人が育つ会社をつくる 新版: キャリア創造のマネジメント

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318086

作品紹介・あらすじ

スキルを陳腐化させない「学び続ける人材」になれ。人の成長を促す仕組みを"キャリア構築"の視点から考える。

感想・レビュー・書評

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  • 従来型の企業文化からの教育では、立ち行かなくなっていることの解説と、自らキャリアを切り開いていく上で大切なポイントを学ぶことができる。

    自らキャリアを切り開いていく能力=キャリアコンピテンシー
    つまり、充実した自分らしいキャリアを継続的に切り開いていくことのできる思考・行動特性のこと。抽象性、普遍性の高い能力のこと。

    第一因子:主体的なジョブデザイン行動
    1.自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる
    2.社会の変化、ビジネス動向について自分なりの見解を持っている
    3.部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている
    4.仕事の進め方や企画を立てる際、いままでの延長線上のやり方ではなく、常に自分なりの発想で取り組んでいる
    5.自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している
    第二因子:ネットワーク行動
    6.新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる
    7.自分のネットワークを構成する個々人が、どんなニーズを持っているかを把握し、それに応えようとしている
    8.自分の問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている
    第三因子:スキル開発行動
    9.今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクションプランを持っている
    10.スキル・能力開発のための自己投資をしている
    とある。
    今でも十分通じる考え方だと思える。これらのことを意識して仕事をしている人はどんな場所でも活躍できるだろう。
    こうした環境、文化を作っていくことで、人が育つ会社になっていくのだろう。
    我が身に置き換え、自ら実践することと、上記10項目を意識して部下、同僚とのコミュニケーションをしていくことで、働きやすい職場へとなっていくのだと思う。

  • 読まずに返却 20141209

  • 書いてある内容がシンプルでわかりやすい。実用的な事例なども含まれているので、アクションに繋げやすい。一つ一つまじめに実践したら、相当変わると思う。

  • ・今、成長実感があるかないかよりも、今後の成長予感があるかどうかの方が退職率と相関性が高い。中長期にわたる自分の成長の可能性が感じられるかどうかが大事
    ・成長を感じる瞬間:仕事で具体的に成果が出た>顧客からの評価>上司からの評価
    ・単発の結果での評価ではなく、質の高い仕事ができるようになったことに対するフィードバックが重要
    ・営業職の成長実感がいちばん高い
    ・より良いキャリアの条件 1、日々の仕事で動機を活用している 2、自分の仕事の意味づけ 3、中期的成長実感 4、人生全体の充実とバランス
    ・会社としてのキャリア自律の推進は若者への福利厚生ではなく経営課題
    ・アメリカの大手航空会社の平均離職率は16%だが、サウスウエスト航空は8%。特徴は、職種転換が非常に盛んなこと。採用基準が職種適性ではなく、会社に向いている人。

  • 面白く読みやすい本だけれども、自分には、内容が系統立って頭の中に入って来ない。
    各論が多い本。
    20160623記

  • 会社の課題図書

    いつも悩むのは、「育つ奴は育つ」「人は育てられるのか」


    判断業務、いや判断業務ともすこし違うのか、この監査という仕事において、どう育成を捉えて、仕組みでカバーするところを増やしていくのか。

    プロフェッションというものへ人材育成の取り組み。この専門的な理解をもっと深めたいと思う。一般的な本だと、ほとんどが営業などライン職種を前提にしていて、監査みたいな専門職にどこまで該当するのかは気になる。


    常にこれという正解(因果)はないにしても、「育つ人間は勝手に育つ」という考えの誘惑に負けずに、育成に投資していくか。

    本書あとがきにエッセンスがつまっているけど、そもそも逆算や目標管理では管理しきれない課題が人材育成だという。つまり、上記の悩みはあって当たり前。その上で、どう組織全体で、学習する組織文化、成長への投資(ある種見返りを直接的に測定しない)を充実させられるか。

    ビジネスモデルで優位を保っている企業で、永続しそうな企業の人材戦略はもっと経営陣が理解しないとと思った。グーグルのWork rulesなんか、読んでびっくり。人事という分野でも、この会社は研究してるんだもん。

    とにかくこの本で紹介されている複数のグローバル企業における、徹底したトレーニングを受けた人間の数の多さに驚きます。

    最近は、監査がリスク認識の最先端にいることの重要性を痛感します。ルール不備(整備・運用)を発見し伝えるだけでなく、もっと重要な、ルール不備だけでなく、その背後、あるいは、そんなことはほっといて、もっと重大なリスクを経営に知らせる役割。それにはこうした人材マネジメントの状況(不備、脆弱さ)なんかも当然ないとです。

    ・ビジネスプロセスの徹底した改善を行える人材を増やすこと。
    ・管理職に共通した軸を展開する取り組みを増やすこと。
    ・これらが順繰りに組織をまわり、次の世代を育成すること。

  • 自分自身、そして組織をより成長させるためのヒントが満載。
    繰り返し読んで、実践に繋げていきたい。示唆に富む一冊です。

  • ■書名

    書名:人が育つ会社をつくる[新版]―キャリア創造のマネジメント
    著者:高橋 俊介

    ■概要

    企業の成長に欠かせない「人材育成の仕組み」を「ひとりひとりの
    社員のキャリア構築」の視点から考える。多様な成長パターンを用
    意し、人が自発的に育つ会社をつくるための考え方を豊富な事例と
    ともに解説する1冊。
    (From amazon)

    ■気になった点

    ・チャレンジングな仕事が日常的に与えられる環境にあり、コーチ
     ング的マネジメントスタイルがとられていて、健全なプレッシャー
     があれば、その職場では若手社員が育ちやすい。

    ・以下の2つが日々の業務の中で両立していくことが、成長のために
     は必要な事とされる。

      ・自己裁量度が高く、問いかけ型マネジメントが行われている
       ことを前提とした健全な成果プレッシャーのあるマネジメント
       スタイルの実現

      ・お互いに教えあい、高い成果のために協力しあうというチーム
       ワーク

    ・大事なのは、仮設、検証サイクルの徹底である。

    ・必要となる本質的なスキルというものがあり、それを対象者全員に
     習得させる仕組みがなくてはならない。

  • おなじ著者の「21世紀のキャリア論」を読んで、同時期に新版となった本書を読んでみた。

    2書を比較してみると、重なる部分も多いが、「21世紀のキャリア論」がどちらかといえば学術的、こちらの方が読み物という位置づけかなと思った。

    内容としては、人が育ちにくい環境になったこと、若手を育てさせる要因、成長パターンはそれぞれであること、キャリアを自ら切り開くこと、人材育成の仕組みをつくることなどが挙げられている。

    何はともあれ、高度経済成長モデルはいまや続いていないわけで、日本企業のよさを認識しながら、自らキャリアを作るべきだと感じた。

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著者プロフィール

高橋 俊介(タカハシ シュンスケ)
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任教授
1954年東京都生まれ。
2000年に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授に就任。個人事務所による活動に加え、湘南藤沢キャンパスのキャリア・リソース・ラボを拠点とした個人主導のキャリア開発や組織の人材育成についての研究に従事。2011年より、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授。2022年4月より、現職である慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。
沖縄県那覇市にも事務所兼住居を持ち、1年のうち3割は沖縄で暮らしながら仕事をしている。
主な著書に『キャリアショック』『21世紀のキャリア論』(以上、東洋経済新報社)などがある。


「2022年 『キャリアをつくる独学力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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