ゲームの変革者: イノベーションで収益を伸ばす
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532314507
作品紹介・あらすじ
猛スピードで変化する世界で陳腐化とコモディティ化を避けつつ成長を続けるには、継続的なイノベーションが欠かせない。イノベーションを偶然や運任せにするのではなく、目標、戦略、組織、システム、企業文化、リーダーシップなど企業経営の中心にすえるにはどうすべきか。「消費者がボス」を信念とするP&Gは、いかにしてイノベーションを組織の中心に置いているのか。本書は、世界的経営コンサルタントであるラム・チャランと、革新的商品を世界の家庭に提供しつづけてきたP&GのA・G・ラフリー会長兼CEOが、互いの体験と研究を凝縮した画期的な経営書である。ビジネスウィーク誌の年間ベストブックに選出された話題作、ついに登場。
感想・レビュー・書評
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この分野に疎いが、この本で得られたことは
•イノベーションがどのようなものか、事例と共に知れた
•イノベーションが生まれるために個人としてできること
•P&Gの歴史や風土が知れた
組織論はいまの自分には頭に入ってこなかった
個人的には、
•製品はConsumerとのコミュニケーション。技術のこだわり、仕事の成功、上司の評価を気にした成果を求めるのでなく、常に消費者にとって正しい価値を提供しているか考える。
•Consumerの無意識なNeedsとWantsを探る
ことを実践したい
自分なりに心に残ったこと
★イノベーションとはどのようなものか
•破壊的イノベーションと持続的イノベーションがある。
•P&Gは戦後17の破壊的イノベーションを生んだ➡︎つまり、評価方法を確立している
•持続的イノベーションに成長を支えられながら破壊的イノベーションを探している➡︎この考え方は個の日頃のモチベーションになる。
•ソニーのMP3は発明、iPodはイノベーション
★イノベーションが生まれるために個人としてできること
•イノベーションなしには達成できない目標を設定する。無意識に設定している制限ルールは何か
•偉大なイノベーションは未対応のニーズやウォンツを理解するところから生まれる。自分のPCを見ながら、PCのバックライトが3倍明るいといいなあと言う人はいない。
•技術者は技術へのこだわりを捨て、その技術が何をもたらすかを考える
ジレットの例
技術者「ものすごい剃り味だ!」と興奮
マーケティングと消費者「冷ややか」
➡︎「今まででにない剃り味」とメッセージを変えるとすんなりと受け入れられた
•アイデアを試作品にする。目に見える形にするとさらにアイデアを生む
•「わかったぞ!」の瞬間。極度に不満が高まったときに、混沌がスーッと一つにまとまる瞬間。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界的な日用品メーカーとして知られるP&Gは「ビジョナリーカンパニー」としても知られている。しかし、そのP&Gも1990年代後半には成長が伸び悩み、1999年には4カ月で3回も業績予測を下方修正し、就任したばかりのダーク・ヤーガーCEOはわずか18カ月で退任するという危機的な時期があった。
そのような状況でCEOに就任し、大きく業績を立て直したのが本書の著者であるアラン・ラフリー氏である。本書はラフリーがP&Gで実践した改革を紹介しつつ、経営コンサルタントのラム・チャラン氏が他社の事例を踏まえてイノベーションマネジメントの要諦を解説している。
P&Gというとオープンイノベーションの成功事例として注目を集めがちであるが、本書を読むとそれだけで成功したわけではないことがよく分かる。イノベーションとは本質的に組織のカルチャーに関わるものであり、チームプレーによる産物である。流行りの戦略論を聞きかじっただけで実践できるものではない。本書に斬新な処方箋を期待する読者は失望するかもしれないが、イノベーションの解説書としては珠玉の一冊である。 -
感想
常に周りと異なる体験をし続ける。平準化の圧力は常にかかる。そこで屈してはいけない。イノベーションはお遊びではない。今や組織の中心。 -
【XD推薦図書】
P&Gの事例。エスノグラフィックなアプローチから改善仮説を立案し、早々にプロトタイピングしていくことを実業で活かしていることを丁寧に紹介している
(実際にP&Gにそういうチームがあるとのこと) -
P&Gの社長の著書です。題からは分かりにくいのですが、著者が「イノベーション」を中核に据えるP&Gの経営手法を解説する本です。どうやらP&Gはクリステンセンのコンサルティングを受けているかな?という感じを受けました。「イノベーションへの解 実践編」に出てくる方法に近いものをP&Gで実践しているようです。「消費者がボス」という基本的スタンスの話は聞き飽きたくらいですが、「イノベーションを成功させるには、そのための組織が要る。」という考えに基づき、専門組織「フューチャーワークス」やその基金「コーポレート・イノベーション基金」などをプールしているという話は参考になると思います。ビジネスウィーク誌の年間ベストブックに選出されたとのこと。最新のケース本として推薦します。
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出されたのは、10年ほど前
今、まさに多くの企業が取り組んでいるであろうイノベーションやデザイン思考やらに、10年以上前から取り組んでいることが分かる
先進企業の中枢とはこういうことか、と感じさせられる
This book was published about 10 yrs ago.
I found that P&G and a lot of leading companies had tried innovation strategy, e.g... organization, culture, process, design thinking.
It's just this thing that many companies try now. -
「一流の人は、本のどこに線を引いているのか」著者の土井英司さん推薦
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率直に言えば、上司と話を合わせるために読んだ。経営者の成功談でしょどうせと斜に構えて。
意外と示唆はあった。
以下メモ。
イノベーション=破壊的イノベーションと思い込んでいた。
「誰」を捉える。
類似商品と消費者行動を観察する。
computer aided engineering
失敗をオープンにする。 -
P&G停滞期脱出を導いた敏腕経営者による一冊。P&Gの原点である、”消費者がボス”に立ち返り、業績と活気を再生させた。商品開発の参考になる。繰り返し読みたい一冊。CEO打診の経緯も書かれていたり、自身の眼を通した記述なので、身近で生きた感じがする文章。
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組織改革のディレクションとマネジメントを学ぶ。一貫した戦略と、それをやりきること。