内訟録: 細川護熈総理大臣日記

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167431

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りて読む。民主党政権下の2010年刊行。
    細川護煕の首相時代の身辺雑記。
    8党の連立政権であった細川政権は、「ガラス細工」などと言われたが、現在、国会に圧倒的な議席を誇る岸田内閣よりずっとダイナミックな政権であったように思う。

  • 【リーダーたる者は常に「退」ということを腹中においておかなければならないとずっと思ってきました】(文中より引用)

    1993年8月から1994年4月にかけて第79代内閣総理大臣を務めた細川護熙が、自身の就任期間中に書き留めていた日記とその解説が収められた作品。非自民・非共産8党派の連立政権を引っ張った男は、立ち上がる数々の難題を前にいったい何を思ったのか......。構成は、日本経済新聞社で政治部次長などを担当した伊集院敦。

    細川護熙という、あまりに清廉潔白な哲人宰相の求心力が、当時の「濁った」政治情勢の中で次第に衰えていく様子が感じられる作品でした。一次的な歴史的資料としても一級品ですので、現代日本政治に関心のある人にはぜひオススメしたい一冊です。

    総理動静が下部に記されているのもわかりやすくて☆5つ

  • とても勉強になった。

    一点目は、歴史の裏面を知り、多角的に理解をするという点で。

    ・アメリカの内政干渉
    ・自民党のスキャンダル作戦とそれに乗ってしまう愚かなマスコミ

    二点目は、1人のリーダーの心構えや、実際の行動から学ぶという点で。

    ・狂人走不狂人走。
    ・中庸を行く。大道を行く。
    ・私心を捨てる。

    一度お会いしたいものである。

  • 第79代内閣総理大臣、現陶芸家、2011年2月からは東北芸術工科大学と京都造形芸術大学の初代学園長に就任している細川護熙氏の日記。
    読もうと思ったキッカケは、(不確かだけど)現民主党政権の岡田克也氏が夕刊フジの連載「ズバリ直球」で本書を読んだ…とあったこと。現政権と細川内閣に共通点がいくらかあること、自分自身が現政権に不満を募らせていたことも一要因。
    細川護熙氏のことは知っていても、細川内閣時の取り組みとか細かいことはあまり知らなかったわけですが、今見ても充分面白い。いや、今見るからこそ面白いのかも。日記とは別に欄外に首相の動き(日経新聞)を載せているところや、要所要所で関係者の証言が盛り込まれているところも興味深い。当然、小沢氏や鳩山由紀夫氏も登場してきます。
    細川氏が今の首相であれば…と思ったり思わなかったりですが、それぐらい首相としての資質が高かった、と素直にそう感じます。人間としても魅力的ですね。
    (過去の読書記録登録のため評価なし)

  • 元細川総理の日記。日記の他に首相動静や当時関係があった政治家の証言が都度載っているので分かりやすい。
    政治家だけではなく、経済界の大物達と会っているのにも注目したい。各国とのやりとりも面白かった。それにしても支持率を結構マメにメモしてるのね…やっぱ気にするの?
    読みながら常に感じていた事は、良くも悪くもこの方は非常に殿様気質だなと。

  • 細川護煕元総理大臣による在任中の記録。

  • 日記には、公開を前提として記されたものとそうでないものがあるという。細川護煕氏が総理在任中の日記は、明らかに時期を見て公開するつもりで記されたものだと感じた。

    細川内閣から20年の時が経った。本書に登場する人物には鬼籍に入ったり、社会の第一線からは退かれて久しい方も多い。自然、読みながら懐かしい気持ちになった。

    細川政権がなぜ崩壊したのか、10代の頃、その理由をどうしても知りたかったことを思い出す。歳を重ねてから疑問を解消しようと随分と関連の書籍や資料を読んで自分なりに理由を探ろうとした。

    本書を読み終えてあらためて確認したのは、8ヵ月しか政権が続かなかった理由は、第一には、8党派の意見を調整し連立政権を運営することが非常に困難であったこと(政策的な隔たり、人間関係などを含む)、第二には、自民党が国会で第一党であったこと、そして、細川氏の政治家の進退に関する独特の美学があったのではないかと思う。

    本書には随所に興味深い記述があるが、特に、細川氏と小沢氏、武村氏の人間関係の距離感、日本新党の存在感のなさ(細川氏は、日本新党の議員をほとんど政権運営に活用していない。むしろ、事務方の方が存在感がある)、社会党の政党としてのまとまりのなさ、財界人や官僚OB、学者、ジャーナリスト等の在野の人物の細川氏に対する接触の多さを示す記述などが印象に残った。

    精読すれば、まだまだ発見がありそうな日記なので改めて目を通したい。

  • ジェームズ・カーカップ 詩人 日本をリセットして再生する

  • 総理在任中の日記。いまの政治家が持ちえない教養、これが気持ちいい。古今東西の古典からの引用が彼の思想と行動を肯定していく。数千年にわたって人類の文明が築き上げてきた峰、この峰が見えていない多くのものは、人類がこれまで犯してきた同じ過ちを繰り返してしまう、ということをこの本のどこにも書いていないけど、そう思った。
    教養は、市井に生きる僕らにも重要で、どんなことでも、教養のあるなしでその判断は異なってくる。学ばなければならない、つくづく思う。でも、細川のこの教養というのは、やっぱり何代も続く細川「家」のその中で身につけていったものなのかなー。

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