- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532114183
作品紹介・あらすじ
なぜ、企画倒れに終わるのか。
「モノ売り」とは本質的に異なるビジネスモデルに転換する方法を解説
最近、「モノ売り」の会社がこぞって「サブスクリプション始めます」
もしくは「リカーリングビジネス始めます」などの事業方針を唱えている。
しかし、とりあえず始めてみたけれど儲からない、
顧客がすぐに離れてしまう、といった問題を抱えて開店休業状態の企業も多い。
「モノを売る」こととサブスクリプションのビジネスモデルとでは、
組織の役割や業務プロセス、経営管理指標、システム、顧客分析手法、決済方法など、
すべてにわたって異なっている。
同じ顧客を相手にしているようで、まったくちがった発想ややり方が必要になるのである。
本書は、いま話題のサブスクリプション経営につき、
従来のビジネスモデルとどこが異なるのか、
どうすればうまくいくのかをコンパクトに解説した入門書である。
先端の成功事例を取り上げながら、そのポイントを具体的に紹介する。
著者はデロイトのテクノロジー担当の執行役員で、
旧来型メーカーがサブスクリプションモデルに転換するためのコンサルティングを多数行っている。
本書でもそうした経験を生かした実戦的な解説を行う。
感想・レビュー・書評
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サブスクサービス展開を検討している。
これまでに複数冊関連書籍を読んできたが、
本書が一番自分の求めるレベル、内容と合致していた。
事例はサラッと多すぎず、一つ一つのトピックは深掘りされている訳では無いが、網羅的であると思う。
この手の本は、どちらかというとガチのものづくり企業はメインではないと思うが、本書は製造業が十分に参考にできると感じた。
実践的な良書。
スピードが大事とのこと。
ネジ巻かなきゃ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昨今のサブスクビジネスを概観した書籍。デロイトトーマツの方が書いているので、具体的な運用にも提言しているところがより実戦的だった。
日本でサブスクビジネスが普及するにはまだまだ課題がありそうに思えるも、その打破への提言が力強く書かれている。
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基本は顧客を深く理解して、コミュケーションしていくことかな。
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サブスクリプション経営を成功させるには『顧客接点の構築、顧客関係の維持、顧客体験の醸成』が必要とのこと。
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ノートに記録済み
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新興国の技術面でのキャッチアップによる製品・サービスのコモデティ化により、従来の「モノ」を売るビジネスモデルでは有効な差別化ができなくなってきている中、顧客体験を実現する「コト」を売るビジネスの有望な手段として、サブスクリプションビジネスに注目が集まっている。
サブスクリプションビジネスは、単に購買障壁を下げて新規顧客を開拓でき安定した継続収入をもたらすツール というのではない。そのような捉え方でこのビジネスに参入する場合、早晩競争力を失って退場することになる。サブスクリプションビジネスでは、最終消費者との接点を適切に設定し、ニーズの変化を常に捉え続け、状況に合わせてサービス内容を柔軟かつ迅速に変化させていくしくみが不可欠である。つまり、扱うモノが同じでも、新事業立ち上げと捉えて業務プロセスとIT基盤を全社的に変革する覚悟が必要だということである。
IoTやAIといった新技術により顧客のサービス利用状況をはじめとする膨大なデータの取得と分析が可能になってきており、こうした顧客動向をどれだけ把握できているかが差別化ポイントとなってくる中、GAFAに代表されるITジャイアントの影響力が増している。彼らはサブスクリプションビジネスを展開するだけでなく、そのためのプラットフォームの提供者としてもこの新たな成長市場に進出している。そのような中で、各企業がサブスクリプションビジネスにより生き残り、競争優位を築くためには、以下のようなことに留意する必要がある。
●既に専門事業者により展開されているサブスクリプションシステム(契約管理、課金計算、請求、回収管理など)を活用し、新規投資を抑えながら事業展開する。
●モノを扱う業態の場合は特に、調達・生産・物流などに関する既存のERPシステムと連携させて効率的な事業運営を行う。そのためにはAPIを用いた自社システムや外部システムとの連携が有効であり重要。
●どのようなデータをどのように収集し、どのように分析し、分析結果を用いてどのように迅速な意思決定を行うかの指標や組織体制を構築する必要がある。
●サービスの展開や頻繁な変更に対応するために、社内IT部門を強化し、下請けシステム業者の監督者としてではなく、自前でアジャイルな開発を行える体制を構築すべき。特に日本企業が出遅れている消費者向けのシステムやアプリ開発能力の強化が必要。
●既存事業との競合を避け、シナジーの発揮や既存事業の売上向上につながるようなサービス展開を目指す。
●サービス内容は常に見直す。永遠のベータ版と心得るべし。
●ニーズの存在確認やオペレーションの設計とコスト試算などを踏まえて事業化となれば、まずは既存システムを流用して始めてみる(最初から完璧にインフラを整えようとすると投資リスクが上がり社内意思決定に時間をとられる)。
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●価格競争から逃れるために「モノ売り」から「コト売り」へのビジネスモデル変革が提唱されだしたのは、2010年を超えた頃でした。そこでサブスクリプションビジネスに期待を抱きました。
●リーマンショック以後、「物」に価値を置き、その「物」を所有すると言う消費行動から、必要な時に必要な分だけ消費したいと言う合理的な、かつリスクを回避する消費行動に変化してきました。またテクノロジーの発展も、この状況の要因となっています。
●アップル アップルミュージック・アーケード・ TV ・ iCloudストレージ等
すばらしいのは、1契約で家族6人までシェアできる。そうすればみんなiPadやiPhoneを揃えることになる。
●アマゾン Amazon Prime・ Kindleアンリミテッドなど。いちどAmazon Prime会員になると、低価格のサービス特典が詰め込まれており、退会する気が起きなくなると言われています。
● Netflix 「自由と選択」と言う基本コンセプトを追求し安い課金制度「完全定額制」(見放題)を採用しています。
●今までは製造業主導のものづくりがトップであり、それを流通小売を通してどう売り捌くかと言うことであった。今は顧客との接点を持ち、そこから得られた行動データで顧客を最もよく理解し、いつでも顧客とつながることが可能になった事業に価値が移行していく。楽天・ Yahoo!など、新しい産業構造において最上位に来るのは、顧客接点と決済を握ったプラットフォーマーになる。その下に来るのがサービサーで、メーカーは1番下になる。
●HPプリンターのインク。かみそり。化粧品サンプル。
●イプシーは化粧品だけでなく、インフルエンサーと協力し、YouTubeを活用することにより、化粧品の使い方などを紹介している。
●アマゾンSAASストア。様々な会社のソフトウェアをSAAS形式で販売するECサイトです。サブスクリプションビジネスを全て自社で手がける必要はありません。
●アパレルでは次々と撤退事例が出ている。
●サブスクリプションビジネスは「永遠のベータ版」改善をし続ける努力が必要。
●カーシェアリングサービス デジタル技術を使いながら、顧客がどういう使い方をしているのかをデータで理解しながら、サービスにつなげると言う循環を構築することが重要。
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この手の(新書ビジネス)本で、IT化含めた、オペレーションに言及している点は、なかなか見ない。
直接の破綻原因、破綻への寄与度まではわからないけど、うまく行かなかったサブスクリプションモデルの背景に、オペレーションの複雑さがあると指摘。
自動化に向けた対応をせずに、徒手空拳で挑むのは、、、NGだ。
そして、重要な点は、サブスクリプションモデルは、これまでの製造・プロダクトアウトの発想から、完全に顧客視点に変わること。従来型の経営・組織・システムの延長ではないことを理解し、行動を変えられるか。 -
東2法経図・6F開架:B1/3A/1418/K