月の虹

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
2.91
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本棚登録 : 51
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171018

作品紹介・あらすじ

誕生日に嵐山で会い続けるという、幸せだった頃の約束。こわれやすい心と、ふたつの名前と…淡く白い恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 陳腐でつまらない本。

    男の妄想小説。
    美人で若くて賢くてスタイルもいい、他の男が羨ましがる彼女。
    そんな彼女は精神的に脆くて、俺がいないと生きていけない。とは言っても夜中に寂しがるくらいで、たいして実害はない。すぐ謝ってくれる。
    浮気しても気付かないふりをしてくれる。
    浮気がバレても許してくれる。

    彼女と一緒になる上で、唯一問題なのは彼女の母親。そんな母親は事故で死に 、ハッピーエンドだとさ!

    くだらない。なんでこんなに嫌悪感があるのか…おそらくこの彼女が不幸だからだ。自分の幸せの為に、彼女の不幸を望む。そんな男に嫌悪感。

  • 読みやすい文章でテンポもよく、すんなり入ってきた。
    けど、時々瑕があるように感じたが、相性かな。
    静音の不安定さについていけず、いらっとしたりした。が、そういう物語なのだからしょうがないのか。そしてまた、圭一の不実さにもいらっとした。詩的な心の通いかもれないけど、俗な言葉で言えばそれは浮気だし、現に静音を傷つけたではないか。
    物語の落としどころとしてはよいのかも知れないけど、ご都合的な気もした。
    静音の出生や圭一のトラウマなどのあたりは興味深く読んだけど。
    美しいけれど、男の人に都合がいい美しさというか、男のナルシシズムを感じた。
    あと、引用文のフォントが変わるのがいや。

  • なんかつまらん…
    2014.6.13

  • 良き方に向かっていければ、、

  • ノルウェイの森の世界かな?
    透明感のある何故か心地よい世界だった。

  • 「号泣するサラリーマン続出!」ってポップが気になって読んでみました。

    若くて綺麗で賢い年下の女の子に翻弄されてドキドキしたり、迫り来る時間のなか、社会的栄光と恋人、どちらかを選ばなくてはならないという苦渋の場面において、手に汗握り共感するというのがサラリーマンなのでしょうか。

    しかし、その選択がすべてを狂わしてしまう。たとえ誰かを傷つけることになっても罪を償うチャンスはちゃんと用意されている、だから人生において正しい選択はないと思うのですが、、 、自分にとってかけがえのない人と出会ったら、絶対離してはいけないと思うのでした。

  • 古都・京都を舞台に美しい流れの中、遡れば…ハーフという国籍の負い目、擦りきれる精神に鬱病の発症、、生い立ち、育ちに苛まれながらも憎まない・恨まない優しすぎる彼女。フォーレの「夢のあとに」と添えられた手紙は健気過ぎて胸がつまる。ラストで月の虹がかかり、本当に良かった♪

  • 人は誰かが思うよりも繊細で脆くて危うい存在。だからこそ誰かの支えが必要なんだと改めて気付かされた。

  • 「二条駅を過ぎ……」という冒頭に惹かれて購入。

    京都が描かれる話はつい手にとってしまう。
    偶然、表紙を向けていたこの本には私自身と偶然の繋がりが幾つもあり、その意味ではまた再読する機会があるだろうと思う。

    静音というきれいな名前の女子大生。
    彼女の父親は韓国人で、彼女自身が籍を選ぶ年齢にきている。
    社会的な面を一つの視点として持ち合わせていて、深刻な空気ではないもののぱらぱらと簡単には読み飛ばせなかった。

    そうした背景とともに、表面上は朗らかにしながらも心を病む彼女の思いは、読んでいて他人事と思えない辛さがある。
    また、彼女を支え「なければいけない」立場である主人公の心理もよく分かる。
    クライマックスは、私個人としてはすんなりと頷ける展開で、ぐっときた。

  • 「月の虹」って言う言葉を、イグアスの滝に夜、かかる虹が出ていた時に、使われていたので、タイトルに惹かれてしまった。

    静音の初対面の印象とは違った心の内面、生い立ち、国籍を知るにつれ、デリケートな内面がありありと伝わってくる。
    圭一自身も、幼いころに経験した不可解な出来事もあることもあってかどうかは分からないけれど。

    図らずして生じたすれ違い、正直さ故に、ありのままを伝えてしまうってことは、悪意ではないのに、時に人を苦しませたりする。

    一瞬の月の虹のように、ちょっとした心のすれ違いや、お互いのおかれた環境で、ぼんやりかすんで見えなくなってしまうこともあるのかもしれない。

    京都弁の響きと京都の景色、音が聴こえてくる本。

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