- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784526079856
作品紹介・あらすじ
人類初の月面着陸から50年。アポロ計画はどのように始まり偉業を成し遂げ、その後どんな経緯をたどったのか。表に出ることの少なかった様々な立場の人びとにもスポットライトをあて、その全貌を語る。宇宙開発分野で人気の著者による書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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アポロ計画の始まりから終わりまで、科学者の立場で著された一冊。
実はかなり無鉄砲な計画だったことがわかり、衝撃を受けました。
また、技術面での緻密なバックアップ体制には、今さらながら驚きました。
しかし、そんなバックアップ体制があっても万全ではなく、何度も危機的な状況を迎え、そのたびに、スタッフが知恵を出し合って乗り越えてきたチームワークには、感動しかありません。
また同時に、アポロの背景にあった政治情勢にもしっかり触れられていて、勉強になりました。
いろんな情報がオープンになりつつある現代では、1960年代のような宇宙開発競争(その前身となる軍拡競争)は起こりにくいと思われるだけに、今後の宇宙開発は、よほどの推進力がないと、なかなか進まないのでしょうね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【資料ID】91190879
【請求記号】538.9||M -
有り G538.9/マ/19 棚:宇宙
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請求記号 538.94/Ma 72
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最近子供が宇宙に興味があるので、つられてその類の本を読んでみた。知らないことが沢山ある宇宙というのは非常二、おもしろいです。それに50年も前に月に行ったことというのは本当に凄い。いったいどれだけのお金と人材を投入したのだろうか?冷戦のような対立がない今の世の中では同様な投資はきっとないだろう。
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本書もたまたま図書館の新着コーナーで見つけた。
3つのアポロとは、科学者と技術者、飛行士であり、計画を推進したのは政治力であるということ。
アポロ計画は、第2次世界大戦のドイツによるロケット開発の延長として、当時のソ連と米国の冷戦の中で、両国の宇宙や月への進出競争が大きな背景となっている。ソ連ではフルシチョフ(1956)、米国ではアイゼンハワーがNASAを設立(1958)により、宇宙への進出競争がはじまり、ジョン・F・ケネディが1960年代末までに月への到達を宣言した。
ソ連はスプートニク、米国ではエクスプローラーにはじまりジェミニ計画、マーキュリー計画、アポロ計画と続く。両国のロケット技術を裏で支えたのが、フォン・ブラウンを始めとするドイツ出身技術者だった。
アポロ計画で月面着陸したのは11号,12号,14号,15号,16号,17号だった。はじめは月面着陸や宇宙飛行士の月面歩行そのものに焦点が当てられていたが、次第に月の岩石採取とその分析結果に目が向けられる。
アポロ計画は、はじめ政治主導で進めたれ、宇宙飛行士に人としてのロマンを見出して民衆の関心を煽り、その役割が終わる頃には人類の科学的知見の積み重ねの場へ収斂して行った。
これもなかなか勉強になった一冊である。