日本人の鼻はなぜ低い: 生理人類学の眼

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532096205

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  •  あのペリーが浦賀沖に黒船でやって来た時に描かれたペリーの似顔絵を見ると鼻の高さが目につく。きっと当時の日本時からすると天狗のような恐ろしい生き物に見えたかもしれない。

     「鼻が高い」、「鼻をへし折る」など鼻に関する言葉がある。そんな鼻に関してどうして日本人の鼻は低いのかと言う疑問をはじめとして「体のナゾ」に迫ったのが今回の本だ。

     鼻が低い理由として、寒冷な風土に適応したモンゴロイドに属していて、鼻が高いと凍傷にかかりやすいので、寒さに適した人種の鼻は低いと説明されている。「凍傷にかからず放熱量の少ない偏平な日本人の鼻はヴィーナスの鼻にも劣らず精巧な作品なのである」と著者が述べている。とは言っても現代に生きるものとしては鼻が高い方が見栄えがいいからなあ。

     衣服脱ぎ凍死する人がいるとして取り上げられている。あまりの寒さで頭のネジが凍って頭の働きがおかしくなったからではなく、体温を調節する機能が正常でなくなり、皮膚血管を収縮する機能を失い、体の中心から暖かい血液が大量に流れるので、ものすごく暑くなり服を脱ぎたくなる。しかし、その結果、凍え死んでしまうと言うのが真相だ。恐ろしい現象だ。

     この本は1990年に発行された本なので、今では新発見によって違うこともあるかもしれないが、人間の体にまつわる謎を知るには手ごろな本だ。

    日本の版画に描かれたペリー

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%BC#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Matthewperry.jpg

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