捜査一課ドラキュラ分室――大阪刑務所襲撃計画 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)

著者 :
  • 南雲堂
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784523265900

感想・レビュー・書評

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  • 好感持てるコンビで楽しめた。

    うん、面白かった。
    奇病により外出できず安楽椅子探偵と化す堂安さん。
    その手足となって動く舟木くん。

    この二人のコンビ、捜査は好感が持てるし楽しめた。

    大阪刑務所襲撃事件を発端に浮かび上がる数々の謎。そして絡みに絡んだ事件、トリック、明らかになる結びつきと最後まで興味が惹かれる展開は吉田作品らしさを味わえて満足。

    あのメガネ、良かったな。
    読み手も一緒に参加している気分になれて楽しめたポイントの一つだ。

    それにしてもあれはエグかった。ここまでやるか…。蓄積された思いに戦慄が走った。

  • オカルト、医療物を得意とする作家さんの刑事もの。
    警察小説はすでに1冊出ているが、いまいちだったし、今作のタイトルも「う~~~~~ん」と言う感じなので、読むのを迷ったが、ここまで全作読んでいるので、とりあえず読んでみることに。
    東京で見つかった謎の性転換手術を受けた男性の遺体。大阪刑務所で起きた襲撃事件。この2つの事件を軸に、遺伝性の病気の為、紫外線を浴びることが出来ない捜査一課の女性キャリア・堂安一花の代わりに、若手の舟木がフィールドワークをこなしながら、事件解決していくと言う内容。
    一応警察小説になるのだろうけど、解説にもあるようにどちらかと言うと推理小説を読んでいるような感覚。
    個人的には有栖川有栖の火村シリーズの作風に似ていると感じた。
    今までは槙野・東條シリーズや向井シリーズでとにかく現場に赴き、トリックを解いていくと言う作風だっただけに、作者にとっては新しいジャンルと言ってもいいだろう。
    これまでに比べ、会話のテンポもよく、いつも感じるラストの長々とした説明文のような謎解きもなく、その点は読みやすくなっている。
    だけど、トリック、動機など凝り過ぎていて、あまり現実感がないところが微妙…
    個人的には槙野・東條シリーズや向井シリーズが読みたいが、今作がシリーズ化されていくんだろうなぁ。

  • 紫外線を浴びると皮膚が火傷を起こし、死に至る事もある難病の女性警視が主人公の、(多分)新シリーズ。警視は自宅で日光を遮断しながら暮らし、部下にスマホで逐一指図しながら捜査させる。それで「ドラキュラ分室」という訳。
    なんか最近、こういう特殊設定のミステリが増えた気がするなあ。この女性警視を異常な病気にして安楽椅子探偵にする必然性がイマイチ分からない。
    尤も、事件そのものは面白かった。大阪刑務所襲撃と、性転換をした死体と、連続して起きた誤嚥性窒息死。関係の無さそうなこれらが見事に繋がっていく。この著者の真骨頂と言えるだろう。今回は真相の重さが辛かったが、楽しみなシリーズになりそう。

  • 03月-05。3.5点。
    警視庁女性キャリア、病気のため外に出れなくなる。若手刑事にカメラ・マイクを装着させ、代わりに捜査させる。
    大阪刑務所で、突然乱入した男達が、囚人5人を殺害。
    犯人は自害し、身元不明。動機は。。

    題名にドラキュラとか入ってるから心配したが、結構正統派。恨みの深さがすごく、身に迫った。

  • す、すぎょい…こう来るかぁ〜〜!!!っていうね w
    これはシリーズ化決定でしょ?╰(*´︶`*)╯♡

  • 読み作家、何も知らなくて手に取った一冊。図書館の棚で、南雲堂MWSと背表紙の下方に小ぢんまりとそれでもしっかりと、ロゴと出版社が鎮座しているのに思わず手が伸びた次第。南雲堂と言えば、学生時代から語学書というイメージが強かっただけに。また読後に知った作家のプロフィールにも興味深々。雁字搦めのミステリー理論で武装された文章にも興味を覚えるが、気楽に寝転んで読める本作品も又良し。グロ的表現もあるが、女性警視堂安と山瀬巡査との掛け合いが見事、また二人の境遇設定も乙。別作品にも触手を誘う作品。

  • タイトルを見てホラー? ミステリ? と疑問に思いましたが。ばりばりの警察捜査ミステリにして本格ミステリです。安楽椅子探偵的というか、リモート捜査(操作)な印象も。新しいバディ物としてシリーズになるでしょうか。
    テロリストに襲撃された大阪刑務所。とてつもなく大きな事件の捜査に当たることになったのは、病のため日光に当たれない堂安と、彼女の手足となる新米刑事の舟木。それだけならオーソドックスな捜査ミステリとして読めたのですが、さらに性転換者の変死体事件との繋がりとか……何そのあまりに飛躍した関係性は。もちろん関係があるのですが、普通はあると思わないよ……実に奇想天外。
    読み進むうちに手掛かりは面白いように出てくるのだけれど、その繋がりを見つけるのは一苦労。そしてトリックもあり、意外な犯人もあり、スリリングな展開あり。もうね、終盤のあの展開。読んでいる誰もが「馬鹿―! やめろー!」って叫びたくなったと思います(笑)。ああもう見てられないっ。
    それにしても犯人の動機はわからないではないのだけれど、復讐にしても方法がえげつなさすぎます。そこまでやるか!? とはいえ、被害者が可哀想だとは毛筋ほどにも思えないんですよねえ。

  • リアリティなさすぎ。復讐を果たすためとはいえ、こんな大掛かりな事件を起こす必要あるのかな。

  • 本自体は、読みやすい。事件の首謀者がエグイ・・・ 実際にあった事件で人殺しをした女性が中学生の時、男子を実は殺していた。頭も良いのに冷酷、を思い出してしまった。 犯罪者の気持ちにはなれない。 所で最後に出で来る、大学生の事件の男女、初めに日記で男性が告って無い?あとの所と辻褄が合わくない?

  • 2019/12/10読了

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著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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