日本の経営者

制作 : 日本経済新聞社 
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532112080

作品紹介・あらすじ

明治・大正・昭和の日本を創った経営者14人の行動力、アイデア、経営倫理と成功の秘訣。豊かな発想のもと、新たな事業戦略を練り上げ、ライバルと切磋琢磨してきた彼らの姿から、現代や未来の企業家への示唆、教訓を浮き彫りにした。単なる事業意欲やお金への執着心だけではなく、高い倫理観や公共精神こそ企業家の原動力になっていたことを明らかにしている。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/703356

  • 岩崎弥太郎、渋沢栄一、松下幸之助、など日本国内の名だたる起業家・経営者についてまとまられている。経営者に到る過程・本人の特徴などを大まかに知ることが出来る。

  • 日本の経営者について学ぶことが出来た。

  • 明治維新期から昭和にかけて名を馳せた大企業家たちの
    生涯、特筆すべきエピソードなどを
    作家、研究者らがそれぞれのスタイルで描いたオムニバス。

    じつに、おもしろい。

    私たちは「歴史上の人物」といったときに、
    たいてい学校で習う政治家、貴族、一部の文化人くらいをすぐ思い浮かべるが
    現実の世の中には企業がたくさんあって、その中心で時代に大きな
    影響を与えたたくさんの大企業家たちがいたわけである。

    彼らに共通して言えるのは、
    20代~30代の非常に若い段階で起業をする、あるいは企業の要職につき、
    己の価値観を貫いて、良しと思うことを進めていったすさまじい実行力の
    持ち主である、ということ。

    明治維新を起こした政治の立役者たちは、若き下級武士たちだった。
    そして、実業界を支えていたのもまた、若き事業家たちだった。
    この政治と経済の強力なパワーが日本を短期間で強国へと変えたのだろう。

    しかし、政治の中では官僚主義が蔓延しはじめる。
    特に軍の官僚化がひどく、それが第二次大戦へのなし崩し的参加や
    甚大な被害を伴う大敗北につながっていった。
    企業はこうした国家の動きに竿さすことは難しかったが、
    一方で軍需を利用してものづくりの技術を高めていった部分が
    戦後の成長期、モノ需要の高い社会の中で急速に花開いたといえる。

    だが、バブル崩壊をもって経済の右肩上がりは終焉。
    そして、そこからの20年間で、日本企業はびっくりするほど変われていない。
    これは古き良き時代への幻想、既得権へのしがみつき、
    経営層も従業員も共に変革を拒む、国家の経済政策の無能、
    まぁいろいろな要素の重なりだと思うが、
    もしこんな状態を本書に取り上げられている明治の大企業家たちが
    目にしたら、開いた口が塞がらないことは間違いない。

    むしろ、ベンチャー企業が次々と生まれ、世界を席巻していく米国を見て、
    「こういう活力ある経済社会を目指していたのだが」
    と言うかもしれない。というか、きっとそう言うだろう。

    もちろん、今の日本にも、若い(いや別に年齢が低いことが若さではない、
    創造と変革への意志を持っていれば年齢関係なく"若い")力で
    新しい企業を立ち上げたり、ビジネスに挑んでいく人はたくさんいる。
    だがまだ、世の趨勢は、そこにもっとも価値があることに気づいていない
    人のほうがずっと多いと思われる
    (学生の新卒就職ランキングなんてものがあって、そこに大企業ばかり
     並んでいるのもひとつの証左だとはいえまいか)。

    うーん。日本はどうなるのだろう。
    私はどうするのだろう。
    そんなことを考える。


    以下目次
    --------------------------------------------------------
    岩崎弥太郎—詩人の魂と企業家精神
    安田善次郎—細心・怜悧な銀行家
    渋沢栄一—パブリック精神を体現
    松本重太郎—拡大路線で墓穴を掘った「西の渋沢」
    伊庭貞剛—日本型CSRの先駆者
    益田孝—「総合商社」の祖
    金子直吉—現場主導の分権経営
    小林一三—「夢追い人」が企業家に
    松永安左エ門—「ボーンアゲイン」の生涯
    鮎川義介—仲間内資本主義から大衆資本主義へ
    大原孫三郎—稀代の社会事業家
    松下幸之助—悲惨な体験を成功の礎に
    本田宗一郎—本質を見抜き、伝える賢慮型経営者
    盛田昭夫—部下のやる気を鼓舞する天才
    群像の軌跡

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著者プロフィール

執筆は編集委員、コメンテーター。

「2022年 『これからの日本の論点2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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