名作マンガで精神医学

著者 :
  • 中外医学社
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本棚登録 : 69
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784498129382

感想・レビュー・書評

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  • 小説でもマンガでも映画でも精神疾患を扱ったもの、あるいはそう解釈されるものはとても多い。本書はそういうマンガを「ねた」にした精神疾患の本である。といっても、マンガはあくまでネタに過ぎず、基本的には精神疾患の概念を紹介するのが本書のキモだ。DSMのようなチェックリストを否定するのでもなく、かといってあれで精神疾患分かった気になってもらっちゃ困るよという思いも込めて、そのゲシュタルトを示すべく、、、ていうか、ゲシュタルトを示すには映画やマンガが最適ですねえ。

    ちょっと説明がくどく感じるけど、精神疾患未勉強の医学生や一般の方にはこれくらいレペティティブなほうがよいのかも。本書は、理解されていない、誤解されている精神疾患、そして精神医学のアピール本なのだから。絵が出ていないマンガは、転載許可いただけなかったんですねえ、たぶん。

  • 名作マンガで精神医学。林 公一 先生の著書。私のような活字中毒者読書中毒者はまだしも、活字の本は嫌いだけれどマンガは大好きという人も少なくないから、マンガをとおして様々な精神疾患の症状から治療に至るまでを知る方法があることはとても大切なこと。マンガをとおして様々な精神疾患の症状から治療に至るまでを知る人が増えれば、うつ病、統合失調症、パーソナリティ障害、精神疾患への偏見が少なくなるはずだから。精神疾患への偏見を少しでもなくして精神疾患の正しい知識を広めるための活動をしている林 公一 先生のような精神科医の先生が増えるときっと未来は明るくなる。

  • N700
    2019年度 学生選書

  • この本のお陰で興味深い漫画と出会えました。「ブラックジャックによろしく」のような有名な作品からマイナーな作品まで、幅広く取り上げています。

  • 専門的な知識とサブカルチャーを繋ぐ一冊。

  • とても面白いし勉強になる。でもドラえもんやワンピースを出すのはさすがに無理やり感ありすぎでしょう。

  • いつも「精神科Q&A」を見ているので興味を持ち、本にも手を出してみました。
    表題の通りの「名作漫画」も確かにありますが、「名作コミックエッセイ」がメインなのではないでしょうか。空想科学読本のようなものを求めている人には向かないと思います。
    統合失調症、うつ病の章まではスラスラと読めましたが、高次脳機能障害やパーソナリティ障害の章から脳科学の専門用語も出てきて、読み砕くのが素人の私には難儀でした。
    統合失調症とうつ病については、ある程度正しい知識がある方にはごく当たり前のことが書いてあると感じられると思います。
    ですが、「ARMS(統合失調症の前駆期、精神病発病のリスク状態)の研究が最近は盛んなこと」、「高EE(感情の表出が高い)の家族がいると統合失調症の再発率が高くなってしまうこと」。については初耳でしたので、これを知れただけでも私には大変貴重な本でした。

  • 所在:紀三井寺館1F 請求記号:WM100||M3
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=63949

    マンガならではの視点や描写で精神科の実像がみえてくる。
    症状から治療に至るまでを専門的かつ解りやすく解説。

    四章の「パーソナリティ障害」は、「八百屋お七と放火癖」についての考察など、とりわけ読み応えがあるというか、考えさせられるものがありました。望んだわけではなく、反社会性パーソナリティー障害を抱えて生まれた人間を、人間は裁くことができるのか…と。

    神経精神医学教室、推薦本です。

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