他人をバカにしたがる男たち 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263485

作品紹介・あらすじ

★「コンビニや駅で店員相手にキレる」「ネット上で罵詈雑言」など、本来“いい大人"であるはずの中高年男性の醜い行動が話題になりました。なぜ、彼らは弱者を見つけて叩かずにはいられないのか。本書ではこのような、ちょっと気になる男性たちの行動を皮切りとして、「地位や出身校で他人を判断する」など見下し行動をとるのはなぜなのかを分析していきます。



★著者によれば、こうした大人たちは、保身を何より大切にし、自分の立場だけではなく自尊心を守りたがり、そのために他人をバカにする傾向があるといいます。また、企業社会の中で、このような大人になってしまうことを“ジジイ化"と呼び、保身を重視するあまりに“変化"や“新たな価値観の台頭"を嫌う「ジジイの壁」が日本の企業社会を劣化させているのではないかと分析しています。



★著者は「日経ビジネスオンライン」でも人気長期連載「新・リーダー術 上司と部下の力学」を長期連載しています。
本企画は1000人以上の働く男女のフィールドワークから得られた豊富なエピソードをもとにして、当事者である中高年男性、働く女性、主婦の方にも幅広く楽しめる読み物として仕上げます。

感想・レビュー・書評

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  • SOCが大切、という一冊。SOCとはSence Of Coherenceで、直訳すれば「首尾一貫感覚」で平たく言うと「人生のつじつまを合わせ、困難をやる気に変える力」とのこと。「本物のSOC」と「フェイクSOC」の違いに司馬遼太郎の言葉を引用しながら、
    「絶好調のときほどちょっとだけ立ち止まり、自分を支えてくれた人を思い出して感謝し、社会的に評価されているときほど、「自己中心になっていないか?」と自省し、謙虚なまなざしで、他人を思いやる訓練を忘れちゃいけないのです。」
    と語る。

    ジジイを批判し、男批判が多いけど、ジジイは女性の中にも潜むとする。
    「なぜ女性は会議が下手なのか」の話が興味深かった。根回しは悪弊ではなくコミュニケーション。会議だけでなく「会議以外の時間」が大事で、「みんなの力を借りて頑張る」こと。

    自己啓発に勤しみ、それアドラーだ、それニーチェだ、目的をもって強く生きよう、嫌われる勇気を持とう、とオジさん批判をするところは『嫌われる勇気』を皮肉ってて笑った。

  • タイトルをキャッチーにしすぎた感があるが、とてもいい話だった。耳がいたい、時々こういう話を聞いて思い出さないといけない。
    soc 首尾一貫感覚 人生のつじつまあわせができる力
    が未だにピンときてないが、前の本では理解してたみたい、要再読

  • 老害と肩書を重視し他人をバカにするジジイの心理が分かりやすく表現されており、とても楽しく軽快に読み進めることができました。
    SOCに関しての記述が多く、SOCを高めていくのがジジイ化しないコツなのはわかりましたが、ジジイへの対処が明確に入ってこなかった。
    河合薫さんの書籍はまた読んでみたいと思う

  • この本でいうジジイはこれまでの勤め人生活の中で会わなかったような気もするが,近い上司がいたような気もする。
    SOC: Sense Of Coherenceが大切ということ。守備一貫感覚が大切なんだそうだ。

    Coherenceからはコヒーレント光を連想してしまう理系頭がトホホである。

    プレジデントOnlineのおすすめ記事でこの本を知って図書館から借用

  • 世の中が、社会が、考え方が変化していく。圧倒的な技術革新の影に隠れて。しかも、その振れ幅が大きく、想定を超えることが少なくない。このとき、どのように自分を守るのでしょうか? きっと、”守る”という意識そのものが時代遅れになっているのかもしれない。

    自分の居場所。きっと、本書で語る「ジジイ」には、成功体験がその根本にあるような気がする。「こうするべき」「こうあるべき」…、と。そして、成功体験は単に時代の賜物、組織の賜物、日本の社会構造の賜物であることを忘れてしまったのかもしれない。彼らにも苦労した頃はあっただろうに。生まれてからずっと「ジジイ」ではなかったと思うし。

    SOCの重要性を語る部分は少しややこしいかな。現状を自分が成長することで乗り越える、っていう理解でいいのでしょうか。獲得した「力」や「ノウハウ」を振り回して過ごすのではなく。

    読者の対象が、上場企業の役員という「ジジイ」なのでしょうか。ピンとこない部分も多いけど、威張ってみても、指示してみても、きっと、社会に、若者に取り残されるのは、時間の問題なのに、と感じる。

  • 我が子の通う学校へ、たまに様子を覗きに行くと。
    できない子を少しできる子が揶揄する場面によく出くわします。
    できるんだから教えてあげてー!って思うんですがドヤァって顔してどこかへ行ってしまう。
    なんでなのー?ってヒントになると思って読みました。
    なるほど。ちょっとの信頼関係。
    どうやって誰と信頼関係を築いてく?っことがたくさんの文献からも引用されていて読みやすくわかりやすかったです。
    とりあえず、我が子へは「あなたはわたしの大切な人です」と日頃から伝えていきます。

  • 他人と対峙する時に、
    仕事の取引で立場上「絶対に自分には逆らわない」
    と分かっている時。
    通常の生活においても関係性の観点から
    「絶対に自分には居丈高」に
    なってこないと分かっている時。

    そんな時に「上から目線」で取引先、駅員、
    店員などに怒鳴る人がいます。
    しかも最近増えているような気がします。

    そんな人たちがなぜ存在しているのか。なぜ生まれてくるのか。
    簡単に言ってしまうと、そういう人たちは「今の自分」しか見ていないから。
    どんな人だって最初はペーペーだった時代もあったはずなのに、
    そんなことは忘却の彼方で、今の自分と他者との関係性しか見ていないから。

    「俺にもそんな頃があったなあ」と思えれば、他者に寛容になれるはず。
    下積みを忘れたオヤジに送る一冊です。

  • 略語が多いかな。SOC:頑張って訳して欲しかったです。

  • とりあえずSOCを高めればい、いわゆるジジイ=典型的な老害にならずに、それなりの人生を送ることができるのだろう。

    たしかに、筆者が指摘するようなジジイがたくさんいる。

  • むやみに定年や加齢におびえたり
    収入や地位の喪失を恐れるよりも
    最後に充足した気持ちで人生を送るには
    どう心構えるのか
    という 面白いことを考察しています
    今の自分が認められてないとか
    今の自分の立ち位置にもやもやするなぁ
    と思った時に読み返したい本です

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著者プロフィール

健康社会学者(Ph.D.)、気象予報士
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。

「2020年 『コロナショックと昭和おじさん社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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