- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532112639
作品紹介・あらすじ
貿易収支赤字化の本当の意味がわかる。輸出・輸入の仕組みから、TPPなど貿易の新たな局面までわかりやすく解説。ロングセラー待望の改訂。
感想・レビュー・書評
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新書乱立で日経文庫は試練だろうが、これはもう使えない
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830円の割にコスパよかった。
貿易収支、経常収支の意味とか中学受験依頼知識を棚卸ししたわ。
普通の解説本だけど、文書読みやすかった。満足。 -
時事に合わせて改定を加えたらしい第三版。
大部分は貿易と言う経済行為について、しくみの説明。
ものを買うとお金がでていきます、のような、なるほどそれはそうだと思う説明。
理論を語ったあとで、でもこれは理論であって実際には他の要素が加わるから一概にこうなるともいえないんだけどね、と付け加えてあるのも好感が持てる。
当然のしくみや、貿易のやり方や、理論を理論として説明している部分は面白かった。
私が知らなすぎるからというのが大きいけれど。
ただ、限定された状況でしか使えないはずの理論の上に現実をあてはめて語り始めると一気に怪しくなる。
机上の理論を現実にあてはめて、しかも合わなかったら現実のほうを責める類の、悪い方向に学術してる。
新しく加えた部分(読み比べたわけじゃないけれど、TPPや東日本大震災に触れている部分は確実に新しいはずだ)は、それが特に顕著だ。
まだ答えを出すほど時間がたっていなかったり、未来を語ったりしているから確実なことを言えないのは仕方ないけれど、それにしたって想像の根拠が書かれていない。
「こうあるべきだからこうなるはずだ」にしか見えない。
たとえば(これは全体的にそうだけど)貿易自由化は経済を発展させる、ということが疑いようもない絶対的な真実であるかのように書かれる。
グローバル化に反対するのは少数派であると矮小化し、「自由貿易の交渉会議に反対派のNGOが抗議に来た」という話題で反対派が暴れたせいでうまくまとまらなかったかのようにミスリードする。(その前の章で各国の利害が一致しないからまとまらないと書いてあるのに)
先進国が途上国を搾取するという反対論に対しては「それは確かに問題だけど自由化してみんなが経済発展すればそういうのはなくなると思います」という子供の感想文みたいな答えしか書いてない。
EUは自由化した結果、搾取される側とする側がきっぱりわかれて今の危機なわけだけど(少なくとも自由化が救ってくれてないわけだけど)その辺も触れられていない。
自由化した国、しなかった国がどんな道を歩んだかも教えてくれない。
きっとこうなるはずです、だけ。
すぎたことや仕組みを説明する文章の中に、当然のように自分の思想を混ぜてあるのが怖い。
しかも、どの章を誰が書いたかを明記しない共著なのに「私はこう思う」と書かれている。「私」って誰だよ。
「あの産業が落ちてもこの産業がのびるから全体としてプラスになる」のような語りは、一国の経済をテーマにするならありだ。
でもその動機に「国民の生活水準の向上」を使うのが理解できない。
企業は成長と衰退があるのに国民は一律で向上すると思ってるんだろうか。
「誰の」生活水準があがるのか、「誰の」プラスになるのかという視点がないみたいに見える。
「意見」の部分に根拠や分析が感じられないのが気持ち悪い。 -
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