コーポレートブランド経営: 個性が生み出す競争優位

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532148188

作品紹介・あらすじ

ソニー、アスクル、デル、アマゾン…強烈な個性と競争優位を築いた企業に、資本も人も集中する。革新的な「ビジネスモデル」を考え抜き、強い企業ブランドを確立せよ。株主、顧客、従業員を束ねる、新世紀の経営モデル。

感想・レビュー・書評

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  • 従来の財務諸表は過去の成果を表す。

    特許はバランスシートでは、権利取得費等の無形固定資産として扱われます。つまり、特許が生み出す将来の価値は出てきません。

    となると、パテントエンジニアは、一般的にコストしか生み出しません。特許権自体に価値を認めてもらえるよう、何とかしたいものです。

    まず、現状の財務3表からの勉強ですね。

  • 理解が難しい本(笑)

    日本企業再生のため、新しい経営モデルとしてコーポレートブランド経営の必要性を説いています。その実現のためには、新たなビジネスモデルを創造すること、そして、価値創造型リーダの育成が必要
    といったメッセージを語っている本です。(と理解しました)
    2000年に出版されながらも2013年に増刷していることから生きの長いビジネス書ということになります。

    本書では、90年代の日本企業の犯した7つの大罪ということで
    ・トップマネジメントが考え抜くことをやめた
    ・ミドルが役割を放棄した
    ・企業価値に対する意識が希薄だった
    ・親会社に経営資源を傾斜配分しすぎた
    ・経営理念に対するこだわりをなくした
    ・ビジネスモデルの革新を怠った
    ・アカウンタビリティがなかった
    と分析しています。

    これらを克服するために、従業員主権の日本型経営でもなく、株主主権のアメリカ型経営でもなく、新しい経営モデルとして、ヨーロッパ型の「コーポレートブランド経営」の経営モデルへの革新が必要との事。

    この「コーポレートブランド経営」とはコーポーレートブランドに企業理念・ビジョンを象徴させ、それを軸に、顧客、従業員、株主のすべての価値を最大化することを目指す経営のことです。

    ブランド価値が顧客、従業員、株主の価値を高め、逆に、顧客、従業員、株主がブランド価値を高めるという相乗効果、シナジーがあるとのこと。

    そして、ビジネスモデルを革新し、強い企業ブランドを確立していく。さらにビジネスモデルとプロセス革新を融合させて強い競争優位を確立していくことが必要。
    そのための人材育成の仕組みとして「活力」と「結力」をどう高めるか、そのような人材をマネージメントしていく新しいリーダのスタイルとして価値創造型リーダの必要性を説いています。

    価値創造型リーダとはプロセス革新とビジネスモデル創造の両方が出来るリーダのことです。

    ざっと、サマライズすると、このようなメッセージが語られている本です。

    そして、そこかしこに、国内国外の事例が出てきたます。ここまではなんとなかりますが、それに加えて、ブランド価値やEVAやバランススコアカードなどなど、企業価値を測定する手法などが紹介されていたりして、深みにはまってしまいます(笑)

    ということで、それなりに理解できて、なるほどと思ったところだけ
    市場シェアから利益シェアへ
    市場シェア=その企業の販売数/産業全体の販売総数
    利益シェア=その企業の利益額/産業全体の利益総額
    市場シェアが最大でもリーダ企業ではない とのこと
    この利益シェアでみると違った見え方をするのが面白く思います

    ビジネスモデルと企業価値
    株式市場はビジネスモデルを評価しているとのこと
    将来キャッシュフローが見込めるビジネスモデルに対して高い評価を株式市場があたえ、時価総額が高くなるとのこと。これまた面白いです。

    ということで、忘れないように、いっぱいコメント残しましたが、それだけ難しい本ということです(笑)

  • コーポレートブランドは顧客価値・従業員価値・株主価値を連結し、
    3つの間にシナジーを生み出す原動力となると本書では定義されている。

    コーポレートブランドの重要性を説いていると思われるタイトルの本であるが、
    中身は全く異なる本だった。

    書かれた時代である2000年の現状と将来を見据えた上で、
    ビジネスモデルやリーダーシップ、モチベーションの重要性を説いた本。
    それらの仕組みを全て上手く運用させるために、
    コーポレートブランドが必要であるというトーンであり、
    コーポレートブランドをどう育成したらよいのか?どうマネジメントしたらよいのか?
    という内容を求める方には全くおすすめできない。

    個人的にはエンドーサーとしての役割が一番大きいと考えているが、
    この辺りの記述も大変希薄だった。


    ただ、新たな知見もあった。
    「企業が自社と他社とを区別する最大のファクターは企業理念である」という記述。
    ブランドや製品スペックばかりに目を奪われがちである企業が多い中、
    今一度、企業理念やビジョンに立ち戻る必要性を感じた。
    企業理念で差別化することが、継続的に競争優位を確立できると思う。

  • 大学時代に読んだ。

    デビット・A・アーカーの「ブランドエクイティ」関連本の方が読みやすい気がした。
    さらに、個人的には大学時代の恩師が参画した経産省主催による研究会(ブランド価値評価)の内容の方が気になる。

  • 〜06年:
    ブランドに関しては著者が日経と組んでやったブランド価値算定の話が中心で、残りの大部分は当時(90年代後期)の経営論に終始している。
    下手に当時の最新の具体例が豊富なので、ちょっと古さが目立つ。
    そして読んでいてつまらない。

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著者プロフィール

一橋大学CFO教育研究センター長・同大名誉教授
1951年千葉県生まれ。75年一橋大学商学部卒業。84年一橋大学助教授。87~88年スタンフォード大学フルブライト研究員。92年一橋大学教授。96年商学博士(一橋大学)。02~04年一橋大学大学院商学研究科長・商学部長。04~06年一橋大学副学長。

「2023年 『企業価値経営 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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