ビジネスマンのための情報戦入門

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532194390

感想・レビュー・書評

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  • 元自衛官の著者が、主として戦史や政治史事例をベースに軍事的視点でインテリジェンスについて論じている。
    少々軍事用語が登場するため、やや用語の難解なところはあるが、タイトルにある様にビジネスに充分応用できる形になっています。
    特に感銘した点は「戦局眼」。
    オープンソースにしろヒューミントやシギントなど情報収集しても100%はありえないし、形式知にならない情報もある。そんな時は、意思決定者の中のいままでの経験や読書などで得た知識と、実際に意思決定すべき状況との間に"交点"が結ばれると、その人だけに見えるものが生じ、行動できる。
    これが五感もしくは第六感までも駆使した情報収集であり、インテリジェンスがサイエンスだけでなく、アートとの融合である所以。
    なるほど!
    故に、自分なりの「戦局眼」を磨き上げるために、ひたすら乱読しているのかもしれませんね:笑

  • インテリジェンスを制する者はビジネスを制す

  • ■情報(インテリジェンス)というものについて深く考察するというよりは、具体事例から理解するための本。
    ■27の事例を使って情報戦の要諦を説いており、わかりやすい。
    ■情報とビジネスマンを結び付けようとしているが、少し無理があるように感じた。しかし、情報を大切に感じているビジネスマンには興味深い内容。
    ■筆者はフリードリッヒ大王の「丘の向こう側はわからない」、クラウゼヴィッツの「状況の4分の3は霧の中」という言葉をよく引用する。
    ■情報が常に満足に得られることはなく、その状況の中で指揮官は決断をしていくことが求められることを筆者は訴えている。
    ■また、そういう状況でクー・ドゥイユ(戦局眼)が必要とも説いている。
    ■「可能性」(Possibility)と「公算」(Probability)を峻別して考える、というのは目からウロコだった。

  • 1.概要
    「情報を如何に扱い、役立たせるか」という身近で不偏的な問題について
    情報参謀の経歴を持つ筆者が、
    米国参謀大学で教えられる作戦情報(オペレーション・インテリジェンス)の要を体系的に解説している。

    書名に「ビジネスマンのため」という言葉が含まれているものの
    本書の内容は、軍事戦略・軍事史の中での作戦情報理論が殆んどである。

    とはいえ、本書で述べられる概念・技術要素は、
    人類史上の戦争・軍事をもとに、蓄積・実践されてきたノウハウであり、
    実社会で持てはやされているMBAの諸理論等へ多大な影響を与えている。

    軍事というフィルターを通じて、「情報を如何に扱い、役立たせるか」
    という問題について、俯瞰してみることのきっかけとなり、発見があった。

    2.ポイント
    2.1情報:インテリジェンス
    将来時点に決断し、行動を起こすための判断材料
    (インフォメーション→インテリジェンス)

    2.2情報活動サイクル
    情報の要求⇒情報資料の収集⇒情報資料の処理⇒情報の利用

    情報を如何に合理的に目的にあうようにまとめ
    正確に伝達し、有効に活用するか?がポイント

    ①情報の要求
    ドクトリン・概況・方針を踏まえ、
    ⇒何を決断・判断するのか
    ⇒そのために必要な情報の定義
    (相手の動き・時間軸・地域)

    限られた時間・体制予算の中で知恵を使ってポイントを押さえ全体を掴む。

    ②情報資料の収集
    文章・画像・実物等さまざまな分類方法を体系的に列挙している。
    定点観測の有効性や量的解析が不可能な情報として
    情報収集者が実際に現場で感じた「におい」「意思(団結・士気)」
    要素の重要性も挙げている。

    ③情報資料の処理
    受付⇒選別⇒評価修正⇒判定⇒情報
    評価付け(信頼性・正確性)

    ④情報の使用
    情報は情報を使う能力のある人に伝える。
    階層別に、質量を調整すること、
    事前のブリーフィングも重要

    2.3その他
    技術的な要素の重要性もさることながら
    情報を活用する実世界に対する国際政治・歴史・心理等
    総合的な認識の重要性を強調している。

    情報活動自体も実世界の中にあることを認識しなければ
    情報は有効に活用されない

    3.感想
    情報収集&行動という両輪のうちの、情報収集の部分に焦点を
    当て体系的に俯瞰できた。

    本書はいわゆるピラミッド構造の軍隊組織を前提としていて
    ピンとこない部分もある。とはいえ、多くの要素が情報を収集し、活動する各種組織体等(企業・団体)に対しても個別要素はあてはめて
    考えることで、再考するきっかけとなる。

    実際に繰り広げられてきた国際政治・軍事でのエピソードから
    情報を扱う現場の情報マンの息遣いを感じることで、現場の感覚に対する
    情報を読み取り活かすための感性を新たに磨くきっかけとなる。

  • ちょっと、難しい・・。
    数年後またチャレンジしたい。今はピンと来ない。

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