海を喰らう山を喰らう: 全国漁師・猟師食紀行
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2000年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532163563
感想・レビュー・書評
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現地へ行かないと食べられない漁師料理や猟師料理。まさに海を喰らう。山を喰らう。
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ここで取り上げられている食事こそが本当のグルメであると僕は確信しております。海のものも山のものも野趣あふれる料理で、思わず読んでいて胃がきゅうっとなりました。
僕は大学時代にこの人の「豪快!野生を喰らう」というルポルタージュを何度となく読み返していましてね。以来ずいぶんと影響を受けていたんですが、それからずいぶんと時はたっているのですが、こうしてこの作者の著作が偶然手に入ったので、読んでおります。
東京などにたとえばすんでいるとして、お金に糸目をつけなければいくらでもおいしいものは食べられると思います。しかし、ここに取り上げられている料理は鮭のチャンチャン焼き、それも漁師が仕事の合間にささっと食べる形式のものや、取ったその場で捌いて食べるイノシシの牡丹鍋。トドの心臓や肝臓の刺身。2メートルのたこや、とれたてのスケソウダラを丸々一匹使っての沖汁など、まさに野手あふれる味で、絶対にご当地でしか食べることの出来ないものだと思います。
僕も地元にいるときに気まぐれで真鱈のアラをスーパーで買ってきて、沖汁風の味噌汁を作って食べたことがありますが、それなりにおいしく、ここにかれていることが若干ながら、理解できました。僕にとって本当のグルメとはこういうものを言います。おされなレストランで高いカネをハラって食うのもよござんしょうが、こういう野手あふれる料理を豪快にかぶりつくのもまた作者の言うところの「食の豊饒」であると思っています。