秘境

著者 :
  • 日本教文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784531052530

作品紹介・あらすじ

文明的な生き方と自然に即した生き方
の矛盾や葛藤を超える道とは?東北の
秘境で独り生きてきた少女と新聞記者
との出会いを通して、自然との共生を
ドラマティックに描いた感動の小説。

感想・レビュー・書評

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  • 設定はかなり荒唐無稽で、現実離れしているものの、そこから問う報道に関する社会的倫理観はいかにも現実的な問題なんだね。どこか胡散臭い書きぶりで、なんだろ?とにかく、こんな環境で育つ少女が存在することのあり得なさと、それにもまして突然現れた男にあっさり心をゆるすなんて。社会適応力もかなり高い。ほとんど人と話したことないのに、会話がはずむ。身の回りに、彼女よりコミュニケーションがおぼつかないのが大勢いるし。でも、これまた胡散臭い新聞社の追っかけっこに緊迫感を覚え、愉しめたりする。結局、小説として満足したようで。

  • 現代生活と自然との共生を考えさせられる
    小説。

    登場する秘境で、現代文明から隔離され
    生きてきた孤独な少女に、自然とともに
    生きることの中にある幸福を見出すことが
    できるように思った。

    作品中の印象的な文章を引用します。
    (P208~209)

    --------------------------------------
    私たちは、この少女の生き方の中に、
    古き日本の伝統だった「自然と共存した
    生活」の原型を見る思いがする。それは、
    季節の変化の中に現れては消える多種多様
    の動植物から恩恵をうけるだけでなく、
    それらを人間と同等の「命」として尊敬し、
    育む生き方である。人間が“万物の霊長”
    として自然から奪い、それを支配するので
    はなく、自然の一員として共存しようとする
    態度-その中にも幸福はある。それは、
    自然を力でねじ伏せる勝利感とは異なり、
    自然との共栄を目指して、人間が自然に
    歩み寄り、また譲歩する中で得られる
    一体感だろう。そんな幸福は、便利な消費
    生活の中では決して味わえない。が、
    それこそ地球温暖化時代に人類が目指すべき
    目標ではないか-

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著者プロフィール

1951年、東京都生まれ。青山学院大学法学部公法学科卒。米国コロンビア大学修士課程修了(国際関係論)。産経新聞記者として横浜勤務を経て1990年、生長の家副総裁。2009年、生長の家総裁に就任。著書に『大自然讃歌』『観世音菩薩讃歌』『万物調和六章経』『人類同胞大調和六章経』『神さまと自然とともにある祈り』『宗教はなぜ都会を離れるか?』『生長の家ってどんな教え?』『次世代への決断』『“森の中”へ行く』(共著)『衝撃から理解へ』『日々の祈り』短編小説集『こんなところに…』『今こそ自然から学ぼう』『太陽はいつも輝いている』『日時計主義とは何か?』(世界聖典普及協会発売)『目覚むる心地』『心でつくる世界』『ちょっと私的に考える』『神を演じる前に』(以上、生長の家刊)、『凡庸の唄』『秘境』『神を演じる人々』(、翻訳書に『叡知の学校』『もう手足がなくたって』(以上、日本教文社刊)、監修書に『“新しい文明"を築こう 上巻 基礎篇「運動の基礎」』『“新しい文明"を築こう 中巻 実践篇「運動の具体的展開」』(生長の家刊)など多数がある。ブログ=「唐松模様」を執筆している。

「2022年 『ひかりの言葉 英文入り 2023年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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