ケースで学ぶケーススタディ

  • 同文舘出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784495385514

作品紹介・あらすじ

未だに理論化されていない現象や萌芽的な現象を分析する際に威力を発揮するケーススタディの研究方法。実際の研究プロセスを事例に、実践的な研究の進め方、方法論をわかりやすく体系的に解説!

感想・レビュー・書評

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  • 修了後4年も経ってから今さらだけど、積読解消。実践事例研究や、経営学研究法などで学んできたことを振り返るのに最適でした。(サイドリーダーに指定されてたはずなので、当然とも言える…)
    方法論について体系立てられているだけでなく、その手法の背景にある認識論や、量的研究と比較しての意義についても踏み込んで示されているのが良い。
    どうにも理解が遅いので、現役の時はちょっと理解が追いつかなかったかもな…積読にしておいて読む機会が巡ってきて良かったなとも思う。

  • ケーススタディという手法はどのようなものなのか知りたくて手にとった。このような手法があるのかと感心した。

    ーー
    P4 ある現象を目の前にして、それはなぜ、どのようにして生じたのか、そしてその背後にある構造や内的連関はどのようになっているのかについて疑問をもつことから研究はスタートする。

    その際、1つまたは複数の事例に焦点を当て、ある問題や現象に関する理解を深める方法をケーススタディという(Robson, 1993)

    →Robson, C. (1993) Real world research : A Resource for Social Scientists and Practitioner researchers, Blakewell, Oxford.

    ケーススタディとは、ある現象とそれを取り巻く文脈との境界が明らかでない場合、すなわち変数間の関係や因果関係が複雑な場合に、その事象に関係する複数のデータを用いて、現在の現象を実際の文脈の中で研究していくという経験的な研究アプローチである。(Yin 1994)

    →近藤公彦訳(1996)『ケーススタディの方法(第2版)』千倉書房

    P5
    事例のタイプ
    先端事例:代表事例になると期待される事例
    代表事例:そのカテゴリの代表事例
    逸脱事例:基本パターンへの例外事例
    原型事例:そのカテゴリの創造事例
    適合事例:理論の過程条件に適合する事例
    不適合事例:理論の毛低条件に不適合な事例

    ケーススタディの最大の魅力である理論構築において研究対象とする事例は先端事例、代表事例、逸脱事例、原型事例のいずれかの実例でなければならないとされる(田村2006)

    →田村正紀(2006)『リサーチ・デザイン:経営知識創造の基本技術』白桃書房

    P16
    先行研究に対して新しい資格を提供することは、例えば以下のような研究課題がある場合に、特に有用だといわれている。
    (1)ある現象を説明するために、既存理論がふさわしくない場合
    (2)既存の理論が互いに対立する場合
    (3)現象が既存の理論と矛盾する場合

    基本的にケーススタディリサーチでは、アーカイブ資料やインタビュー、質問票、観察といった。異なる収集方法によるデータを与わせて検討される。

    *ケースメソッドと混同しないことが肝要である。

  • 結構難しい本。じっくり読み込めば、大いに役立つ内容だと感じるが、骨が折れそうでその気になれない。しかし、気になる。いつか読もう!は永遠に読まないと言われるけど、絶対に一度は読みたい。

  • 三葛館一般 002.7||TA

    看護という領域では「ケーススタディ」という言葉をよく聞きます。「ケーススタディ」とは研究方法のひとつですが、分野によってその定義や方法には違いがあるように感じます。特に、看護では、「研究のためのケーススタディ」とは別に「教育のためのケーススタディ」が存在するようです。
    本書は、経営学や商学の研究者の方々によって書かれたものですが、「ケーススタディ(リサーチ)」について丁寧に解説してくれていますし、事例をもとに研究の実際が理解できるような構成になっています。看護や医療のケースに置き換えて読むと「ケーススタディ」という研究方法への理解が深まるでしょう。

    目次-----------------------------------
    Ⅰ 紹介編
    第1章 ケーススタディとは何か
    第2章 ケーススタディ・リサーチのメリット・デメリット
    Ⅱ 実践編
    第3章 研究目的とケースの位置づけ
    第4章 ケースアイディアの見つけ方
    第5章 データ収集
    第6章 データ分析の手法(1)-グラウンデッド・セオリー・アプローチ
    第7章 データ分析の手法(2)-KJ法,エスノメソドロジー,会話分析,言説分析
    第8章 ケースで学ぶケーススタディ・リサーチ(地域ブランド化)
    第9章 ケースで学ぶケーススタディ・リサーチ(企業のマーケティング行動)
    Ⅲ 応用編
    第10章 ケーススタディ・リサーチの上手な進め方
    第11章 ケースメソッドの進め方1:ケース教材の作成
    第12章 ケースメソッドの進め方2:授業の準備と進行
    第13章 ケースで学ぶケースメソッド
    補章 ケーススタディのための主な理論フレームワーク
    ----------------------------------------
    (もも)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=81132

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著者プロフィール

同志社大学准教授

「2018年 『消費者視点の小売イノベーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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