英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻―忙しい若手ドクターのために

著者 :
  • 南江堂
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784524242122

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  • ●抄録・論文作成・口頭発表虎の巻
    ★まず敵を知る
     応募する学会の前年度の抄録集に目を通し、自分のネタが太刀打ちできるか考える

    ★英語論文執筆
     自分が主張したい概念(本質)をしっかり把握した上で、それを英語で表現する
     コロンの後にもスペースが入る
     修飾語を後半に置き、主語と述語を前半に配置する
     名詞よりも動詞を使い、簡潔な文章にする
     ロイヤル英文法-徹底例解-がおすすめ。旺文社2000年。
     執筆の心構え:No job is done until the paperwork is done.

    ・時制のまとめ
     研究の引用(主節):関連の薄い引用は過去形、重要な関連研究は現在完了形、極めて重要な関連研究は現在形
     研究の引用(従属節):一般的事実は現在形、限定的に受け入れられる研究や古い研究は過去形
     重要度や一般性が増すと、過去形から現在完了、現在形へと変化する。

    ・論文の構成
     英文の一流紙の構成を参考にする
     Discussionの構成は、研究結果のまとめ、従来の報告、類似点と差分、差分の理由、
     今後の発展性、制約とその範囲内での意義、結論
     Limitationでは、謙遜する必要はなく、限界を認めた上で、その中でも言える付加価値を示す

    ・添削の依頼
     上司や同僚に添削を依頼する際には、ファイルの送付に加えて、紙のワープロ原稿やアウトライン、
     図面、キーとなる論文のコピーも届ける。早めに見せて、修正を繰り返す。

    ★口頭発表の準備スケジュール
     採択通知後速やかに:1.抄録のストーリーの確認>2.データ確認>3.典型例の写真等の材料集め
     35日前:4.プレゼンテーション・ファイル作成>28日前:5.読み原稿作成
     >28~24日前:6.読み練習>7.プレゼンテーション・ファイル、読み原稿修正
     >24~21日前:8.読み練習>10日前:9.発表予行>9日前:10.再修正
     >8~1日前:11.発表練習>12.予想質問、回答練習>13.本番

    ・35日前:スライド作成
     文章は短く、シンプルに
     格調高い文体を基本に、所々にちょっと肩の力を抜いて息抜きを入れる

    ・28日前:
     読み練習は手を抜かずにやる
     発表原稿の完成は、慣れない作曲家が下書きを書き上げた状態である。
     シンガーソングライターががギターをつま弾きながら曲を作るように、
     不適切なところ、読みにくいところを直す。ある程度完成したら、
     恥ずかしがらずに先輩、同僚にプレゼンを聴いてもらう。
     発音は母音の違いに注意を払う。

    ・発表本番
     うなずきながら聴いてくれているフレンドリーそうな人に順次まんべんなくアイコンタクトをする
     演壇の近くに座り、腹式呼吸をする。スライドの切れ目で必ず聴衆を見る。発表を楽しむ。

    ・口頭発表に関する例文
     Would you speak up a little, please? I didn't follow your questions. You raise a very interesting point.
    It is hard to answer your question in a word. In a short answer, ...

  • 目から鱗、というか、こんなに基本的なこともわかってなかったのか、と自分自身にがっかりしてしまうくらい、大事なことが書かれています。
    そして、読み易い!
    さらに、論文が書きたくなるような文章構成になっています。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:490.7//U41

  • 文系です。現在、国際会議の発表の準備をしています。本書は要点を端的に書いており、とても役に立っています。

  • 内容は臨床医向けのガイドラインですが、他の分野の研究者を志望する学生・若手にも役立つと思います。特に、本書で提案されている抄録・論文の設計図は、初めて取り組む人にとって良い枠組みだと思います。逆に、この類の仕事で苦労した経験のある人にとっては、新しく学べることは特に無いです。
    また、この類の書籍で論文の書き方などを学ぶ人によくある誤解として(少なくとも私にはあった)、この本を読めば英文で論文が書けるようになるかというと、そのようなことは全く無くて、一般の英文ライティングの教科書や文法書を使った基礎的な学習も必要です。本書のような書籍は、基礎事項の学習に入る前の心構えを固める位置づけとして通読すると良いと思います。

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