名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532194499

感想・レビュー・書評

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  • この本はもう、本当に好き。
    本来解説のために読むのだと思うけれど、解説のための広告コピーが、どれも良い。
    アシックス創業者のコピーは素晴らしい、の一言に尽きる。
    紙媒体しかないのが、悔やまれる。

  • 広告のコピーを題材にしてどのような文章がいい文章なのかを考える書です。

    気になったのは、以下です

    ・文章は書くものではない 読んでもらうものである

    ・目的を果たしてこそ、言葉です

    ・いい文章ほど書くのは簡単ではありません 難儀なことに、書くこと以上に難しいことがありまして、それは読んでもらうことです

    ・書いたものは最後まで読んでもらえるように工夫して書かなければなりません

    ・書き上手になろうと思うな 聞き上手になれ

    ・何かを始めたらトコトンやらなければ気がすまなかった

    ・人と同じことを思い、人と違うことを考えよ

    ・読んでもらうためにはどのくらいの分量が適切かを決めなければなりません。少なすぎては説明がたりない、多すぎてはめんどくささを感じさせ、読んでもらえない

    ・話の中身を整理する、文章を整理する

    ・デザインの一工夫は読んでもらいたいという気持ちの表れです 読む人へのサービス精神の表れです


    目次

    はじめに 文章への入口
    第1部 話の中身
    第2部 表現の方法
    第3部 話の見つけ方
    第4部 発想の方法
    第5部 基本は説明力
    第6部 勉強の方法

    ISBN:9784532194499
    出版社:日本経済新聞出版社
    判型:文庫
    ページ数:256ページ
    定価:667円(本体)
    発売日:2008年07月01日

  • フランスの詩人アンドレ・ブルトンがニューヨークに住んでいたとき、いつも通る街角に黒メガネの物乞いがいて、首に下げた札には
       私は目が見えません
    と書いてありました。
    彼の前には施し用のアルミのお椀が置いてあるのですが、通行人はみんな素通り、お椀にコインはいつもほとんど入っていません。ある日、ブルトンはその下げ札の言葉を変えてみたらどうか、と話しかけました。物乞いは「旦那のご随意に」。ブルトンは新しい言葉を書きました。
    それからというもの、お椀にコインの雨が降りそそぎ、通行人たちは同情の言葉をかけていくようになりました。物乞いにもコインの音や優しい声が聞こえます。数日後、物乞いは「旦那、なんと書いてくださったのですか」。
    下げ札にはこう書いてあったそうです。
       春はまもなくやってきます。
       でも、私はそれを見ることができません

    何か〝じ~ん〟ときますね。
    この話だけ読んでも、充分元は取れる!と思える一冊ですが、この本は、そんな〝じ~ん〟とくる広告コピーの秘密に迫った一冊です。たった数行の文章に命を宿らせるには、ほんの少しの言い方の工夫だったり、度重なる推敲が隠されていました。今までそんな細かいディテールにまで気を使ったことのなかった自分には結構、衝撃的。今まで何となく通り過ぎていた広告コピーにほんの少しだけ目を向けるようになりました。

  •  最初小説に出てくる文章のことだと思っていたが、このかたはコピーライターであってその作品の文章表現のしかたを説明している。この作業は「詩」や「短歌」「俳句」を作る作業に似ているような気がする。言葉を削って不必要で無駄な言葉をどんどん削っていく。そして新たな言葉やフレーズを加えて想像を掻き立てる。その言葉やフレーズがそのこととは直接には関係なさそうなものを使って深淵な奥深さを醸し出していく。「詩」は言葉で沈黙を作っているがキャッチコピーは文章でイメージをつくっているってことなんだと理解した。

  • 中身を見ずにAmazonにて購入。封をあけ、何気に栞がはさんであるページを見て、衝撃を受けた。「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい」それはペットフードの広告ではあるが、あえて犬を飼っていない人へのメッセージになっていた。しかし、コピーの全文を読んでわかった。それは犬を飼っている人の心をつかむものだった。
    涙が出てきた。老犬になろうとしている我が家の愛犬。いつかくるその別れの日を恐がっていてはダメなのだ…と。「犬たちはあなたを悲しませるためにやっては来ない。あなたを微笑ませるためだけにやってくるのだと。」
    まさに”名作”。人の心をつかむ文章に理屈やテクニックは必要ない。物事の”本質”を”上質な文章”であらわすことだ。

  • 文章は読んでもらうためのもの。
    作業に追われると、こういった原則を忘れてしまいがち。
    読み手がいるから、書き手がいて、読み手が読みたくなる文章を書く必要がある。読み手が喜ぶ土産話などつけてあげる。読んでもらえるように気持ちを込めて書き上げる。私たちは天才ではないから、何度も何度も書き直して、言葉を紡いで行く。

    訳が難しい。地球温暖化を例にあげているけど、A Grobal warmingは警告の意味を含んでいるけど、温暖化っていう日本語はほのぼの感がある。訳によって捉え方が変わってきてしまう点が、日本人と世界の温度感の違いなんだろうなって。

  • アシックスのコピーはなかなか泣ける名文。そういう文章が書けるといいなと思ってましたがそれを産み出すエネルギーは莫大に必要なんだなぁと納得しました。この本ですぐ書けるようにはならないですが、数々の名文に出会えるだけでも充分にこの本の価値はあります。

  • 「文章は書くものではない
    読んでもらうものである」

    この本の冒頭の言葉です。
    伝えたい!という内容と衝動がないと何事も始まらないけど。
    読んでくれた人がトクしたり、納得したり、ワクワク☆ドキドキしたりしないと商品とはいえないですよね。
    商品にできる、言葉を編んでいきたい!

  • コピーの中身のことを丁寧に語っている本で、これに並ぶものはなかなかないと思います。

    とくに、冒頭に引用されて出てくる、盲目の物乞いの話。

    すでに、はじめのここで、この本の内容のすべてが言い表されている気がしてます。

    言いたい事をするどく、突き詰めて、一言で語れるこの力こそが、コピーライターのスキルということなのですよね。

  • もともと広告が好きだったのと、もしかして履歴書とかに役立つかなと思って購入。

    コピーとそのコピーに対する解説がメインですが、コピーライティングだけでなく、日常の些細な文章を書く際の心遣いも学べます。もちろん、コピーライターの発想法も!

    たぶん著者の話はコピーライター養成講座で聞いたことがあるなぁと思い出しました(落第生でした、っていうか本当に卒業できなかった…)。割と意識して広告は見ているけれど、なぜいいかととことん考えることがやっぱりこの人のすごいところなのでしょう。
    私も毎日適切な言葉を探して迷ってばかりです。

    CERCA TROVA!
    (探せ、さらば見つからん)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「毎日適切な言葉を探して迷ってばかりです」
      頭が下がります。
      手を入れたら、少しはマシになる筈なのですが、時間に追われて、、、クドいか足りな...
      「毎日適切な言葉を探して迷ってばかりです」
      頭が下がります。
      手を入れたら、少しはマシになる筈なのですが、時間に追われて、、、クドいか足りないか。日頃から感性磨いてパっと適切な言葉が出てくるようにしたいです。
      その前に誤変換、タイプミスを無くさなきゃ(恥)
      2012/07/09
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著者プロフィール

鈴木 康之/株式会社ドローアウト代表取締役、日本人事株式会社(経営を学ぶ学校)専任講師、EEIノンバーバルコミュニケーション コミュニケーター、株式会社アーカス・インズ(印象力アカデミー)主席講師、株式会社リアライズ「質問型営業(R)」コンサルタント。経営・社内組織・リーダーシップ・セルフマネジメント・営業等の分野で必要とされるコミュニケーション理論と実践に関する研修を、沖縄を中心に全国企業に展開している。

「2020年 『学校では教えてくれなかった コミュニケーションの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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