帝国の興亡 下

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532164331

作品紹介・あらすじ

ロシア帝国は、ライバルの帝国と何が違っていたのか。ソ連は、帝国として、どのような特質を持っていたのか。ハプスブルク帝国、オスマン帝国、大英帝国、ソビエト帝国の衰亡には、どのような共通性と違いがあったのか。帝国の崩壊から、現代国際社会の「深層」が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  •  リーベンの下巻。下巻ではロシア帝国に焦点を当てています。勿論、帝政研究なので詳述される事は少なく、概略的記述とその特性について長々と書かれています。袴田氏曰く、リーベンは現実主義的視点から帝国の齎した利点に注目し、且つその帝国間の相違点や共通点を洗い出し、今後の世界に関する視座とする為の研究だそうです。
     これはイギリスで人気の「リベラルな帝国主義」かな〜という気もします。実際に、日本の占領を「イギリスがインドに投資した額の数倍を短期間で満州に投資した」「日本の支配下で工業化や教育システムなどが構築された」と肯定的に捉えているので。こうした帝国の功罪を評価する事は確かに必要だと思いますが、もう一方でこうした帝国の評価が現在のロシアの問題とどう繋がるのか不透明です。チェチェンへの侵攻に関するわずか数行の記述の中で、ロシアは他の帝国と異なり経済的パワーを保持していなかったため、経済関係ではなく軍事や政治というより実態的支配を植民地の構築し、その結果として現在のカフカスに対する支配も生じているというような見方をしていますが甚だ疑問です。南北コーカサス諸国はソ連時代に完全にソ連に組み込まれ、その結果として経済的に完全にソ連システムに依存していたわけです。この意味で言えば、「ソ連帝国以後」のカフカスはこうした「非公式支配」から見る事が当然ではないでしょうか?無論、ロシアの場合はプーチン政権に見られるように必ずしもこうした「非公式支配」のみではなく、実態的支配も伴いますが、それもそれでキチンと整理してあげるべきですよね。
     またそもそも論として帝国の比較という視点であれば、表なり何なりで細分化しないと分からないですよね・・・。

  • 上巻同様面白いんですが、ロシアに視点が限られているので、単調さは否めません。

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