- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784497871886
作品紹介・あらすじ
秘密結社青〓(チンバン)の首領・麻薬王・共産党員虐殺の主犯・恒社(ホンシャー)理事長・国民党陸軍少将・中匯銀行設立者・上海市参事会議長・60社の大会社社長…。様々な顔をもつ杜月笙の生涯を軸に、激動期上海の血塗られた裏面を暴く史実小説!
感想・レビュー・書評
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ちょっと前に読んだ戦前の上海を舞台にした女スパイ、鄭蘋如もの(それとその延長で見た映画「ラスト、コーション」)の流れで。鄭蘋如は国民党の分裂と汪兆銘政権の興亡、そして国共内戦から中華人民共和国の建国へ至る一連の流れの中である種のヒロインとして描写されるケースが多いが、歴史上に締める重要性はさほど大きくない。この本でも「ジェスフィールド76號を取り仕切った実務担当の丁黙邨の若い愛人」と言う程度で、名前にも触れられていない。むしろこの本は、30年代から1950年までの上海で蠢く、国民党、共産党、西欧列強、日本それぞれの陰謀の薄黒い全体像が、断片的ながら、街とそこを仕切るマフィアを通じて描かれている。戦前から戦後にかけての上海という街がどんなだったのか、今は観光地として名高い外灘(Bund)で、当時どれだけの陰謀が飛び交っていたのか、思いをめぐらせるだけでも興味深い。ところで本書の後書きで知ったのだが、「ラスト、コーション」の原作者である文人張愛玲の最初の夫は、同じく作家で汪兆銘政権の高官だった胡蘭成で、後に呉四宝というマフィアの未亡人と再婚する。呉四宝は最初はごろつきに過ぎず、後に丁黙邨の下にポジションを得てのし上がるのだが、本書の実質上の主人公であるマフィアの大物、杜月笙が上海から香港に移った後、汪兆銘、蔣介石双方とつるんで利益を貪り食って最後蒋介石派によって毒殺された人物。なんでもありだな…。
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歴史的にも有名な人物の評伝。ただ主人公が悪人であるので、感動することはなにもないが、読んだあと、自分はめぐまれているなと思うかも。
九州大学:φ -
ぱんりんはオーチョーメー萌えだと思う