雇用法改正: 人事・労務はこう変わる

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532112738

作品紹介・あらすじ

重要3法改正がまとめてわかる。無期転換の申込みや65歳定年にどう対応するか。契約内容や就業規則の見直しなど必要な備えを具体的に解説。

感想・レビュー・書評

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  • 300322898  S366.14-ニツ-1273

  • 無期雇用転換申込制度の創設は「従来のわが国企業の安定した雇用体系を混乱させ、かえって新たな問題を引き起こす改正ではないかと思われます。」(p.33)

    今般の雇用法改正について、批判的な立場から解説すると共に、実務上の留意点を述べています。

    実務的な内容でありつつ、批判的な立場から判例/学説を引用してコメントされていることに違和感を感じる方もいるでしょうが、企業内で実務に携わる身としては、改正法の論点が明示されて参考になりました。
    「自分がおかしいと思う点には、やはり否定的見解があるのだな」とわかるだけでも収穫です。

    本来の法的理念や契約社会の原則、他方で「日本人の法意識」。実社会でこの両者のバランスを追求してきた労働法分野ならではの矜持、という気がします。
    (念のため付け加えますと、安西先生は労働者保護が不要と言っているのではなく、別の方法で実現すべきだったとのお考えのようです。)

    普段「日本の経営者は海外に比べて〜」と批評している方、「法と経済」に関心のある方は、是非今回の雇用法改正についての論考を積極的に発信していただきたいところであります。

  • 労働問題の第一人者(但し経営者側)である安西弁護士による、昨年から今年の春にかけて施行される派遣法、労働契約法および高年齢者雇用安定法の解説です。新書サイズで「です・ます調」なので、軽い内容かなと思ったのですが、内容は本格的で、むしろ労働関係法に詳しくない人には、少しむずかしい内容かもしれません。

    さて、上記のように今回の労働関係法の改正は3つあるのですけど、そのうち、半分以上の紙幅を費やして述べられているのが労働契約法です。安西弁護士は、今回の法改正に非常に批判的で、大胆な解釈論を展開して、法改正の射程を狭めようとする説も紹介されています。

    安西弁護士の立場上、大胆であっても敢えてこのように発信することが役割もあるのでしょうけど、裁判にもまだなっていない話ですので、こういう部分は眉唾で読んだほうが無難なようには思います。

    しかしその見識の広さは一見の価値あり。70歳を越えてもまだまだ最前線をいく感じは流石の一言です。

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著者プロフィール

弁護士(安西法律事務所)
1938年香川県生まれ。香川労働基準局に採用。中央大学法学部(通信教育課程)卒業。労働省労働基準局監督課に転任。1971年弁護士登録。第一東京弁護士会副会長、東京地方最低賃金審議会会長、最高裁司法研修所教官、労働省科学顧問などを歴任。著書に、『日経文庫 人事の法律常識』『労働時間・休日・休暇の法律実務』『採用から退職までの法律実務』ほか多数。

「2016年 『部下をもつ人のための 人事・労務の法律〈第6版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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