自動車新常態: CASE/MaaSの新たな覇者
- 日経BP日本経済新聞出版本部 (2020年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532323622
作品紹介・あらすじ
【コロナショック後の自動車産業を徹底分析!】
■100年に一度の大変革に直面する世界の自動車産業は、モビリティ産業への変革を迫られている。電動化をはじめとする「CASE革命」の大激変、MaaSへの対応を進めるべく、世界の自動車産業は次々と手を打ってきた。そのさなか、新型コロナウイルスが突如として猛威を振るい、世界は一変した。本書は、業界を代表する著名アナリストが、コロナショック後の自動車産業への量的、質的影響をいち早く分析し、中長期的な展望を示す注目の書。
■耐久消費財である自動車分野では、新型コロナの影響はリーマンショックを超えるとも指摘されている。同時に、グローバルに展開する部品供給網が寸断され、ソーシャルディスタンシングが高額商品である自動車の販売を難しくしている。部品産業を含め、需要、供給、収益機会とさまざまな方面に多大な影響が長期にわたって及ぶ。
■本書は、ウイズコロナ時代の自動車産業におけるニューノーマル(新常態)――世界の移動ニーズと消費行動、市場特性の変化を読み解き、説得力のある数字に基づいて先行きを展望する。とりわけ、2022年以降と見られるアフターコロナ時代に向けた構造変化を解説。CASEのうち、A(自動運転)とE(電動化)が加速する一方、S(シェアリング&サービス)は質的変化を遂げるとの見通しを立てる。いち早く回復へと動いて注目される中国市場については独立した章を立てて分析。画一的な世界ではなく、より多様な状況が現出すると見通す。大きな影響を受ける部品メーカーへの影響も取り上げる。終章では、新たに誕生するモビリティ価値の方向性を探り、自動車産業に関わる主要産業(OEM、サプライヤー、ディーラー)への指針を示す。
■8月に公表される各社の第一四半期決算の内容など最新動向を踏まえた展望は、業界関係者や投資家必読。日経ビジネス人文庫『CASE革命』との併読で、コロナ時代の自動車産業が掴める。
感想・レビュー・書評
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普通でした
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コロナが自動車産業に及ぼす影響がグローバル視点で書かれている。個人的には業務上で知りえる情報ばかりだったが、エビデンスを絡め分かりやすい内容だと思う。
自動車のオンライン販売に特に日本いるとそこまで普及していない印象だが、アメリカなどでは浸透していくとの予想で参考になった。 -
コロナは、変化を加速させる。
在宅勤務率と公共交通の利用率で
都市を累計するのは、面白い。
これから、さらにどうなるか、見極めが必要。
コロナの影響しかり、
ロシアの影響しかり。 -
アフターコロナからの自動車残業をCASEそれぞれに焦点を当てて記載されており、とても参考になった。
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自動車業界に携わる人が危機意識を持つための一冊
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前作の「CASE革命」後に起きた、新型コロナ危機後の自動車業界をテーマにした本。
コロナで人々の移動に対する認識がどのように変わるのか、日本で暮らしているだけでは何となく飲み込めない感じがした。しかし、コロナがコロナ前におきつつあった変化を加速させる、というのは自動車業界で起きていることだけではないだけに至極納得できた。
本書の出版は2020年10月。さほど時間が経ったわけではないが、今まさに起きている脱炭素、電動化へ一辺倒への流れにはあまり触れられていない。それだけこの業界を取り巻く環境変化のスピードがすさまじいということか。早くも次作が読みたくなった。 -
コロナが自動車業界に与えた大きなインパクト。
これによって、自動車業界は今後どう変わっていくのか?主に自動車メーカーの観点から綴った内容。
一口にコロナの影響と言っても、業界によって異なるし、会社によっても異なっているのであるが、
殊自動車業界においては、これまでの延長線上の流れにいるのは変わらないまでも、
その変化のスピードが極度に増したのであることがよく理解できた。
中国に過度に傾倒していたサプライチェーンの問題しかり、
各国・各市における公共交通機関とのバランスしかり、コロナによって多く変化ももたらされた。
自動車業界に身を置く我々が考えておかねばならないことは、こうした流れの変化の中で、
如何にビジネスモデルを適応させたり、新たなものを立ち上げていく必要があるのか?という点に尽きる。
本書にもあるが、総じてデジタル化の遅れていた自動車業界が、コロナによって、CASEの実現が確実に早まったとある。
早まったのだとすると、それに備えて我々は何をすべきであるのか?
常日頃から考えておくべき必要性を痛感。この類の本は常にアンテナを張っておく意味からも、定期的に読んでいく。
テスラが何故急激な成長を果たすことができたのか?この点もよく理解できた。 -
第7章(最終章)を読むだけで十分価値あり、むしろそれ以外は少しマニアックで退屈だった。
最も印象に残ったのは、ハードからソフトへの移行が加速してもものづくりを軽視するわけではない。あくまで ボーリングの1番ピンとしてソフトウェアを狙い、その最も後ろにあるハードウェアにヒットし、良質廉価なものづくりが極められるというところ。 -
コロナというゲームチェンジャーのお陰で、20世紀の主役だった自動車産業も、抜本的な変革の動機(必要性)を得、生き残りや勝ち残りを賭けた、世界規模の競争激化が始まっている。(本書では日本推しの水素はフォーカスされていない)。トヨタのスマートシティへの投資は、当面推移を注視したいものの、自動車がもはや自動車単体としては存在価値が低くなったという証左に感じた。新常態とは、人と車の関係性の変化を踏まえてもいる。非接触という強迫観念が、コロナ後も一定で残るなら、一世を風靡したシェアリングエコノミーも見直されるだろうし、それは自動車の個人保有欲とも直結する。アフターコロナの近未来が、どう展開されるかはまだ見えないが、それ次第で自動車のあり方も、変態し得るのかもしれない。
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ビフォーコロナとウィズコロナでの自動車産業の変化
世界自動車メーカーの戦略の変化