当然ギャンブルと一線を画すものとしてみられているが、FXについてはギャンブル性が高く、パチンコの興奮がFXで得られるという。
パチンコを愛してやまない著者が提言するポイントは以下のとおり。
①時間をかけてグローバルルールに変更する。
釘調整を少なくする。
②客の二分化を想定して、高い射幸性(4円パチンコ)
と低い射幸性(1円パチンコ)を別物として考える。
③ホール業をライセンス制にする。
④8号営業(ゲームセンターなど)との連携も視野に入れる。
⑤カジノマシーンを設置し、カジノとの共存を考える
⑥競馬場、競輪場などの公営ギャンブルとの共存を考える。
きちんと数字をベースとして説明を展開しており、日本の法制にも言及しつつ、世界のカジノの状況も取り入れた広い視野で提言している点は、十分な説得力のある本である。