平和への祈り (手塚治虫からの伝言)

著者 : 手塚治虫

• 童心社 (2018年4月2日発売)

作品紹介・あらすじ

戦争の時代に少年期を過ごした手塚治虫は平和を願う心が人一倍強く、優れた作品を数多く残しています。マンガばかり描いている少年とヤクザの息子との友情に戦争の影が……自伝的傑作「ゴッドファーザーの息子」、ベトナム戦争の悲劇を描いた「魔王大尉」「0次元の丘」、戦争の不条理を描いた「墜落機」など、読み応えのある６話を収録しました。今の若い世代に是非読んでもらいたい１作です。

感想・レビュー・書評

[Kazuさんの感想 · 2022年2月10日]

手塚治虫さんは1928年生まれなので、1941年真珠湾攻撃の時は13歳、1945年終戦時は17歳ですね。
気の毒なことに中学高校時代が戦争中で、軍事練習の授業があったり、防空壕を掘ったり、軍需工場で働いたり、その工場が爆撃で焼けるのを目の当たりにしたり、多感な時期に悲惨な経験をしています。

ベトナム戦争で親が無意味に虐殺され孤児になってしまった子供たちが2作品に出てきます。

特攻隊の話も2作品に出てきます。
第二次世界大戦では、日本軍の「高精度ミサイル攻撃」が敵国から恐れられていたと言います。
そのミサイルの正体は人が操縦し自爆攻撃する特攻隊のことです。
生きて帰って来ると非国民と言われるような世の中には2度としてはいけません。

[ごまめさんの感想 · 2024年4月25日]

続いての手塚治虫からの伝言しりーずから一冊。
平和への祈り、これまた戦争に巻き込まれたお話ばかり、いかに人は生き延びることが大事なのか、国の為に命を捧げるなんて、周りと違ってどう生きるべきかと考えるだけで、非国民というレッテルを張られ疎外される。

今の時代では、自由と言われながら、どこか周りと同じように生きるのがベストであるというような風潮。昭和、平成、令和と、どんどん息苦しくなってきたと感じるのは、私だけでしょうか・・・。

[司書KODOMOブックリスト（注：「司書になるため勉強中」のアカウントです）さんの感想 · 2023年9月28日]

[戦争の時代に少年期を過ごした手塚治虫は平和を願う心が人一倍強く、優れた作品を数多く残しています。マンガばかり描いている少年とヤクザの息子との友情に戦争の影が……自伝的傑作「ゴッドファーザーの息子」、ベトナム戦争の悲劇を描いた「魔王大尉」「0次元の丘」、戦争の不条理を描いた「墜落機」など、読み応えのある６話を収録しました。今の若い世代に是非読んでもらいたい１作です。]


モンモン山が泣いてるよ ７−３７
魔王大尉 ３９−５８
ＺＥＰＨＹＲＵＳ ６１−１００
０次元の丘 １０３−１３５
墜落機 １３７−１６８
ゴッドファーザーの息子 １７１−２０１

[ななこさんの感想 · 2021年4月20日]

蝶の道って、初めて知った。日本の豊かな自然、大事にしたいと思った。

著者プロフィール

1928 年11 月3 日、大阪府生まれ。大阪大学医学専門部卒。1947 年に『新宝島』を発表し、映画の手法をとりいれたストーリー漫画として注目される。その後、数々の新しい表現方法でストーリー漫画を確立し、漫画を魅力的な芸術にした。1961 年、手塚治虫プロダクション動画部（のち虫プロ）を設立。日本初の長編テレビアニメシリーズ「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」などで日本中の子どもをとりこにした。漫画とアニメーションすべての作品は、手塚の永遠のテーマである「生命の尊さ」で貫かれている。『手塚治虫漫画全集』（講談社）は全400 巻に及ぶ。1989年2 月9 日に60 年の生涯を閉じた。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生　全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」