バブル入社組の憂鬱 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263416

作品紹介・あらすじ

☆日本企業の最後の大量採用世代、「バブル入社組」も、はや50代に差し掛かり、人生の岐路に立っている。根っから楽観的と評される彼らは、多くの企業でどのように見られているのか。就職氷河期世代との対立、役職不足、保証されない将来……。バブル世代が置かれた現状と将来について、豊富な事例から人材コンサルタントが鋭く分析する。

☆大企業では、業種によってバラつきはあるが、実に社員の5人に1人は「バブル入社組」が占める、と言われている。会社の大きな人材の塊と言われているが、他の世代からは、「根拠なく楽観的」「ポータブル・スキルが欠けている」「分析的ではない」などと言われ、手堅い意識を持つ、すぐ下の「氷河期世代」と鋭く対立することも。

☆そんなバブル世代が、今後も戦力となって会社に貢献し、生き残りを図るには、弱点ともとらえられる「根拠なき楽観」を武器にすればよいのではないか。自身もバブル世代の真ん中である人材コンサルタントの著者が、さまざまな業種の多くの企業、さらに同世代の声なども織り交ぜながら語る、まったく新しいバブル世代論。

感想・レビュー・書評

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  • 「1世代上は、何であんな感じなんだろう?」がそこそこわかった気がする。経験が違うのだ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/690009

  • カテゴライズされている「世代」に自分を当てはめてみたけれど、どうにも同世代とは似ていなくて、それより後の世代と考え方が似ているように感じる。過去を思い出してみると、働くうえでのやりづらさはそういうところにあったのかもしれない。世の中、気持ちの余裕が減ってきているという指摘はたしかにそうなのかもしれないと感じる。「サザエさん」の波平さんがアニメだと54歳の設定というのには驚き。54歳で和服着たり「ばっかもん」って言ったりするかな。時代が違うのか。ちなみにアニメ版のフネさんは52歳とのこと。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    序章 バブル入社組の現在/第1章 「こんなはずでは…」の矛先/第2章 バブル入社組の評判/第3章 人数は多いが、役職は減っていく/第4章 世代には特有の共通点がある/第5章 「バブル」対「氷河期」の構造/第6章 バブル入社組の強みと弱み/第7章 「根拠なき自信」がバブル世代を救う!?

  • 1985年のプラザ合意に端を発する急激な円高と、不動産や株式の高騰によって日本中が躍ったバブル景気。その1987~1991年に就職した「バブル入社組」は今や50歳を超え、組織の中で岐路に立たされている。バブルの崩壊以後、ずっと先の見えない状況の中で、大量採用によって既にポストの数を圧倒的に上回ってしまった彼らは「担当課長」「専任課長」「プロジェクト課長」などというバブリーな役職を与えられ、昇格はしても「昇進」は出来ないという境遇に追いやられている。自身もバブル入社世代という人事・組織コンサルタントの相原氏が、成果主義とかいう名の元に推し進められたコスト削減やリストラの被害に遭って、「会社に裏切られた」とか「話が違う」などと嘆いているバブル入社組の生態を分析し、彼らが生きる道を模索する。

  • バブル世代の「生態」を描くのに、団塊世代、氷河期世代(ロスジェネ世代)、ゆとり世代との、それぞれの特徴を大まかに抜き出し、比較しているところがわかりやすい。
    働かないおじさんなのに、給料が高い人を、周りが変えることができないのは、確かに辛いね。
    ダイバシティとして、役職定年のおじさんの取り扱いが重要との指摘には、苦笑いしつつ納得。

  • タイトルだけを見ると、バブル世代の悪いところを面白おかしく指摘しているような本に見えた。だが実際は著者自身がバブル世代であり、50代からの最後の会社生活10年間を、いかに前向きに生きていくかを励ましとともに説いている。
    「団塊」「新人類」「バブル」「氷河期」「ゆとり」というそれぞれの世代の特徴の説明には納得感があった。
    下の世代に向け、「バブル」世代としてどういう生き方を示し、残せるか。けっこう、新しい見方と元気をもらえました。

  • バブル入社組と同年代の組織コンサルタントが、バブル入社組について書いた本。
    学術的調査、分析に基づいているわけではなく、主観的に感じていること、言われていること、雑誌などによる浅い調査による記述が目立つ。著者自身がバブル入社組としての愚痴を言っているように感じられ、得るものはほとんどなかった。内容は薄い。
    「バブル入社組はいま、会社内での評判がすこぶる悪い。グーグルで「バブル入社組」「バブル世代」と入力すると、検索語の予測で同時に「使えない」や「無能」などと出ることからも、そのことは伺い知れる」p3
    「身を削るような就職活動をくぐり抜けて会社に入ってみると、そこには、大した能力もないくせに、ただ売り手市場だったというだけで大量採用された危機感なき社員たちが、中間管理職となって幅をきかせていたのだ」p4
    「ただ好景気だったというだけで大量に採用され、禄は喰むが能力はないお荷物世代だ」p4
    「サザエさんの波平は54歳、フネさんは52歳」p63

  • バブル入社組について少しだけ分かった気がする。
    しかし、氷河期世代やその後のゆとり世代について好き勝手書いているが、「入社した時とその数年だけ幸せだったと」と書いているが、入社する時点で恵まれない後年の世代からすれば実にお気楽なもんだなぁと思った。

  • 私事ですが、平成元年に学校を卒業して社会人になりました。入社した年の年末に日経平均が最高値を記録したことを明確に覚えております、バブル入社組の典型になると思います。そんな私なので、この本のタイトルに目が留まり、気づいたら本屋さんでお会計を済ましておりました。

    この本にはバブル時代を生きてきた人ならわかる内容があり共感できる部分が多くありました。世代間の交流について、ある年齢層とは付き合いやすいな、と感じたことがありましたが、この本にも同じようなことが書かれていました。

    新入社員との付き合いかたに悩んでいる人、また年上の人と付き合うのに苦労している人、この本でその解決法のヒントが見つかるかもしれませんよ。

    以下は気になったポイントです。

    ・銀行が土曜日の窓口業務を中止したのは、1989年2月から、国家公務員の完全週休二日制を実施したのは1992年5月からである(p9)

    ・子供社員と、本来のあるべき「おとな社員」を見分ける一番大きな要素は、自分志向か他人指向かである(p40)

    ・サザエさんの連載が始まったのは昭和21年だが、このころの平均寿命は男女とも50歳代であった、男性の平均年齢が60歳を超えたのは1951年、当時の定年が55歳だから、引退後少しゆっくりするとお迎えがくるといいうイメージ(p63)

    ・20,30代は我慢して貢献度よりも低い給料で頑張ってきたにも関わらず、貢献度よりも多くもらえるはずの年齢になってみると制度が変わって、その時点での貢献度に見合う給料しかもらえないのは「話が違う」と言いたい。50代になると役職から強制的に外され、給料も下がる。年齢ではなく成果ではなかったのかと言いたくなる(p82)

    ・役職定年後に新しい職場と役割に適応し、貢献していくためには、あきらめるべき3つ、肩書き・権力・給料である(p92)

    ・何等かの時代的共通体験が、その世代に属する人々を特徴づける、若年期(10代から20代)にかけて遭遇した歴史的出来事や政治文化という共通体験によるところが大きい(p96)

    ・バブルが崩壊した1990-1997年にかけて、地価・株価の大幅な下落が続き、土地と株式の資産評価額は1300兆円も下落した、2004年のGDPの2.5倍(p106)

    ・バブル崩壊前が空前の売り手市場(就職難は1993年4月から)であった、たった1年の違いが大きく明暗を分けた(p107)

    ・契約は資料だけで決まるほど営業は甘くない、契約が決まるかどうかは品質やコストだけではなく、信頼関係が重要である(p151)

    ・入社数年という時期に身についた考え方なり、行動様式というものは、職業人生を通して色濃く残り、根本的な違いにはなかなか馴染みづらい(p155)

    ・バブル入社組の特徴点として、1)コミュニケーション能力が高い、2)根拠なき自信あり、3)会社への依存心強い、4)見栄を張りたがる、この特徴がプラスに働くかマイナスに働くかで、50代以降の職業人生をうまく過ごせるかどうかが決まる(p165、170)

    ・レジリエンス:逆境力、回復力が注目されるのは、競争社会、ストレス社会、孤立社会であるから、レジリエンスを構成する要素として、感情コントロール・自尊感情・自己効力感・楽観性・人間関係、がある(p195、196)

    ・50代にもなると、業界知識やPCスキルは陳腐化するだろう、しかし、関係構築力や巻き込み力、本質思考や情報共有力、俯瞰力、バランス感覚等は陳腐化することは無い(p204)

    2018年3月4日作成

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著者プロフィール

人事・組織コンサルタント。株式会社HRアドバンテージ代表取締役社長。早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。
マーサージャパン株式会社代表取締役副社長を経て現職。人材の評価・選抜・育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする。
主な著書に、『会社人生は「評判」で決まる』『ハイパフォーマー 彼らの法則』『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』などがある。

「2021年 『職場の「感情」論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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