経済の不都合な話 日経プレミアシリーズ

  • 日本経済新聞出版
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本棚登録 : 93
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263676

作品紹介・あらすじ

大胆な業態転換で顧客を「捨てた」企業は生き残り、顧客の大切にしすぎる会社は潰れてしまう。通販会社の実態は金融業で、いったい「本業」って何? 経済学は物理学などにあこがれ、机上の空論になっていないか。「人間はAIにできないことをやれ」という「理想論」が見逃していること……。

経済・ビジネスをめぐる言説には「きれいごと」「建前の話」が多すぎて、私たちの本質を見る目を濁らせていないか。誰もが薄々感じながら、なかなか言い出せなかった「不都合な真実」を多くの研究などからひもとく知的興奮の書。

感想・レビュー・書評

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  • 経済学の基本である合理性が根本的に疑うべき時代に突入していることを指摘されていますが、哲学や経済の歴史も学べました。

  • 非常にわかりやすく読みやすく、最後まで面白く読み切れる。様々な事例とともに、人間の心理、理性と感情の関係などを書き記してあり、非常に興味深かった。

  • 人間は、経済的レベルがある程度以上で、自分だけ損をしていると言う不公平感が少ないときには理性的でいられる。会社は継続しなく官僚を考えてはいけないという考えから、顧客を捨てて変身する企業。金融業を始めると、本業が馬鹿らしくなる位、利益率が高い。
    なぜか経済学だけは、自然科学と同じように一般的に通用する法則を作ることができると考えている。自分たちが作った理論に、民衆が従うはずだと考えているようにも見える。例えば最近の金融政策等はそのいい例だ。
    もともとノーベル賞は物理学、化学、生理学、医学、文学、平和と5部門しか指定されていなかった。経済学賞はスウェーデンの中央銀行が、元のノーベル賞よりも73年遅れて創設した。賞金は他の部門とは違い、ノーベル財団ではなく銀行が出している。経済学理論は、物理学や科学とは異なり、絶対的に正しいと思わない。だがその影響力は国の政策にまで及ぶ。ノーベル賞をもらったのだから正しいだろうと政治家や官僚が考え、その理論を自国の政策に採用する。だからノーベル経済学賞を創設するべきではない。とハイエクは言った。
    「パスカルの賭け」神が存在する確率がどんなに低くても、神の存在にかけることが1番確実だ。

  • 文化放送
    「村上信五くんと経済クン」
    ゲスト ルディー和子さん
    (2018年11月3日放送)

  • ★2.5(3.09)2018年7月発行。本屋で立ち読みした時は、すごく面白そうに見えたが、実際読んでみると結構固い話で経済学、特に行動経済学に興味がないと読んでもつまらないかもですね。 感情が理性より優位に立つ現代において、経営者や起業は、「世界観」と「共感」がキーワードになるというのは、納得です。ノーベル経済学賞が1968年に創設されたとは知りませんでしたが、確かに他の自然科学のノーベル賞とは異なり、それが今後の医学や科学の発展に活かされるのではなく、あくまで過去を分析した結果の権威でしかないですね。

  • 「企業を存続させようと頑張るのはただの空回り」
    「価格で価値が決まるわけではなく、価格はただの価値の一部分である」
    「人は、経済的に合理的な行動を選ばない」
    という、経済学の教科書に真っ向から反していく主張でした。

    三番目の主張は昔からの伝統ある経済学に対する批判らしく、経済学者の本を読むとこの批判に対する持論が書いてあったりして、面白いです。

    ただ個人的にはこの著者が言うほど人は不合理な経済活動をしていないとは思いますが、論としては概ね納得できるものでした。

  • 中身と題名がちょっとズレているような?売るためにつけた刺激的な題名という感じ

  • 東2法経図・6F開架 B1/9/367/K

  • 決めつけや論理の飛躍があって、読む気が失せた。

  •  帯に「社長と経済学者は、読まないでください。(中略)要注意!」とあるが、まったくその通りの本。社長や経済学者のみならず誰が読んでも、全く意味がないし、役に立たない。
     バイアスにまみれていることに注意喚起を促しておきながら、かじり読みの勉強不足からの偏見だらけの自己都合での解釈、見解。あげればきりがないが、認知科学関連でノーベル経済学賞に触れる時に、ハーバート・サイモンの名前があがらないのか。経済学が数学になっていると非難する一方で、行動経済学は評価している(?)。脈絡もわからず人間の脳のメカニズムの話が出てくるなどなど。ご自分の立ち位置がはっきりしないままの議論展開、意見の垂れ流し。
     「所詮、人間は、『ある程度の理性を持ったサル』なのだ。その事実を謙虚に自覚しなければいけない。」(P.230)と結ばれていて、最後になって、ようやく著者自身の反省と自戒の書であることに気が付いた。「よく自己評価できました」の意味で星1つ。
     以上、「ある程度の理性を持った人間」からのコメントでした。

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著者プロフィール

ウィトン・アクトン代表
国際基督教大学卒業、上智大学国際部大学院MBA。エスティ・ローダー社マーケティング・マネジャー、タイム・インクのダイレクト・マーケティング本部長などを経て現職。早稲田大学商学学術院客員教授、立命館大学教授を歴任、現在は、トッパンフォームズ社外取締役、セブン&アイ・ホールディングス社外監査役を兼任。

「2018年 『経済の不都合な話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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