つまりこういうことだ!ブランドの授業

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.33
  • (5)
  • (8)
  • (18)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 109
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532194680

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • おちまさとさんの『企画の教科書』、神田昌典さんの『感情マーケティング』に匹敵するビジネス本の良書。ブランドとは何か、その考え方と本質が、事例とともにわかりやすく紹介されており、短時間で手軽に読める内容。読んだ直後から、自分の仕事に置き換えて考えることができるのも、素晴らしい。
    まちづくりにおいても、地域ブランドの本は大手広告代理店のものを含め数多くあるが、何となくわかった気になる本を読むより、遥かに役立つと思います。

  • パッケージの考え方は同意できる部分が多々あった。同著のブランド・マインドセットも読了してより理解を深めたい。

  • ブランドについて真剣に考えます。
    わかりやすい

    以下レバレッジメモ

    ブランドは約束します
    ブランドのもう一つの特性は「ブランドは約束である」ということです。
    -約束ですか。
    そうです「○○(ブランドの名前)って△△だよね」の「△△」にあたる部分が約束です。例えば私のお気に入りの駅前のラーメン屋さんはワンタンメンがウリです。このラーメン屋さんを思い浮かべる時ワンタンメンがおいしいよねというふうに心に浮かびます。あるいはシュークリームが売りのケーキ屋さんなどもあります。
    -約束とは売りのことなんですね
    いつも同じ売りが保証されていることが大事です。いつ行ってもおなじみのおいしさ、変わらない味が保証ですよね。そしてこのことは、食べ物屋さんに限りません。アパレルブランドで「いつも時代の先端を行く独自のかっこよさ」を売りにしている場合には、たとえTシャツ1枚であってもそのブランドのらしさがあればブランドの約束が守られていることになります。
    商品設計のためにはまず最初にこの商品で世の中に提案したい価値をしっかり決めることが必要になります。そしてそのことは、第1項でもお話しした旗を立てることにつながります。
    -では商品がサービスの場合のブランドゾーンについても教えてください
    いい質問です、本当に今日は絶好調ですね。ここに2人の弁護士さんがいます。A先生は優秀だけど依頼人に対してはそっけなく、必要最低限の受け答えしかしません。口調はあくまで冷静。メールの文面もそっけない。大してB先生は親身になって依頼人の話を聞き相手が納得するまで時間をかけて話し込みます。料金システムは時間制で請求となっていますが、機械的に時間通りに請求することはありません。相手が理解できないのは説明する側にも責任があるというのがB先生の言い分です。さてA先生、B先生それぞれをブランドとした場合、どちらの先生が依頼人の信頼を手に入れることができるでしょうか。
    ブランドの優越を決めたのは機能ゾーンではなくブランドゾーンです。
    価値とはなんですか?
    自分はこの商品で何を世の中に訴えたいかという思いです。その思いですが世の中に訴える時にはわかりやすい、人に理解されやすいメッセージにする必要がありますね。自分の頭の中でぼんやり考えているだけでは自分以外の人にはわからない。メッセージにして伝わるようにした中身を勝ちと呼びます。
    あと一歩です。いろいろ検討した結果カレー屋を始めると決めた。しかしまだこの段階ではカレー屋は勝ちではありません。そもそもなぜあなたがカレー屋をやろうとしたかというとうまいカレーを食べさせる店がこの近所にないなあがきっかけだとします。しかも、自分にはだれにも負けないうまいカレーを作る自信がある。こういった思いを世の中に発信するメッセージに仕立て上げます。インド人もびっくりするくらいのとびきりおいしいカレーを商店街に来たお客さんに食べてもらう。これが勝ちです。
    原始的な熱情
    ブランド像増に一番大切なものは何か。それは原始的な力を持って熱い情熱ではないかと思います。ブランドの構成要素に沿って一つ一つまるでブロックを組み立てるようにしていくテクニカルなプロセスも大切ですが、読者の皆さんには是非「好きで好きでたまらない」という好きのオーラを持っていただきたいと願います。そしてその隙のオーラは頭脳から出るのではなく、腹の底から湧き上がってくるような原始的な力、論理を超えた原初のパッションで燃やしてください。めらめらとして強火の火種。
    なぜこんなことをいうかというと、ビジネスの現場で熱く燃えるという場面が少なくなってしまったのではないか、と思うからです。高学歴社会なのでテクニカルなプロセスを追うことはみんなとても得意です。「こうするとこうなる」という事前予測もきっと昭和の高度成長期よりも優れているかもしれません。しかし昔にあって今にないものそれはバカな一途、やみつき、思い込んだら命がけという強火です。
    ネーミングの極意は「ずばり」「響け」「刺され」です。ずばり価値を言いえていること、耳に心地よく響くこと、記憶に残っていつまでも心に刺さっていること。
    価格(プライシングの3段階とは)
    ステップ1:宣言する
    価格は、ブランドが自分のトンガリを世界に向けてする宣言です

    ステップ2:責任を持つ
    宣言したからには、価格通り、いやそれ以上の価値を提供するという責任を負います。プライシングが100円だとすれば100円の責任というものがあります。それを背負い、果たす覚悟が必要です。

    ステップ3:自分が納得する
    そして最後自分が宣言と責任のバランスに納得できるかどうかです納得できなければ作り直す(モノ)、やり直す(サービス)くらいの志は持ってほしいものです。

  • ブランドとは旗を立てること。

    会社の理念、パッケージ、人などあらゆるものでこうせいされ、その根幹と成るものは、自分達は何者なのかを定義すること。

    すなわち、何を捨てて、何を絞り込むかが重要!

    自分ブランドにもつながり、自分は何を売りに行くのか、何が好きなのかを見極める。
    ただし、現時点では、まず土台となる広告全般の知識が足りていないのでそこを身につけることも、必要。

    ブランドを成長持続させるにも常に、回りの情報を収集し環境変化を捉える事が必要。秘伝のスープ、昔から変わらない味も、実はその時々の時流に合わせて少しずつ変化させている!

  • 「もっと早く受けてみたかった「ブランドの授業」」を読んでいたので(セミナーを受けた時に一緒に使ったテキスト)、この本は意識して読んでいなかったのですが、改めて読む機会を得て、なるほどと思うことが多かったです。以前も読んで知っていたと思うけど、見えているけど見えていないものがありますが、読書百遍とはよく言ったもので繰り返して読まないと私のような凡人には頭に入って行かないとよくわかりました。さらに、きちんと実行できるかどうかはさらに難しいでしょうけど。

  • ブランドという概念を知るのに私が知る限り最良の入門書。『ブランド・マインドセット』と併せて読めばなお良い。

  • 3/133

  • ブランドに関する入門書。
    講師と生徒の対話形式で書かれているので頭に入りやすい。
    ブランドとは、商品の価値を飛び越えて顧客の心に残るもの、だと認識した。

    個人的に心に残ったのは、「絞込み」と、「営業」

    「絞込み」:
    極端に言うと、多用な商品を扱う店よりも、一つの商品に専念した店のほうが印象に残りやすいということである。
    これは本書で例示されていた、「ラーメンもうどんも蕎麦もオムライスもなんでもある店と、マダガスカル料理専門店なら、どちらが『おっ』と思いますか?」という質問が直感的に理解しやすかった。
    つまり、企業は、事業や売り出す商品に、「選択と集中」を取り入れることでブランドイメージを高められる。
    同様に、広告にも絞込みが必要。短時間にたくさんの情報を詰め込むと、顧客は理解できない。シンプルなメッセージを。

    「営業」:
    著者は営業する人もブランドの一種だと述べる。
    高級ブランドを主張するなら、身だしなみ、言葉遣い、礼儀作法など、ディテールにこだわりが必要。
    特に、「モノだけを売ればよいのではなく、モノを買ってもらうことでどんな価値を提供したいのか」を常々考えられる営業は、顧客に親身になることができ、好かれる。営業マンの姿勢でブランドイメージが形成されるといっても過言ではない、この意見には納得である。


    印象に残った2点のみを述べたが、学べる部分はたくさんあった。

    ブランドというのは個人にも当てはまるものだとも思えた。
    ・個人にも「選択と集中」を。浅く幅広い知識よりも、一つに特化した深い知識を身に着けることで他人と差別化した価値を身に着けること。
    ・ただ漫然と仕事をすればよいのではなく、自分は社会に対してどのような価値を提供したいか。この姿勢を貫くことで自己をブランド化。

    個人的な考察はこんなところでしょうか。

  •  良本です!ブランドって何よ?ブランドって必要なの??って「ブランド」を全く知らない人が、「ブランド」なるものを、ハードカバーの本1冊読むよりも、?短時間で、?分かりやすく、?安く、理解できます!!

     内容としては、
    1. ブランドとは何か?
    2. ブランドの構成要素
    3. ブランドづくりの実際(1) 「価値」を創る
    4. ブランドづくりの実際(2) 「とんがらせる」
    5. ブランドづくりの実際(3) 「とんがり」を魅せる-1価格(プライシング)
    6. ブランドづくりの実際(4) 「とんがり」を魅せる-2パッケージ
    7. ブランドづくりの実際(5) 「とんがり」を魅せる-3広告
    8. 営業なくしてブランドなし
    9. 失敗を知識化して継承し、未来に生かす
    10.スローなブランドを創ろう

    といった章作り。会話で(インタビュー形式で)書かれていて、非常にとっつきやすい。そして、これで680円はお得すぎる。

     『広告心理』(電通)を読むのが辛い方はこれを導入にしては??

  • ブランドについて分かりやすく解説している。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

経営コンサルタント。ブランド・クリエイター。1958年生まれ。大阪大学人間科学部卒業。旭化成で建材営業に従事したのち、2000年4月に独立・渡米し、ニューヨークで経営コンサルティング会社Palmtree Inc.(現JOYWOW)を設立。現場感覚、消費者目線でのブランド戦略を得意とする。ビジョンは「世界にJOY(喜び)とWOW(感動)をもっと広げたい! 」。

「2017年 『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阪本啓一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×