- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784502189210
作品紹介・あらすじ
決算早期化コンサルティングの第一人者が、豊富なアウトプット事例とともにノウハウを惜しげもなく披瀝した1冊。「真の経理部」を構築すれば、圧倒的な早期化が実現できる!
感想・レビュー・書評
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上場企業の決算早期化コンサルティングについて経験豊富な筆者が自らの経験をもとにそのノウハウを記載している。経理部は事務屋ではない、あらゆる利害関係者に対して価値ある情報を適時に提供する「情報製造業」たれという。そのためには日常業務を前倒しし、決算業務の負担を軽減する、担当者の能力不足や属人化を克服するため、標準テンプレートの活用などが重要であると説く。その他各勘定科目ごとにリードシートを作成し、増減理由などの分析結果を経理部員にコメントさせることで、監査法人からの質問に対する事前対応にも役立てることができる。これにより監査時間の削減も可能となるのだ。究極的にはマクドナルドのように入ったばかりの高校生でも標準的なハンバーガーが作れるような標準テンプレートの作成が経理部には求められるとも記載する。これを「決算業務のマクドナルド化」と評している。これについては異論のあるところだろうが、総論的には賛同できる。
P37
子会社が1社しかなく、内部取引もほとんどないような場合であれば、連結精算表は数時間もあれば完成する。しかし、子会社数が数百社あり、業種もバラバラで、内部取引も多い場合であれば、連結精算表作成に数日間を要することになるだろう。よって、連結決算が遅い会社とは、一概に連結精算表作成に何日以上要している会社なのかということを述べることはできないが、決算早期化を実現させるには、連結決算にかける工数は最大で「5営業日」を目標にしてほしい。
「ウチは子会社数が多いから無理だ」という声が聞こえそうであるが、日本で最も子会社数が多い上場企業であるソニーは1,240社の連結子会社を有しているものの(2015年3月31日時点)、決算短信を4月30日に公表している(2015年3月期)。子会社数と連結決算の工数に比例関係はまったくない。むしろ、子会社数が多い場合や、連結グループの規模が大きい場合は、「重要性」の観点からプロセスの簡略化を図ることが可能である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
未上場会社で決算早期化に取り組むにあたり、内容が実務的で非常に参考になった。平易な文章で読みやすい。