燃えよ左腕: 江夏豊という人生

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532176402

作品紹介・あらすじ

人一倍遊び、人一倍野球に取り組み、常に逃げずに真っ向真剣勝負。
プロ野球黄金時代、"最強の敵役"としてライバル球団ファンをも魅了した伝説の左腕の苛烈な生き様。

中学では「やんちゃな少年同士の決闘が日常茶飯事」で、高校からは「弱い球団で巨人など強い者を倒すことを生きがい」にし、「三振か四球か」ノーコンでカーブもほうれぬままドラフト1位で阪神入団。契約金は「800万円の札束を見てみたかった」と一括現金でもらい、プロに入ると「勝っては繁華街に繰り出し、毎晩お祭り騒ぎ」「もらったらもらった分使って、人よりいいものを食べ、いい服を着て、いい女性と付き合う。これぞプロ野球選手ではないか」。奪三振記録は「取るなら王(貞治)さんしかない」と実行し、甲子園伝統の一戦、巨人・阪神戦では逃げずに真っ向勝負。縦ジマのエースは"最強の敵役"として巨人ファンをも魅了した。南海移籍後は、野村克也監督に「野球界にいっぺん、革命を起こしてみろよ」と言われ、意気に感じてストッパーに転向、これが広島移籍後にあの「江夏の21球」につながったのか。日本ハム移籍後は、複雑な家庭環境で育ったがゆえに大沢啓二監督に「父」を見て奮闘。最後は大リーグに挑戦し引退。個性派が影を潜め、選手が平均的になってしまった現在の管理野球に苛立ちながら、今も野球解説の現場に立つ――野球のロマンを追い求め、独得の美学をつらぬき通す男の履歴書。

感想・レビュー・書評

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  • 江夏豊の自伝。
    江夏といっても、私くらいの年代の人間でなければ、彼の全盛期のすごさを直接は知らないはずだ。1967年に阪神タイガースに入団、その後、南海ホークス・広島カープ・日本ハムファイターズ・西武ライオンズを経て、1984年限りで引退。引退してからでも、既に30年近くが経過している。
    私は広島カープのファンなので、一番印象に残っているのは江夏の広島時代、特に、ノンフィクションの傑作と言われる山際淳二の「江夏の21球」のもとになった、日本シリーズでの投球は忘れられない。実働18年間、206勝193セーブという素晴らしい実績を誇る。私が見たことがあるサウスポーの中では、最高の選手の1人だと思う。
    本書の発行は日本経済新聞社である。なぜ、野球選手の自伝を日経新聞が?と思われる方もいるかもしれない。日経新聞の最終面に、名物企画の「私の履歴書」という記事がある。執筆者は経済人ばかりではなく、政治家や俳優や、スポーツ選手など、かなり幅広い。江夏は、2017年にその連載を担当していた。1か月の長丁場の連載であったが、私の好きな選手であり、毎朝、日経新聞を読むのを楽しみにしていた記憶がある。
    江夏のイメージは、無頼派・職人というようなものではないか?球界も、今のプロ野球界とは違う環境の中での江夏の活躍物語は、私にとっては非常に楽しい物語であった。

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著者プロフィール

元プロ野球投手、野球評論家
1948年奈良県生まれ。大阪学院大学高校卒業後、66年阪神にドラフト1位で入団し、左腕のエースとして活躍。その後、南海、広島、日本ハム、西武を経て84年に現役引退。プロ通算18年で829試合に登板、206勝158敗193セーブ、奪三振2987、防御率2.49。数々のタイトルに輝き、1シーズン401奪三振は世界記録。

「2018年 『燃えよ左腕 江夏豊という人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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